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seiji_arita
2024年2月27日 04:07
「Stand By Me」其処にある月が全てを綺麗に照らしていた満月に近い巨大な月が夜空に浮かび僕は夜の音に耳を澄ませた真夜中の深い静寂の中 不自然な程明瞭な月明かりが僕に語りかける 僕は始めて自然に呼吸する事の出来る場所を見つけたStand By Me … Stand By Me君の記憶をひとつひとつ呼び起こし断片を繋いだ 世界が夜に属しても月
2024年2月20日 19:25
「海色に沈む」目には見えない雲の切れ端 小さな浮雲ゆっくりと型を変えて空を彷徨う其れは僕の過去 失われた記憶を求めて漂っている 部屋の窓から 遠くに少しだけ見える海巨大な海の切り取られた断片其処には波音も潮の匂いも無い海色の小さな塊僕は記憶の枠の内側に居るのか外側に居るのか何も見えない思い出せない 僕の知らない所で物事は進展し行き場を失くしたの
2024年2月20日 14:42
「青に浮かぶ音」不格好で歪な音が空間を揺らす其れは個性的で魅力のある歌の様だった何もかもが平坦で均等に備え付けられた空色斑さえない青に浮かびその音は揺れていた宿命的な欠点を幾つもあらわにした君の奏でる歌に心を奪われていた君の突出した部分が僕の感情に食い込んで来る僕は君の歌を聴くのが好きだった暴力に似たセクシャルな感情が僕の中で蠢いてる小さな恐怖と
2024年2月10日 22:25
「風と繊月」風と繊月 ふたつの夜溢れる想いは言葉にならず儚く揺れた 月影囁くあの日の詩心に閉じ込めた文字を独り静かに指先でなどる遥か遠くに見える星それでも あの火は消える事なく小さく瞬く時を待ち見上げる夜空春を待てずに花となり想いの蕾を胸に抱く
2024年2月7日 03:32
「風見鶏」忘れたいものは絶対に忘れられない風向きひとつでくるくると回る風見鶏どんな色をした風でも構はしない 其処には独自の世界も意志も言葉も持たない哀れな姿があった僕は笑って黙殺した忘れなよ そんな事は誰かが僕にそう言ったあの時殺したのは他でも無い自分自身だったからだ僕はひとりボトルを開けた時のウィスキーの香りを思い出していたハイボールを飲む君
2024年2月2日 23:38
「魔笛」目に映る景色 それは外見的には何も変わらないだけどこれまでの世界とは徹底的に違っていた夜の世界と昼の世界の様にふたつの世界の どちらかに僕は含まれ僕とは違う世界に君は含まれていた想像力の作り上げた鮮明な景色が迷宮を呼び墓標も無く埋められた骨の夢を見た無意識の暗黒の中に深く沈み込み僕は魔法の笛と鈴を探した一欠片の曖昧さも無く輝いていた月