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諦めているのに前を向いている歌詞が好き

諦めているのにそこまで暗くないというか、前を向いているというか。
その独特な空気感が堪らなく好きです。

特に坂道曲でそれを感じるのは、「100年待てば」や「最終の地下鉄に乗って」です。

「100年待てば」の歌詞は、ざっくり言うと一人の少女の片想いを唄ったもので、彼には自分の気持ちが届かないというその諦めの気持ちというか、今のどうしようもないという気持ちをいわば肯定する為に、「100年待てばいいことあるかもね」、と明るい曲調とも相まって希望はほぼないんだけれども、もしかしたらあるかもねと、決して絶望はせず、前を向いて生きていく、この天気雨のような何とも言えない世界観が大好きです。
「100年待てばいいことあるかもね」という自分を肯定する言い回しが思いつくのも本当に凄いと思いました。

「最終の地下鉄に乗って」の歌詞は本当に共感のオンパレードなのですが、この歌詞は大学生くらいの主人公がすでに人生を諦めているというか、周りの大人たちをみても希望は持てないし、自分は夜遅くまでバイトしていて先の見えないこの暮らしはいつまで続くんだろうと漠然とした不安が描かれています。

「無理をして微笑むしあわせなんて要らない」はこんなに今の若者の核心をついた言葉は他にはないだろうと思うくらい感動しました。今の悟り世代と呼ばれる若者のまさに諦観を表していると思いました。

「だけど今すぐ死んだりはしない 急がなくたってそのうちにみんな死ぬんだから」という歌詞はこういう考え方を持てば自殺する人なんていなくなるんだろうと思いました。やっぱり、思い詰めてしまう人ってどこか人生に真剣すぎるんだと思います。世の中を近くで見すぎというか。
イメージ的には世の中をスマホでみるよりテレビでみるかのようなちょっと遠目からみないと息苦しい感じがすると思うんです。

こういう、一見悲観的なんだけれども前を向いているというアンバランスさを更に明るい曲調で唄うというこの一種のカオスが自分の琴線に触れているのかとてもワクワクします。

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