地震発生直後の連絡、ちょっと考えましょうよ。

 東北で地震が続いています。とても心配になります。特に、東日本大震災以降、私に親しくしてくださった方々の安否は気になります。

 でも、その日に連絡を取ったりはしませんでした。翌日、被害がなかった事実を確認して、メールしました。内容は、東日本大震災を体験した子どもたちのフラッシュバックや体験を持たない子どもたちも含めた子どもたちの恐怖、翌日の学校での対応が中心でした。私が元教師で、防災教育と心のケアに関わってきて、東日本の知り合いも学校関係者が多いからです。

 揺れたニュースが入ったら即座に安否確認のメールをすべきだと叱られそうですね。家族や親せき、仲のいい友達だったらそれも必要でしょう。でも、私と懇意にしてくださっている東日本大震災の被災地の知り合いは、防災や防災教育や語り継ぎに関わる人々です。おそらく、その日、その瞬間にもっと大切なメールを関係者の間で交わすはずです。その邪魔をしたらダメですよね。

 こんな話を聞きました。被災地の防災関係の方々(行政の危機管理、消防、消防団、NGO/NPOなど)に、地震発生直後からメールが殺到したそうです。それも、被災地から遠く離れたところから。しかも、防災に関わっている人々から。

 ちょっと想像してください。被災地の防災関係者は、行政にしろNPOにしろ消防団にしろ、大切な情報がスマホに入ってきます。そこに、外から「逃げて!」とか「大丈夫?」といった「思いやり」の詰まったメールが届きます。これって、邪魔になっていませんか。メールが入ってスマホがブルブルと震えるだけでバッテリーが消耗します。大切な連絡が入った時にはバッテリーが切れた!なんてことになっては一大事です。

 実はこの手の話は、いろんな被災地の「あるある」になっています。なぜ被災地の外にいる、被災体験のない防災関係者にはこの事実が共有されないのでしょうね。もしかしたら、そんな事実を知っている、知らない、という以前に、人としての感性なのかもしれませんね。

 家族や親せき、仲のいい友達などの安否確認は大切です。でも、被災地の外の防災関係者(あるいは防災関係者だと自己規定する人々)が、被災地の中の防災関係者に連絡するのは一日だけ待ちませんか。被災地の防災関係者の邪魔は止めましょうよ。

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