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✏️何度も読み返したい「スキ」であふれているマガジン✏️

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心に残ったことば・しゃしん。 何度も何度も読み返したい。
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#家族

#006 本当に「結婚」だけが家族をつくることの概念なのか【古性のちの頭の中】

#006 本当に「結婚」だけが家族をつくることの概念なのか【古性のちの頭の中】

人生で過去に1度だけ「結婚したいなあ」と自発的に思ったタイミングがある。「この人としたい」というよりは、その頃わたしは結構精神的にもボロボロで、ひとりで立っていられなかったから、多分誰かに寄りかかりたかっただけのだと思う。

”自発的に” がどういうことかというと、無言の同調圧力で結婚しなければいけないのかな?と思ったタイミングは多々あるからだ。

「のちさんの結婚観て聞いても大丈夫なんですか?い

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ろう学校の思い出|聴こえない母に訊きにいく|五十嵐 大

ろう学校の思い出|聴こえない母に訊きにいく|五十嵐 大

 三度目の滞在時、母の人生において、ろう学校がいかに重要な存在だったのかを知った。

 通常学級へ進学した母の周りには、聴こえる子どもしかいなかった。当時、親切にしてくれる同級生たちもいたらしいが、やはり、コミュニケーションの壁は存在した。聴こえない母には、児童のみならず教師の言うことも理解できなかったのだ。

 そして母は、中学生になるタイミングで「ろう学校」へ進学する。そこにいるのは、みな、母

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話せない良太の話が聞けたわけ〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

話せない良太の話が聞けたわけ〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

平成29年11月から、2030~2040年に向けた情報通信政策のビジョンについて検討を行う、総務省の「IoT新時代の未来づくり検討委員会」に委員として1年3ヶ月ほど参加させていただきました。

年齢・性別・障害の有無・国籍・所得等に関わりなく、誰もが多様な価値観やライフスタイルを持ちつつ、豊かな人生を享受できるために、ICT、AI、IoTをどのように活用していけばいいのかを、身体障害のある私の視点

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弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら

弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら

岸田家の歴史を揺るがす大事件が起きた。

わが弟が、莫大なお金を稼いだのである。
大金とは、彼が三十年働いて手にするはずの金額だ。

それを数時間で。

田舎の片隅にある剥がれたフローリングの我が家から、絶世の富豪が爆誕した。血統書のない梅吉(犬)も、高貴なチャウチャウに見えてくる。

弟は生まれつきダウン症なので、障害のある人が集まる福祉作業所で、平日の朝から夕方まで働いており、日給は500円だ

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思い込みの呪いと、4000字の魔法

思い込みの呪いと、4000字の魔法

「奈美と結婚しても、ダウン症の弟くんの面倒を見る自信がない」

高校生の時、付き合っていた彼氏が言った。

ショックだったのは。
明るかった彼の、思いつめたような表情でも。
とつぜん切り出された、将来の話でも。
障害のある弟を、否定されたことでもなかった。

っていうか結婚とか急になにを言い出してんねん、どうしてん。

なにより「弟は私に面倒をかける存在で、私がその面倒を見なければならない」と思わ

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家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

私が住んでいる東京という大都会に、母と弟が来た。
ひろ実と良太が来たとも言う。

母からのリークによると、新幹線の中で、弟は何度も「奈美ちゃんは?奈美ちゃんは?」と、母に聞いていたそうだ。

なるほど、なるほど。
それはそれは猛烈な歓迎を受けるに違いないと、相応の準備をしていたら。

弟に真顔で「よう」と言われた。
ちょっとちょっと。話が違うじゃないか。

弟心は、秋の空ほど移り変わる。

さて、

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