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三つ子のたましい三十まで
ライターの仕事をしていると「昔から書くのが好きだったのですか?」とよく聞かれる。その問いをもらったときわたしが語るのは、小学校中学年~高学年の夏休みに毎日PCに向かって黙々と物語を書いていた思い出で、自分の今の仕事原点はそこにあるのだろうな、と思い続けていた。
それだけではないかもしれない、と気づいたのが、8月さいごの日の朝。みずのさんの「こたつラジオ」で話をしたときだった。
「りほまるさんの
誰もが絹ちゃんで、誰もが麦くんだった。「花束みたいな恋をした」映画レビュー
「これ、わたしの話じゃん。」
エンドロールが終わってしばらくした後、自分が座っていた座面をばいーんと元に戻しながら思わずこぼれた言葉がこれだった。
「……もしかしてわたしって有村架純なの!?」と冗談めかして付け足したら隣にいた友人にはちょっと煙たそうな顔をされたのだけれど、許してほしい。だって、そんなふうにふざけながらじゃなかったら、わたしはTOHOシネマズのふかふかの椅子から、ずっと立ち上が
心地よいお腹いっぱいを目指すために
飲食店でアルバイトをしたことがある人なら、1日でどれほどの廃棄が出るか知っていると思う。ここでいう「廃棄」は、料理になれなかった食材たちの廃棄ではなくて、料理としてテーブルに出されたけれどお客さんに食べてもらえなかったものたちだ。
わたしが働いていた店は居酒屋だったのだけれど、お酒はもちろん料理もとびきりおいしい店だった。使っている食材も、個人で経営している農家やお店から仕入れたこだわりのものが
「結局仕事は気合いと根性だろ?」と思っていたわたしへ
仕事は気合いと根性だ、と思っていた。成果を達成できなければできるまで会社に残り、ミスをしたら謝り倒し、飲めないお酒も身体を張って飲む。社会人1年生のころ、それこそが「仕事のあるべき姿」だと心の底から思っていた。
実際、休日にこそこそ出勤してタイムカードを切らずに働いたことは何度もあったし、取引先との飲み会で飲まされすぎて小さな店のトイレを1時間占領し、他のお客さんを困らせたこともある(最低だ)。
【雑記】わたしはメモができない
わたしはメモをしない生き物だ!と気づいたのは、居酒屋でアルバイトをしていた大学生のときだった。
居酒屋にはたいてい生ビールを注ぐためのサーバーがあるのだが、あれは機械の中にビールが詰まっているものではない。
ビールの入った樽とサーバー本体をホースでつないで、途中でガスを混ぜちゃったりなんかして、注ぎ口から炭酸入りのビールが出るようになっているのだ(詳しくは知らないので調べてください)。
毎日
【日記】「遅刻されやすい人」のポジションを脱したいんだけどどうすればいいのだろう。
noteのエディタで文章を書くとき、なんとなく「良いものを書かなければ」「誰かにとってタメになることを書かなければ」と身構えてしまう人って多いんじゃないかと思う。私もそうだ。
noteは今でこそ大勢の人が使うようになってきたサービスではあるけれど、数年前、クリエイターが集まって使っていた時代(?)を知っている身としては、どうしても「作品を作らなければ!」のように思ってしまうのだ。
……というこ
ブラックコーヒーじゃなきゃいけないって、なんで思ってたんだろう
はじめてブラックコーヒーを飲んだ日のことを、どういうわけか鮮明に覚えている。22歳、大学4年生。第一希望の会社に内定をもらい、1DAYインターンという名目で先輩の営業についていった日だ。
まだ名刺入れも持っていなかったあのころ。商談で出されたのは、透明なプラスチックのカップにはいったアイスコーヒーだった。
わたしはブラックコーヒーが好きではなかった。けれど、お好みでどうぞ、とテーブルの中心に置
切羽詰まった時に巡り合ったものこそが、本当の運命なのかもしれない
寝坊した。
あろうことか、第一志望の企業の説明会のその日に、わたしは寝坊した。
しかも、だ。その説明会は「学生は昼間は授業があるだろうから」という素晴らしい配慮のもと18時開始に設定された「ナイトミーティング」という名のもので、それに遅刻するのは朝ちょっと寝過ごしちゃった〜とかそういうレベルではない。
大学4年。幸いなことに3年までに卒論以外の単位を取り終えていたわたしは暇を持て余していた。
乗り越えた人だからできること
中学生のころ、いじめられっ子だった。
幸い命を脅かされるほどの危機を感じたことはなかったけれど、それでも、ある日突然友だちだと思っていた女子全員から無視されたり、当時流行していた「前略プロフィール」というSNSのようなものに悪口を書き込まれ続けたりしていた。
一番困ってしまったのは靴や通学用のヘルメットを隠されること。学用品がなくなるということはすなわち、親にも事情を話さなければならなかったか
将来の夢ってなんなのだろう、という呟き
わたしは将来の夢が書けなかった。小中高とずっと、自分が遠い未来に何になりないのかはっきりと思い描くことができなかったし、それを口にすることに恐怖していたのだ。
わたしたちは小さなころから何かと将来の夢を語らせられている気がする。卒園式で、1/2成人式で、小学校の卒業式で、立志式で、中学校の卒業式で、そして最後に高校の卒業文集で。
わたしが最後に明確に夢を語ったのは保育園の卒園式のときで、みんな
ハマったもの、ハマらなかったもの
11月の半ばに仕事を離れてから、とにかくたくさんの新しいことや、しばし触れていなかったものに着手してみたように思う。
今回はその記録。人には向き不向きがあるので読んでいるあなたがハマれるかはどうかはわからないが、「なんか新しいことやってみたいけどなにしようかなー」と考えている人のアイデアになれば嬉しい。
図書館に通う👉ハマった
もともと本を読むのは好きな方なので、かなりハマった。あんなにたく
青春18きっぷの旅で手に入れたもの
人生最後の夏休みだ、と思っていた。大学3年の秋の入り口のことだ。来年の今ごろはきっと就活に忙しいだろうし、こんなに何もせずにのんびり過ごせるのはいまだけなんだろう、と思っていた。そんな気持ちの一方で、焦りもあった。
最後の夏休みを満喫すべく、友人たちは皆短期留学に行ったりリゾートバイトをしたり海外旅行に行ったりと大忙し。わたしはいつもと同じようにアルバイトをし、昼間は歌を歌ったり漫画を読んだりし