マガジンのカバー画像

324
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

あの娘の夢 《詩》

あの娘の夢 《詩》

「あの娘の夢」

これが最後だと 
それだけ聞かされた

別に驚いたりしないよ

だって それが君だから

全部知ってる

君の嫌なところ 嫌いなところ
幾つだって言えるさ

僕の嫌なところも 嫌いなところも
君は沢山知ってるよな

それでも僕は此処に居る

それでもまだ君は傍に居る

それが答えだと思う

涙が乾いたら笑って歩こう

言葉はもう何処かに忘れた
心だけが残った

夢だけ見てる 

もっとみる
天国の場所 《詩》

天国の場所 《詩》

「天国の場所」

夜の街 星の一欠片

君の愛した花に添えた

真夜中に目覚め月風に君の名を

愛の言葉と明日の太陽

見えない翼を広げ

センチメンタルに純粋な水

突き抜けた想いで羽ばたく夜空

秘密の合言葉を入れた宝箱

真珠の鎖を巻きつけた

天使の様に思い通りに

何処へも行かないで 傍に居て

白い肌に触れた指先

お願いだ天国の場所を
開けておいてくれないか

Photo : Sei

もっとみる
赤と黒のシャム猫 《詩》

赤と黒のシャム猫 《詩》

「赤と黒のシャム猫」

シャム猫 鳴いた赤い月下 

映し出す黒いブルーズ

不思議の森で探した
運命が書かれた星

あぜ道と夜が溶け合う場所

其所で見た茶髪の女

傷口なぞる指先 優しく

あの娘が描く絵は 心と裏腹 

それを知ってるのは僅かな人だけ

腐った紛い物に火を放て

氷塊の城 
酔って切り裂いた真夜中

カサブタ ブルーズ 赤と黒 

宝物だって言ってやるよ

Photo : S

もっとみる
波音 《詩》

波音 《詩》

「波音」

君の見つめる瞳の先に
僕の姿はありますか

心の奥に隠した深く暗い海

僕の想いを言葉にすれば
何もかもが壊れそうで

何も変わらないよ  
出逢った日から

聞かせてよ君の声  
勇気を出して一歩 踏み出すから

言葉に出来ないから涙が溢れて

夜空の産んだ星達が
宝石のように見えた

失くしちまった太陽と
探し続けた月 

そして波音だけを残して

Photo : Seiji Ar

もっとみる
此処に居る 《詩》

此処に居る 《詩》

「此処に居る」

別に綺麗じゃ無くてもいい

汚れていたって
欠落していたって構わない

吠え続ける獅子の叫び

止まない蝉時雨 
過去の残像

音を消し去り色彩を失くした世界

約束するよ 必ず守る

静寂の中の迷子

欲しいものはただひとつ

僕はいつまでも此処に居る 

君の直ぐ傍に

Photo : Seiji Arita

ペテンの星 《詩》

ペテンの星 《詩》

「ペテンの星」

ペテンの星を草むらで拾った

仰ぐ星座が嘲笑ってら
少し酔ってるせいかもな

恋とか夢とか明日とか
そんな囁きに耳を塞いだ

誰かの椅子取りゲーム

ガリ版刷りの模造紙

一撃で喰らわされた言葉

無限に受け止めた傷と痛み

無傷な顔した水平線

いつか答えにたどり着けるさ

価値のわからない奴等の戯言

泥で汚れて埃をかぶってる宝物

俺の拾った小さな星
エイトビートのロックに

もっとみる
雨の日 《詩》

雨の日 《詩》

「雨の日」

雲の裏側 願い事 

雨の隙間 祈りの光

感情の混乱その後に

光の乱反射 青空の夢
枯れてもなお美しき花

君を知って愛しさを知り
愛を知って涙が溢れた

ふたりの道 君を抱いた夢

雨の日のさよなら

Photo ; Seiji Arita

沙羅の木 《詩》

沙羅の木 《詩》

「沙羅の木」

誰かが鳴らした鈴の音

無数の鳥居 
朱赤の細道

隙間 
差し込む光誘う千本鳥居

手を引き歩いた長い階段 

太皷谷  

越天楽 

三狐神 

無優樹 

菩提樹 

沙羅双樹

落ちてこそ
始めて気付く見えざりし花

川の流れ 運ぶ花弁 褐色の石畳

時の行方に幸あれと
独り見つめた白い小さな花

風はあの日と変わらず吹いてる

貝殻の首飾り 《詩》

貝殻の首飾り 《詩》

「貝殻の首飾り」

小さな貝殻を繋げて作った首飾り

太陽が海に沈む時 
僅かな時間

世界はオレンジ色に染まる

ソーダ水を注いだ透明なグラス

透かして見た夢
小さな粒が笑ってる

生きてる証って 

きっと誰かの事を想う時
そうだろう 

君を想う時

貝殻の首飾り 似合ってる

海の香り  
波音が君の声の様に聞こえた

言えないよ 《詩》

言えないよ 《詩》

「言えないよ」

僕が君に
逢いたいてっ思ってる回数が

君が僕に
逢いたいって思ってる回数より
多い事 

君に知って欲しい

恥ずかしいよね 言えないよ

だって だって 

好きだなんて言えないよ

何度も何度も
伝えてるつもりなのに

いつも君は不安になって
僕の傍から消えそうになる

もっと自惚れなよ 

綺麗だよ 愛してる 

オルガスム 《詩》

オルガスム 《詩》

「オルガスム」

時間の鎖 孤独の檻 

記憶と過去の視界  

失いかけた意識

爪を研ぐお前 傷口に口づけ

去り行く姿 見つめるだけで

最後の涙は青白い星

乱れた愛に貫かれた身体

身も心も 
激しく溶け堕ちたオルガスム

夢見る少女 《詩》

夢見る少女 《詩》

「夢見る少女」

虚像の壁 雑踏の中 
書き殴った気持ち

理屈なんかじゃ無い

無限の色彩 街の景色

黄昏の影 欲望に崩れた届かない夢
指の隙間から滑り落ちる

愛する者達に小さな祝福を

全てを否定する 
背中合わせの裏切り

群衆の中 道を見失い彷徨う

心の痛み 夢見る少女
風に吹かれて星が揺れた

君の笑顔を探してる

雨上がり 《詩》

雨上がり 《詩》

「雨上がり」

恋じゃないさ 
だって愛なんかじゃないよ

嘘で誤魔化した

雨も止んで 陽が差し込んで

道端の花 雨の雫が綺麗に輝いて

嬉しそうに君が そう話すから

はしゃいで撮った沢山の写真
僕のホルダーは君でいっぱい

溢れる想い隠しきれなくて

もしも願いが叶えられたなら

また明日ね 君の後ろ姿 
見えなくなるまで見つめてた

恋じゃないさ 
だって愛なんかじゃないよ

醒めない夢

もっとみる
クロスワード 《詩》

クロスワード 《詩》

「クロスワード」

お喋りなあの娘に出遅れた彼奴

振り撒くウィンク

浮ついて舞い上がった遊び慣れた女

横取り噂話し ばら撒かれた秘密

クロスワードの文字

掛け違えたボタン
埋まらない空白

逃げ腰 言い訳 
悪いのは俺だけじゃ無い

仕掛けられた盗聴器
拡散するスピーカー

誘って来たのはお前の方

ねぇ 恥かかせないでよ 
甘えた声で

もう おやすみ恥知らずな女

枕でも抱いて寝な

もっとみる