深夜の帰宅困難者・・・

 「厳冬期深夜帰宅困難者徒歩帰宅訓練」を行いました。と言っても災害発生や交通機関の途絶を前提とした訓練ではなく、ちょっと飲みすぎて最終電車で寝てしまい、5つ先の駅で目覚めて慌てたという、とても恥ずかしい理由です。駅を出ると当然のことながら、タクシーは見つかりませんでした。タクシーを呼ぶアプリは使っていないし、酔っ払っているからダウンロードしようという発想もないし、何より、こんな田舎の駅でこんな時間にタクシーをつかまえることは明らかに不可能です(そこまで冷静に考えていたわけではありませんが)。だから唯一の選択肢が、歩いて帰る、でした。
 自宅から離れた駅とは言え、近くを車で走った経験は何度もあるので、道順には不安はありませんでした。Wi-Fiがなくても、ネットにつながっていなくても、GPSで位置を確認できるマップアプリはスマホにインストールしています(これは便利です。海外でも使えます!)。それを使って経路を確認しながら、月明かりを頼りにとにかく歩き続けました。
 最初はフラットな道路を1時間ほど歩き続けました。昼間は車の多い通りですが、さすがに真夜中は、時々パネルトラックにすれ違う程度でした。前からくるトラックのヘッドライトに目が眩んだり、追い抜いていくトラックの音に驚いたり、という感じで歩き続けました。
 しばらく歩くと、長い長い登りが待っていました。普段、車で走ると数分の感覚なのですが、登り坂を歩き続けても、いつまで歩いても頂点が見えてきません。段々と足の裏が痛くなって来て、時々すれ違うトラックのライトに目をくらまされながら、早くてっぺんに着かないかなと願いつつ歩き続けました。
 長い長い登りが終わると次は急な下り坂。下りは上りよりきつい、これば実感です。膝が笑うといいますが、本当にヘラヘラ笑っているような感覚です。歩道のないワインディングロードでトラックとすれ違い、その音とヘッドライトの光に驚いていたのですが、もしかしたら驚いているのは私ではなく、運転手さんでしようね。深夜に、山の中の道路で1人とトボトボと歩く人間にすれ違うのですから。幽霊だと思われたかもしれません。足はありましたよ。痛かったけど。
 何とか3時間を歩きとおし、自宅に到着。ウォーキング仕様のビジネスシューズを履いていたのですが、足裏への負担は大きかったですね。若いころはフルマラソンを、それもかなりのスピードで走っていたのですが、今回の足裏、膝への負担は、初マラソンを思い出させるほどのものでした。
 結論!靴は、歩きやすいものを普段から履いておきましょう。最近電車の中で女性の足元を見ることが多いのですが(たまたまですよ)、運動靴を履いている人が増えましたね。ヒールじゃなく、ジョギングシューズやバスケットシューズ、デッキシューズなどなど。とても素晴らしいことだと思います。
 私たちはいつ帰宅困難者になって、数時間歩いて帰らなければならない状況に置かれるかもしれません。足元から備えておきたいですね。
 それから、飲み過ぎは止めましょう(人に言える立場ではありませんが・・・)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?