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非社会的

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2021年8月の記事一覧

生存恐怖、なまなましい捨てられ恐怖、埴谷雄高のこと

生存恐怖、なまなましい捨てられ恐怖、埴谷雄高のこと

「頭の狂った人間を病院に運ぶための黄色い救急車がある」という古い都市伝説があるが、私にはこれがひどくなまなましいのだ。内容の無根拠さとはうらはらにやけにイメージしやすいのも恐い。なんでだろう。黄色というのが妙に不気味の印象を煽る。子供の頃なら恐いのも分かるけど、今も恐い。というよりむしろ今の方が恐い。精神分析学上、これは興味深い問題だ。

フーコー的な「生権力」が支配的となった時代の人間には、多か

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言語快楽の骨頂は「比喩の発明」にある

言語快楽の骨頂は「比喩の発明」にある

三島由紀夫の『仮面の告白』に「若い僧侶のような世故に長けた微笑」という表現が出て来る。ヤングアダルトの時分に小説を読み始めて最初に記憶したのがこれだ。そんな微笑など肉眼で見たことがないはずなのに「うまい、卓抜だ」と唸らされました。その後何かにつけて模倣しまくったのは言うまでもない。全ては模倣から始まるのだ。

ところで名人鬼才の手になるこんな比喩ストックを脳にたくさん詰め込んでおくと何かと重宝にな

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人間の実存に「生産性」も糞もあるか!

人間の実存に「生産性」も糞もあるか!

でかいペットボトルで売られている安物の「ウイスキー」をカルピスウォーターで割るとたいへん美味しい。このごろそればかり飲んでいる。ブレンドは知恵だね。

きのう学生時代の「友人」と飲んでいて何かとイラついた、そしてほとほと虚しくなってしまったので、その分けの一端をここに記して、人間学的考察の糸口にでもしようか。

私は底意地の悪い人間であり、むらっ気の強い人間であり、お愛想の言えない人間であり、ミザ

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吐き出すゲロも枯渇した朝は

吐き出すゲロも枯渇した朝は

賢さ 他人を利用して楽する才覚。

虚しさ(悲しさ) 宇宙そのものが感じている「永遠の寄る辺なさ」が各意識者に分有されて感じられていること。

中年 「何歳までが若者なのか」という問いを立てた瞬間に若者は中年になる。

子供 自分が「暴力」の主体であることに無自覚な没理性的動物。天使に譬える人がときどきいるが多分それはブラックジョークのつもりだろうから反論するには及ばない。 

都市 銭湯と自室以

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