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エッセイ

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SHOW-GOくんのステージと、それにまつわる記録

SHOW-GOくんのステージと、それにまつわる記録

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1日の中で「何も無かった。」という事は無いはずなのに、今日は何も無かったということにしている自分が居る。身の周りで起きている事象に対してのアンテナ、視界に入る全ての動きを観察する目、本当は何か起きているはずの事が視界に入っていない、もしくは感じ取れていない事は、自分の中では非常に深刻な問題だと感じ始めている。心に余裕がなかったり、考え事で頭がいっぱいいっぱいになると、脳みそがオーバーヒー

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記録

記録

京都に住み始めて、もう4ヶ月が経とうとしている。夜、眠ろうと目を瞑っていたら、奈良に住んでいた時の事を思い出した。いや、思い出した、というより、思い出そうとした、の方が正しい。
昔の感覚を取り戻すのは到底無理、でもその記憶の中の全てを消し去る事は出来ない。長い間この体と共に生きてきたのだから、忘れようとしても忘れられない事の方が多い。
人間のことは大嫌いで、大好きだ。相反する2つの感情が二律背反と

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すべて忘れてしまうから  

すべて忘れてしまうから  

夜勤の合間に、燃え殻さんの「すべて忘れてしまうから」を読み終えた。燃え殻さんの著書を読むのは二度目だ。1つ目は「ボクたちはみんな大人になれなかった」。そして、この「すべて忘れてしまうから」。

一言で言うなら、燃え殻さんの人間らしさが、とても好きだな。決して上手な生き方をしてきた、と言えないけれど、人間らしくて、不器用で、キラキラした大人、というよりかは大人になれなかった大人、のような気がして、そ

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音楽に触れる

音楽に触れる

幾重にも重なる波がゆらゆらと流れ、溶けていくように身体の奥深くまで浸透していく。凪いでゆくような波に、荒く激しい波、震える足をさらに震わせる振動の波、毛先まで震え立つ空気の波。マイクからいくつものインターフェースを経て、スピーカーから音の波が出ていく。それら全てが美しい波となり、全身を経由して心へと流れ落ちていく。
私はそれを、「音楽に触れる」という。

* はやく30歳になりたい、と願う藍谷凪さ

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日記/珈琲とくるまの娘❸

日記/珈琲とくるまの娘❸

*
飲んでいたアイスコーヒーは氷が溶け薄くなっていた。グラスの側面には透明な塊がそこらに出来ていて、重さに耐えきれなくなった塊がグラスの足元へ涙みたいに流れ落ちる。足元は大きな水たまりが出来ていた。涙の数だけ強くなれると言うが、涙の数だけ身体が重くなる時もある。足が重くてどこにも行けやしない。でも、それは涙や悲しさだけの重さじゃない。重なって増えていく水たまりの底に、黒く澱んだ境界がある。私はそれ

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日記/珈琲とくるまの娘❷

日記/珈琲とくるまの娘❷

「生きている珈琲」を出て河原町の歩道を歩く。この日は清々しい正午だった。本を読むのは会社の事務所で読むことが多い。土日の勤務のみ1人で店を回すので、1人になれる時間が多いから。きっかけはなんだったのかわからないけれど、家の中で本を読むことが出来なくなった。家に1人の空間はない、いつも家族の誰かしらが家に居るから、かえってそれが心を苦しくさせてしまっている。家族。「くるまの娘」も家族がテーマである。

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日記/珈琲とくるまの娘

日記/珈琲とくるまの娘

珈琲を飲みながら宇佐美りんさんの「くるまの娘」を読んでいる。京都河原町にある「生きている珈琲」という珈琲専門店。’’スモーキングブレンド’’という珈琲で、煙草を吸いながら飲むのに適しているらしい。普段は冬場でもアイスコーヒーを頼むほど猫舌、でも今日は気分でホットの珈琲を飲んでいる。冷ましながら飲む珈琲は久しぶりだ。私は食事の時、水をがぶがぶ飲むタイプの人間。冷えているものの方が喉が潤される感覚があ

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佐野夜の自己紹介ポートフォリオ

佐野夜の自己紹介ポートフォリオ

はじめまして。佐野夜と申します。久しぶりに更新しました。
こちらに掲載している情報は、2024年4月30日現在のものです。

1,どんな人で、何をしている人なの?各種SNSX(旧Twitter)
@sano_yoru

Instagram
@sano__yoru

YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCISO-VCRsp_FhW3T7dYekHg

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フィルム撮り比べその❶

フィルム撮り比べその❶

こんばんは、こんにちは。佐野です。
あの...この...その...さの...。佐野です

フィルムカメラを8月に買ってからもう3ヶ月目に入るのですが、
自分が一番好きなフィルムを探し求めてはや3ヶ月にもなるのです。
奥深い...どれもこれも好きですし、一番って決められないのでは..。

これを読んでくださっているフィルムカメラマンの方、
あなたの好みのフィルムを教えてください...。(切実)

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その傷と共に生きていく。

その傷と共に生きていく。

長くなりますから、Dreamy先生の曲を聴きながら読んでみてください。

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人を潔く嫌いになる事が出来たらどれだけ楽だろうか。

好きなことを続ける事は簡単な事ではない、それは心のどこかでは分かっている。もっともっと先の事だろうと思っていたけれど、それは瞬く間に私へ襲いかかってきた。

たかだか20

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武道館

武道館

6年前から大好きでずっと応援している「美波」というアーティストが、来年の3月30日に「武道館」での公演を発表した。夜勤の合間でタバコを吸っていたら、ポケットの中の携帯がtwitterの通知で響き、そこで知ったという訳で、今に至る。
とんでもない場所へ彼女は行こうとしていて、はなからもともと遠い場所にいた上に、さらに遠くへ行ってしまうんだなと改めて思う。

この6年の間に「美波」というアーティストを

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