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マイケルジャクソンに憧れた少年がベガスで彼のダンサー達に認められる話⑤
まさかと思ったが、名前が呼ばれた。もう一度、踊ることができる。そして何より、認められたのだ。
この時再度ステージに呼ばれたのは、自分を含めて3人だった。一人は恐らく10代後半の女の子。とにかく楽しそうに、自分のスタイルを入れて踊る姿は、ずっと見ていたいと思った。もう一人は完全にマイケルの"Billie Jean"の格好をした20代前後の背の高い男の子。彼もまた、マイケル愛を感じさせてくれるダンス
マイケルジャクソンに憧れた少年がベガスで彼のダンサー達に認められる話④
ベガスはいつも、浮き足立っていた。
世界中からの観光客と、世界中を模した派手な建物の中、それはあの時の自分もそうだっただろう。でも当たり前だ。だってこれからマイケルのダンサー達が自分のダンスを見るんだから。10年以上、憧れ続けたあの人達が。浮き足立ちすぎて、長距離バスのドライバーに今回のコンテストのことを伝えていたぐらいだ。優しい、熊みたいなおじさんで、スポーツサングラスの奥にニンマリ笑う目が見
マイケルジャクソンに憧れた少年がベガスで彼のダンサー達に認められる話③
もうなんとなく、自分の「マイケル人生」はひと段落したように感じていた。もうこれ以上のことはないだろうと思っていた。マイケル本人の振り付けやバックダンスを担当した、伝説的なダンサー達と仕事をさせてもらえたらそう思っても無理はないだろう。正直、飽和状態だった。
ではこれからどうしたいのか。「マイケルになりたい」という11歳からの夢は、なんとなくだけど叶った。これ以上どうやって、もういないマイケルに近
マイケルジャクソンに憧れた少年がベガスで彼のダンサー達に認められる話②
前回からだいぶ間が空いてしまったが、早速続きを書きたいと思う。
三年間のアメリカ高校留学を終えて帰った日本は、想像よりも窮屈だった。大学に進学する労力と、ダンスというやりたいことがしっかりわかっているのに、それを無視して勉強するのなんて考えられなかった。次の目標は、ダンスの本場ロサンゼルス。せっかくなら、本場で学んでみたかった。マイケルが暮らした、その土地で学びたかった。
そんな高い志とは裏腹
マイケルジャクソンに憧れた少年がベガスでマイケルのダンサー達に褒められるまでの話①
ずーっと、好きなことしかしない子供だった。折り紙が嫌いで幼稚園に登園拒否し出した辺りから、そのわがままの片鱗を見せ出した。聞き分けのいいようで、実はヤバイというなんとも厄介な子供だったと自覚している。
そのヤバさは、11歳の頃にある出会いによって開花する。
マイケルジャクソン。
名前こそ知っていたものの、洋楽に無縁の家庭で育った自分にはあまり接点のない存在だった。当時急死した彼の姿は、至る所
「大丈夫だ自分!」言い聞かせnote
「最近なんか楽しそうだね」
言われてびっくりした。だって全然しんどいから!もちろん心から友達の笑ったり、そういう瞬間はある。だけどその時間は本当に一瞬だし、それ以外の大半の時間はこれからどうやって生きていこうかとか、どういう働き方が自分にあっているんだろうとか、そういうことを考えては日々悶々としている。
「本当はモテてるのに、選り好みし過ぎなんじゃないの?」
言われて、持っていた皿を投げたく
ガブリエレ・ミュンターのささやき
つい先日、コロナになってからクローズしていたLACMA(Los Angeles County Museum of Art)が再オープンしていたので行ってきた。日曜日の午後、天気はいつも通りからって晴れていたので、家族連れやらカップルやら、沢山の人で賑わっていた。
おっと、いけない。このままでは美術館レポートになってしまうところだった。そういうのは他の人がもっと高いクオリティでやってくれているので
映画という名のCM〜CHANELからのプレゼント
心に残るコマーシャル、あなたも一つはあると思う。あのCMのおかげで出会えた曲や女優、色々いると思う。生活の中に不意に飛び込んできて、新しい情報を落としていく。それは媒体がテレビからYouTubeに変わっても、変わらない。
多くのハイブランドのコマーシャルは、もちろんお金がかかっている。そこでトレンドを生み出していると言っても過言ではない(だから高い買い物になる訳だけど)。CHANELのコマーシャ
新・青春映画の金字塔「ブックスマート」で観た、不安定な美しさ。(ネタバレなし)
これっていつの時代も、どこの国でもそうだけど、若さってめちゃくちゃ大きな価値を持っている。だから歴代のおとぎ話の悪役は若さを狙ってくるし、爺さん婆さんは五分に一回は自分が若い時の話か、今の若者の話をしてくる。それって面白いくらいどこでも変わらない。
だからだろうか。人はハイスクール映画を無性に見たくなる時が来る。未だにバック・トゥ・ザ・フューチャーは観るって大人も多いんじゃないか。映画の中とは文
Maggie Rogersが書いた手紙〜「Heard It In A Past Life」で打ち明けた、ここまでの旅路
音楽の素晴らしいところって、思い出にぴったりと寄り添ってくれるところだと思っている。あの曲を聴けば地元の夕焼けが見えてくるし、あの曲は水の匂いを放つ。同じ曲でも人によって思い出はもちろん違うし、それがまた美しい。人の思い出の曲の話って、その人の人生がちょっぴり覗き見できたみたいで嬉しい。
「作り手にもこれと同じことが言えるのではないか」
そう思ったのはメリーランド州出身のSSW、マギー・ロジャ
ヒロインとして、 Carly Rae Jepsenが魅せるラブストーリー〜「Dedicated」で見せた彼女の進化
恋愛って、どうしてあんなに難しいんでしょうか。長い人類の歴史の中で星の数程統計はでているはずなのに、未だに完全に攻略出来る人は少ない。むず過ぎん?だけど難しいからこそ、やっぱり素敵なヒロインのラブコメを観てしまうんだよね。
カーリーレイジェップセンは、これでもかと真っ直ぐに、恋の物語を三作目のアルバム「Dedicated」でも紡いで見せている。1人の女性として、恋愛というフィルターを通して自分の