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坂道シリーズの歌詞考察

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乃木坂46、欅坂46、けやき坂46、日向坂46、櫻坂46の歌詞考察です。
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#歌詞考察

「平等」と「公平」の違い【欅坂46 月曜日の朝、スカートを切られた 歌詞考察】

「平等」と「公平」の違い【欅坂46 月曜日の朝、スカートを切られた 歌詞考察】

この記事では、欅坂46の「月曜日の朝、スカートを切られた」という曲を手がかりに「平等」と「公平」の違いを明確にしていこうと思います。

結論から言うと「公平なくして、平等なし」です。

まず、なぜこの二つの言葉の意味の違いを理解しておいた方がいいのかというと、特に日本社会において、この二つの言葉の意味が混同されているばかりに人々が「幸せ」を掴みにくくなっていると思うからです。

例えば、運動会の徒

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10月のプールとは何なのか?【欅坂46 10月のプールに飛び込んだ 歌詞考察】

10月のプールとは何なのか?【欅坂46 10月のプールに飛び込んだ 歌詞考察】

10月のプールとは「青春」だ。

「青春」(主観と客観がごっちゃな二律背反な状態=不安定な状態)を「10月のプール」に「飛び込む」というイメージの相反する言葉の組み合わせで表現していると思う。

「10月のプールに飛び込んだ」、は言い換えると「青春に飛び込んだ」、だ。

菅井友香がブログでも書いていたように、「無敵だった青春を感じる」ようなキラキラしたイメージが湧いてくる。

歌詞もこれまでの反応

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「雨空は悪くない 傘で空が見えなかっただけ」はこの世の真理【けやき坂46 期待していない自分 歌詞考察】

「雨空は悪くない 傘で空が見えなかっただけ」はこの世の真理【けやき坂46 期待していない自分 歌詞考察】

「雨空は悪くない 傘で空が見えなかっただけ」は、けやき坂46(現:日向坂46)の「期待していない自分」という楽曲の歌詞の一部です。

この世の真理だと思った理由は、この歌詞の意味を理解していれば、強く生きていけると思うからです。

強く生きていけるとは、どういうことか。

それは、主体的に生きていけるということです。

なぜ、主体的に生きていければ、強くなれるのかと言えば、人のせいにすることがなく

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「独り占めしてたはずの不眠症が私だけのものじゃなくて落胆した」【欅坂46 角を曲がる 歌詞感想】

「独り占めしてたはずの不眠症が私だけのものじゃなくて落胆した」【欅坂46 角を曲がる 歌詞感想】

ただただ自分の好きな歌詞について書いていく。

映画の主題歌だったこの楽曲を、はじめて映画館で聴いたとき鳥肌が立った。

そして、全部聴き終わったあと、歌を聴いて初めて涙が出た。

映画の内容はもちろん、それまでの欅坂46の物語、平手友梨奈の物語も相まって感傷的になっていたのは間違いないが、何より、自分自身の葛藤に深く響いた。

こんなに、的確にストーレートに核心的になぜ、この青春時代特有のモヤモ

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秋元康の歌詞はニーチェ哲学

秋元康の歌詞はニーチェ哲学

秋元先生の歌詞は「前を向かせてくれる」。
何故なら、「主体的になれ」(=ニーチェ哲学)と言っているから。

主体的になれ、とは言い換えるなら「大人になれ」ということだ。
主体的の反対は「反応的」、つまり子供の状態であり、自分の不幸は「誰かのせい」と思っている状態である。

秋元先生の歌詞は主体的(大人)と反応的(子ども)の対比を使いながらストレートに核心をつく。
だから、今の若者に刺さっている。

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自由とは途中下車をできること【乃木坂46 日常 歌詞考察】

自由とは途中下車をできること【乃木坂46 日常 歌詞考察】

自由を勘違いしてる人が多い。
自由とは素晴らしいものであって万能なものではない。

自由=自分に幸せをもたらすものではない。
一度乗った電車を降りるか乗り続けるのかの選択肢を自分で選べることを自由という。

電車を降りた先が望むところだとは限らない。

そこで、その選択を自由(外的要因、他人)のせいにしていてはいつまで経っても子ども(反応的)なままだ。
他人が用意したレールに乗ろうが自分が用意した

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もう今さら違う自分になれるわけないじゃない?【櫻坂46 BAN 歌詞考察】

もう今さら違う自分になれるわけないじゃない?【櫻坂46 BAN 歌詞考察】

タイトルは櫻坂46の2ndシングル「BAN」の歌詞だが、この歌詞がこれからの櫻坂46を形成していく上で大事なキーワードを内包していると感じた。

そのキーワードとは「開き直り」だ。

欅坂46時代は中・高校生として社会への、大人への反抗心、青春時代特有の焦燥感、自己嫌悪について歌い、聴き手と同じように悩み寄り添う形で応援をする楽曲が多かった。そんな子ども的な反応的な「誰かのせいにしたい、でも...

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【櫻坂46】Nobody's faultの歌詞がめちゃくちゃニーチェ哲学な件

【櫻坂46】Nobody's faultの歌詞がめちゃくちゃニーチェ哲学な件

櫻坂46の1stシングル表題曲である「Nobody's fault」の歌詞が言っているのは「強く生きる」にはどうすればいいのか、である。

そこで秋元康が用いているのが「ニーチェ哲学」だ。
ニーチェ哲学とは、ニーチェの有名な言葉で「神は死んだ」とあるように「宗教」というみんなで信じていた物語が世間から受け入れられなくなった時代に出てきて、価値観の飴を割り箸でグルグルと回されるように、飴が固まってい

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秋元康らしさを言語化したい

秋元康らしさを言語化したい

秋元康らしさを言語化したい。
なぜなら、自分自身が秋元先生の考え方、それに付随して歌詞がめちゃくちゃ好きだから。
何度も救われてきたから。

一言で、秋元康らしさを言語化すると「そのオールマイティさ」だと思う。
ヒロアカでいうところのオールマイトのように何でもできる、自分にとってはNo.1ヒーローだ。

そのオールマイティさを更に詳しく言語化してみると、まず「時代を読む力が凄い」点を挙げる。
この

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進撃の巨人と乃木坂46は本質が同じだ

進撃の巨人と乃木坂46は本質が同じだ

※進撃の巨人の単行本34巻のネタバレがあるのでお気を付けください。

この乃木坂46の11thシングル「命は美しい」の歌詞が進撃の巨人の本質であると思う。

進撃の巨人とは、主人公であるエレン・イェーガーが何故、突如壁を破ってきた巨人に母を喰われたのかが分からず、その真相を追求し、この世界の残酷さに立ち向かっていくダークファンタジー作品である。

そして、徐々にエレンは暴走していき、周りの仲間達を

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秋元康が提示し続ける「灯台もとの幸せ」【乃木坂46 君に叱られた 歌詞考察】

秋元康が提示し続ける「灯台もとの幸せ」【乃木坂46 君に叱られた 歌詞考察】

9月22日(水)発売の賀喜遥香がセンターを務める乃木坂46の28枚目シングル「君に叱られた」のMVが9月2日に公開された。

この楽曲はとにかく秋元康らしいと言える。
それは、これまで何度も歌詞にしてきた「幸せとはすでに持っているもの」というメッセージが根底にあるからだ。

秋元康の歌詞の魅力は核心をストレートに突き、「こうだったらいいんじゃない?」と生き方を提示してくれるところだと思っている。

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諦めているのに前を向いている歌詞が好き

諦めているのに前を向いている歌詞が好き

諦めているのにそこまで暗くないというか、前を向いているというか。
その独特な空気感が堪らなく好きです。

特に坂道曲でそれを感じるのは、「100年待てば」や「最終の地下鉄に乗って」です。

「100年待てば」の歌詞は、ざっくり言うと一人の少女の片想いを唄ったもので、彼には自分の気持ちが届かないというその諦めの気持ちというか、今のどうしようもないという気持ちをいわば肯定する為に、「100年待てばいい

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「五月雨よ」の歌詞にみる櫻坂46らしさ

「五月雨よ」の歌詞にみる櫻坂46らしさ

櫻坂46らしさは乃木坂46プラス欅坂46だ。
つまりは自己完結プラス葛藤が櫻坂46らしさだ。

そう定義してみるとこの「五月雨よ」の歌詞は櫻坂46らしさ全開だと思う。

この楽曲の象徴的な歌詞である「先のことは分からないまま 五月雨式に好きになってく」、この五月雨式とは、物事がだらだらと続くさま、という意味がある。

2月21日のレコメンで音源が宇宙初解禁となり、その歌詞を見ていくと、乃木坂46の

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「Actually...」から分かる乃木坂46らしさ

「Actually...」から分かる乃木坂46らしさ

乃木坂46は成長する道を選んだ。
予定調和は停滞だ。
今までと同じようなことをやれば短期的には穏やかだが、長期的には衰退だろう。

乃木坂46はコンセプトがないことがコンセプトのグループであることをもう一度、認識してほしい。
何にでもなれる。
乃木坂46らしさなんて、その時の花火でいいはずだ。
その刹那が、儚さが、あえて言えば乃木坂46らしさであって、その核さえあれば、上に乗っかっているものが何だ

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