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わたしのなかの”あふれ”が言葉になり、その言葉たちが繋がって、詩になりました。
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夜市へ | 詩

夜市へ | 詩

ゆらゆら、揺れる

灯りが、ともる

息を止めて

橋を渡れば

そこは夜市だ

金魚がざわめく

人間共はいない

賭け事は当たり前

りんご飴はないけれど

ここには人々の欲が詰まっている

色彩 | 詩

色彩 | 詩

わたしの色彩
どこへいった

きらめいてた日々
どこへやった

なにをみても
なにをしても

灰色になるんだ
おかしな世界よ
ほんとうに

やすめ
やすめよ
ゆっくりと

こころの色彩
取り戻すまで

なぞれ
なぞれよ
しなやかに

わたしの命が
芽吹く先まで

モノクロなこの街で | 写真・詩

モノクロなこの街で | 写真・詩

モノクロなこの街で
一体何を唄うの
明日は彩られるの?

涙に濡れたハンカチ
もう一枚持ってきたら良かったな

この冷たいコーヒー飲んだら
いい加減家に帰ろう

死んだ魚の目だとしても

奥底の灯はまだ消えていない

シャンピニオンの指輪 | 写真・詩

シャンピニオンの指輪 | 写真・詩

シャンピニオンの指輪つけて

なんとも想像し難い

不恰好なリング

ただ美しい緑に包まれた森の中で

キンモクセイの香りに誘われて

小走りで向かった

妖精たちは人間の愚かさを嘲笑い

森の主は私の味方ではないと言った

如何にもこうにも

ここで暮らしていくには難しそうだ

餌に寄って来た猫を

なんとか味方につけて

薄っぺらい毛布で今日も眠る

「それでも、もう現代社会には
戻りたく無い

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雨宿り | 写真・詩

雨宿り | 写真・詩

水玉のレインコートに

お気に入りのカーキのレインブーツ

心を空っぽにして

雨が止むのを待っていた

紫陽花の上で

ダンスをするカタツムリ

のろのろのろのろ

見てた私が眠たくなった

うとうとうとうと

気づいた時には

夢の世界へ

水たまりの向こう側には

なにがあるの?

そこからぴょこんと

魔女が飛び出して来て

知らない世界に連れていってくれたりするの??

「そうだよ」

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心が青に染まったら | 写真・詩

心が青に染まったら | 写真・詩

心が青に染まったら

目の前の信号が青になったら

レモンスカッシュを飲んで

走り出そう

夏風と戯れて

熱中症には気をつけて

波の近くで

ゆらゆら揺れて

カモメに挨拶をして

旅館の看板犬と仲直りして

そうして取り戻していこう

ゆっくり

“わたし”

を取り戻していこう

自意識過剰 | 写真・詩

自意識過剰 | 写真・詩

ありふれた日常を
透明な瓶に蓋をして
非凡な才能に憧れた

普通よりできない自分を
何と比べてるのか
はっきりと定義付けしないまま
嫌悪した

馬鹿だなぁ。
賢い友達に言われたよ

ちっぽけな世界で
小さな小さな悪あがき
誰かに見て欲しい気持ちが肥大して
我慢の効かない子供だった

止めてくれる大人がいるから
大丈夫だと思っていたんだ

それも変な話

言い訳探して
結局自分が可愛くて
どうしよう

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愛するということ | 写真・詩

愛するということ | 写真・詩

グッと歯を食いしばって
鳥のさえずりを
待ってるんだけど

秋の虫の音を聴いて
綺麗だねって
言おうと思ってるんだけど

それはちょっと
“違う”みたいだ

肩の力を抜くことに
また力を使ってるんだろうな

ただ、
今お腹が鳴っていることだけが
わたしにとっての
“自然”な気がする

取り繕ってない
“いのち”
な気がする

この瞬間に
全部剥がれ落っこちて
心だけになったら
そりゃもう大変だ

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とある私の日常 | 写真・詩

とある私の日常 | 写真・詩

おばあちゃんちには
好きが溢れている

朝の光に反射する
昔ながらのポスト

車庫の前にある
いつもの電動自転車
古びたキャンプ用の椅子

まだらに錆びた洗濯物干し

きらきら輝く金属製の洗濯バサミ

朝起きて、庭で息を吸う時に
まっすぐゆらゆら伸びる影

朝に現れる亡霊みたいだ

みんなどこかしら色褪せていて
当たり前にそっと佇む

なんだかとても
儚くて愛おしい

そんなわたしの、日常

ペルソナ | 詩

ペルソナ | 詩

大事な判断の材料に持ってくるのは
他人の情報じゃなくて
自分が息吸って吐いて
感じたこと

体感したい
体感したい
体感したい

しばらく躁になって
周りが見えなくなるくらいに
心躍るのはどんな瞬間?

一段飛ばしで
階段降りるくらいには
浮き足立って

うっかり踏み外して怪我しても
まるで痛みは感じないような

毎日じゃなくて良いから
定期的に来る”私なんて”を
掻き消すような
出会うべきはそん

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賛美歌 | 詩

賛美歌 | 詩

あの時ああしとけばよかった!
そんな後悔とも
おさらばしてあげたのは
もう遠い過去の話

なんて言うのは
ただの傲慢だったなぁと
気がついたのは
最近の話

どう足掻いても普通の人間
なんなら精神年齢は一般よりも低め

トランプの絵が描いてある
カードを引いて勝った気でいる
どうしようもない人

自然の方がよっぽど価値があるね
知人から貰った観葉植物が
ささやいてはキャッキャと笑う

君に水をやり

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鬱と、きらめき。| 詩

鬱と、きらめき。| 詩

きらめきはいつも

ふとしたところから顔を出す

猫があくびをした時

雨上がりの公園をてくてく散歩した時

親友のようなベッドでゴロゴロしている時

生きることが

もうどうにも辛くなってしまった時

そんな時

きらめきは

そっと顔を出して

うまく心に触れて広がっていく

それは小さな宇宙のようで

私が私を諦めないように

ケタケタと遊んでいる

もうダメかなぁと思ってたところに

今日

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灰色観覧車 | 詩

灰色観覧車 | 詩

回れ虹色 観覧車
揺れる気持ちを
掻き消すように
回れ灰色 観覧車
あの日の夢を
忘れぬように….

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人とか金とか林檎とか
雨とかパンとか切手とか
魚が泳ぐ事が
さも当たり前のような世界で

今日も回るよ

灰色観覧車

そこはこうだって前教えたよね?
もっと明るめの声で電話に出なさい
無意味な常識振りかざして
社会通念に従順に縛られて生きる先輩方の後ろで
今日もお

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夏を駆け巡る | 絵・写真・詩

夏を駆け巡る | 絵・写真・詩

夏を駆け巡る

夕方の四時半
この時間ならもう涼しいでしょ
って笑いながら
意気揚々と出かけた海散歩
波打ち際をてくてく歩くにつれ
からだがどんどん火照っていく
もうこれでもかというくらい
水分を体の中にとりいれて
なんとか回復 
最後は笑わずに帰った

夏を駆け巡る

昼過ぎの一時半
リビングの窓にふと目をやると
レースカーテンの隙間から緑色の木漏れ日
今年もゴーヤのカーテン
すてきに出来たんだ

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