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Web制作やシステム開発の売上原価についての考え方。

こんにちは、りゅうたです。

今ホームページ制作のサブスクリプションサービスを企画しており、その中で販売価格の設定や原価率の計算など弊社でしっかり安定して利益をあげられるように細かいところまで数字で計算をしています。そんな中Web制作やシステム開発の売上原価についての考え方が、意外と自分も意識していなかったなと改めて気づき、今日はそのことについてまとめたいと思います。

人件費は売上原価ではない

いきなりですが、みなさん「人件費」って売上原価に入ると思いますか?

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実は、会計書類(決算書など)上では人件費は売上原価には入らないのです。

会計のルール上「売上原価」とは、「販売した商品やサービスを生み出すためにかかった"直接"のコスト」を指します。ここの「直接のコスト」とは、提供した商品やサービスに紐づいて新たなに発生するコストを意味します。

少し分かりづらいかと思いますが、凄く簡単に言い換えると、一つの商品・サービスを売るごとにつれ、必ず発生してくるコストを表します。例えば、一つのコップを売るのに、商品を製造する原料は一つのコップに対して必ず発生してきます。しかし人件費や販売費などは、一つのコップに対して必ず発生するというよりかは、製造するコップの数が増えれば増えるほどノウハウの蓄積や効率化を図ることができ、コストを下げることができます。

なので、人件費は「直接のコスト」には当てはまらないため、会計上のルールでは、売上原価には入らないのです。

人件費も考える必要がある

しかしWeb制作やシステム開発、またエステサロンなどの技術職やサービス業は、直接発生するコスト(売上原価)はほとんどないですよね。あるとしたら「外注費」が売上原価にあたってきます。
(※店舗や机、ベッドなどの備品などは、経費にあたります。)

なのでサービス業などの粗利(利益)率は、とても高いと言われています。しかし実際は、サービス業の中で最もお金がかかってくるのは人件費なのです。人や技術を持った人材がいなければ事業を回すことができない。

そのため、会計書類上では人件費は売上原価には入れないのですが、実際の経営上の考え方には人件費や経費など、「商品・サービスを製造、販売、アフターフォローまでなどと事業に関わる範囲のものはすべて売上原価として考える」必要があるかと。

それらを踏まえてWeb制作やシステム開発の事業を企画する際には、必ず一つのサービスに対して発生するコスト、売上原価、人件費などすべてを明確にする必要があります。

特に今の時代簡単にフリーランスや起業家になることができ、価格設定を市場価格に合わせたり、無名だから市場でも一番安い販売価格で出せば売れるだろうと安易な考えで販売価格を設定すると利益がでず、事業を軌道に載せることがとても難しくなります。そのため、これから商品を出す人も事業を作る人も改めて販売価格の設定や原価率、人件費などを細かく計算して把握することが大切です。

フリーランスを経て独立して今思うことは、フリーランス時代はただ原価(人件費含む)を売っていたなと。フリーランスも会社には所属していないが、一経営者として考え、「事業」をすることがとっても大事だと気づきました。またそうしなければ、生き残ることは非常に難しいです。

各業界の原価率、粗利率

最後におまけとして、各業界の原価率や粗利率を簡易的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

粗利とは、一般的な売上から原価のみを引いた利益を指します。
 (売上高-売上原価=粗利、売上総利益とも言う。)

営業利益とは、粗利から人件費、広告費、販促費、光熱費などの
 「販売及び一般管理費」を引いた利益を指します。
 (粗利-販売及び管理費=営業利益)


【卸売業】(原価率:85% / 粗利率:15%)

粗利率が最も低い業種であり、商品を大量に仕入れてスーパーなどに納める会社です。商品に何も手を加えないため、付加価値がほとんどない業種でもあるため、粗利率は低くなります。

【小売業】(原価率:70% / 粗利率:30%)

スーパーやコンビニなどの小売業は、店舗への陳列や産地を表示して価値を見えるかなどをして商品に付加価値をつけて販売しています。

【製造業】(原価率:50% / 粗利率:50%)

家具メーカーなどの製造業は、材料をカットして、磨き、塗装、組み立てなどといくつもの工程を経て付加価値をつけているため粗利率も高くなります。

また化粧品もこれに当たります。化粧品の原材料は、大半が水と油でできており、それにお洒落な容器や美しい光沢の紙パッケージなどの付加価値をつけて販売しています。

〈一般化粧品(販売価格:1,000円)〉
原価率:10% / 粗利率:90%
〈高級化粧品(販売価格:10,000円)〉
原価率:1% / 粗利率:99%

化粧品については、これだけを見るととんでもなく儲けているように見えるのですが、粗利の中からさらに、

・広告宣伝費:10%
・卸売企業への販売マージン15%
・小売店への販売マージン25%

など、最終的に販管費などを除いた、営業利益は4%程度になります。

【飲食業】(原価率:30% / 粗利率:70%)

飲食店の「原価率30%、粗利率70%」は、一般の経営知識でもあるので、ぜひ覚えておきましょう。

〈ラーメン店〉
醤油ラーメン1杯680円
(原価率:200円→29% / 粗利率:480円→71%)
〈イタリアン〉
ナポリタン1皿460円
(原価率:137円→30% / 粗利率:323円→70%)
〈激安焼肉点〉
カルビ1皿400円
(原価率:160円→40% / 粗利率:240円→60%)
〈ハンバーガー店〉
ダブルチーズバーガー296円
(原価率:80円→27.7% / 粗利率:216円→72.3%)

照り焼きバーガー277円
(原価率:80円→28.9% / 粗利率:197円→71.1%)

フライドポテト239円
(原価率:30円→12.6% / 粗利率:209円→87.4%)

コーラS93円
(原価率:3円→3% / 粗利率:90円→97%)

コーヒーM143円
(原価率:5円→3.5% / 粗利率:138円→96.5%)

ハンバーガーセット(ポテト、ドリンク付き)447円
(原価率:83円→18.6% / 粗利率:364円→81.4%)

ハンバーガー店のメイン商品はどれも原価率が30%前後ですが、サイドメニューの原価率は異常に低いですよね。これからも分かるように飲食店は、サイドメニューを注文してもらうことがとても重要です。

【サービス業】(原価率:20% / 粗利率:80%)

サービス業は、多少の変動費(材料代、外注技工料、クリーニング代など)はかかるのですが、売上のほとんどが粗利となります。

〈Web制作会社〉
原価率:10% / 粗利率:90%
(人件費:65%)
〈理容店〉
原価率:6% / 粗利率:94%
(人件費:64%)
〈美容店〉
原価率:11% / 粗利率:89%
(人件費:49%)
〈10分1,000円カット〉
原価率:2% / 粗利率:98%
(人件費:63%)
〈エステサロン〉
原価率:8% / 粗利率:92%
(人件費:64% / 営業利益率:15%)
〈クリックマッサージ〉
原価率:0% / 粗利率:100%
(人件費:64% / 営業利益率:5%)

以上になります。

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りゅうた

こんにちは。 株式会社ニュークラウドの代表「木村」です。 noteでは、主に「ビジネス」について書いています。 みなさんのサポートと応援により、クリエイティブな活動が続けられています。 本当にありがとうございます。 これからも応援のほど、よろしくお願いいたします😊