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独りでは圧倒的なプレゼンはつくれない。

――圧倒的なプレゼンをつくりにいくためには、本番を迎える前に、誰かに聴いてもらう作業が必要になってくるのです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「圧倒的なプレゼンはどこから生まれるのか?~仲間編~」というテーマで話していこうと思います。




📚プレゼンは孤独な戦いではない

前回、前々回に引き続き、全国大学ビブリオバトル地区大会で優勝した僕が、圧倒的なプレゼンはどこから生まれるのかという話をしていきます。第1回は「構成編」、第2回は「練習編」、第3回となる今回の記事では「仲間編」です。

ビブリオバトルをはじめ、プレゼンバトルは基本的にひとりでやるものですが、しかし孤独に戦っているわけではないよという話です。



ちなみにビブリオバトルとは、自分のお気に入りの本を5分間で紹介するプレゼンバトルのこと。リスナーはバトラーの発表を聴いていちばん読みたいと思った本に票を入れます。最も多くの票を集めた本がチャンプ本となるわけです。

僕はその公式戦に参加しまして、大学大会、地区大会で優勝することができたので、12月17日(日)に東京で開催される全国大会に出場してきます。

前回の「練習編」で語った通り、大学大会でも地区大会で圧倒的なプレゼンができるように個人で練習を重ねていたんですが、僕はそれだけに時間を割いていたわけではなくて、仲間づくりにも励んでいました。

独りでは圧倒的なプレゼンを作れないんです。


📚独りでは圧倒的なプレゼンを作れない

プレゼンするのは自分ひとりですから、孤独な戦いのように思えますが、そんなことはありません。むしろひとりで孤独にプレゼント向き合うのはよくありません。ひとりでつくるプレゼンは、ひとりでつくれるだけのものになるからです。

地区大会に臨む前に、僕は最も信頼を置いている親友相手にプレゼンをしてみました。地区大会で紹介する本が決まり、構成を決め、それなりに練習をして、発表としてでき上がった段階でした。

この発表で地区大会で勝てるのかどうか、自分なりに手応えのようなものを掴んでおきたいと思い、親友に聴いてもらうことにしたんです。ちなみに、彼は地区大会当日、大学の文化祭に出るとかなんとか言ってオンライン参加も厳しいと言っていたので、「おい、親友の一世一代の舞台だぞ!」というツッコミはせず、仲間になってもらうことにしました。

発表を聴いてもらって、アドバイスをもらうことにしたんです。

結論からいうと、この試みが大成功でした。そのとき最善だと思っていた僕の5分間の発表は、親友の「なんか物足りない」という一言によってあっけなく崩壊してしまったのです。かれこれ10年来の付き合いの気の置けない親友だからこそ言えた言葉だし、だからこそこれはまずいと思ったんですよね。

そこから僕は親友と一緒に発表内容を練ることにしました。とりあえず紹介する本についてネタバレ混じりに全部共有して、僕の考える魅力的な部分を伝えました。伝えたいけれど5分に収まらないから泣く泣くカットした部分もあるので、それも全部伝えたんです。

討議の末、泣く泣くカットした部分を本編に持ってきた方がいいという話になりました。話しているうちに、なぜ、今までこっちをカットしていたんだろうと不思議に思うくらい、しっくりきたんです。



ちなみに具体的に話すと、僕が選んだ本は『小説の小説』という似鳥鶏さんの本。収録されている4つの小説全てが、小説の常識を壊すような実験的な作品なんです。僕はそこから2作品紹介するつもりだったんですが、親友から「物足りない」と言われ、僕がいちばん好きな話の方をカット。代わりに、『小説の小説』のカバーの話をすることにしました

実は、本のカバーの裏にも文章がぎっちり書かれていて、そこにも小説があるんです。カバーを紹介するということは、本からカバーを取り外す作業が必要になってくるわけで、画的に動きが生まれます。視覚的にも楽しめるプレゼンをすることができるので、良策だと考えました。

とにもかくにも、親友からの「なんか物足りない」の一言がなければ、発表内容が変わることもなかったし、あのまま当日を迎えていたら優勝していなかったかもしれません。ひとりで完璧だと思っていても、誰かに聴かせることによってそうじゃないと気付けます。

圧倒的なプレゼンをつくりにいくためには、本番を迎える前に、誰かに聴いてもらう作業が必要になってくるのです。


📚運営のように集客に尽力

発表内容をよりよいものにするために仲間が必要という話をしてきましたが、僕の仲間づくりはそれだけを意味するわけではありません。当日ビブリオバトルに参加してもらうために、集客に力を入れていたんです。

バトラーが集客をするということは、「組織票」を確保することにつながるんじゃないかという声が飛んできそうで怖いんですが、丁寧に説明していきますね。



まず、組織票とは、「知り合いや身内に頼んで当日参加してもらい、自分に入れてもらう票」のことですね。言い換えれば、サクラです。

もちろん公式ルールでそれは禁止されていますし、イベント当日も司会者の方が説明しているんですが、組織票撲滅には至っていない印象を受けます。実際、高校時代に、あるバトラーに1回戦と2回戦で同じ質問をする人がいました。そのバトラーの応援者であることは間違いありません。また、大学時代、イベント終了後、チャンプ本を獲得したバトラーのまわりに十人くらい集まっている光景を目にしたこともありました。

厄介なのが、組織票を確保していたところで、そしてそれで勝ち上がってしまったところで、それを咎めることができない点です。審査基準が「読みたいと思ったかどうか」という個人の感情に依存しているので、「知り合いだから投票したんですよね」と訊いても「いや、いちばん読みたいと思ったから投票しました」と言い返されれば何も反論できなくなる。

だからこそ、勝ち上がるためには少なからず組織票が必要という結論に至ってしまうのです。



「組織票」については別の記事で詳しく語ることにしますが、今回僕が集客に力を入れて確保したのは、「誰も苦しまない組織票」です。

つまり、僕の本が本当にいちばん読みたいと思ったならば僕に投票してくれるわけで、そのための工夫を凝らせば、ルールを守りながら組織票をつくることができるのです。

だからこそ、僕は大学大会で優勝した本とは別の本を地区大会で紹介しました。大学大会で一度聴いたプレゼンをもう一度聴いて僕に票を入れるのは心痛いじゃないですか。2回目でも僕の本に票を入れる筋合いをつくるために、本を変えることにしたんです。だから、今度の決勝大会でも別の本で挑戦します。

また、noteやインスタでビブリオバトルの発信をしてきましたがその都度、「いちばん読みたいと思った本に投票してください」と案内することで、ビブリオバトルリテラシーを高めにいったのです。つまり、ひとりのバトラーが運営側のように単純に集客していただけってことです(笑)

そして何よりも、組織票を確保しながら勝ち上がってもとやかく言われないように、誰よりも魅力的な本のプレゼンをすることが求められます。だからこそ、とにかく内容には最後の最後までこだわりました。



包み隠さずいうと、イベントの3日前から行ったアンケートの結果、少なくとも19人の組織票を獲得することができました。去年の地区大会では得票数が60票に満たない程度でした。今年も似たような規模という前提ですが、当日現場で僕に手を挙げてくれる人が10人以上いれば過半数を取れて勝てるという計算になりますね。

結果、僕に集まったのは34票。

およそ計算通りでした。


📚仲間をつくって勝つ

ちなみに、大会後、僕のもとには、たくさんの嬉しい言葉が届きました。

「おめでとうございます!」
「あっという間に時間が経過していました」
「読んでみたくなりました」
「魅力的で圧倒的なプレゼンでした」

地区大会を主催したブックエースの方々からも絶賛の嵐でしたし、会場となった県立図書館の方からもめちゃくちゃ褒められました。どうやら圧倒的なプレゼンをつくることができたみたいです。
#自分で言うな

これが、「仲間をつくって勝つ」という僕の戦い方です。



次の全国大会でも同じように仲間づくりに励むつもりです。僕は今茨城に住んでいて、東京が拠点ではないのでこれまで以上に苦しい戦いになりますが、今まで築き上げてきた信頼と、今持っている手札を武器にして、できる限り仲間をつくっていこうと思います。

今ぼんやり考えていることを話しますね。

全国大会では、対面での投票が求められます。つまり、当日東京に来られない方に向けて集客するのは的外れです。つまり、僕今住んでいる茨城でのつながりはまるで役に立たないことになります。

僕は高校まで東京にいたので、そこでのつながりがキーになってくるわけです。

実は、僕は高校の理事会の方と繋がっていて、先日も理事会の懇親会に参加してきたんです。大先輩70人くらいに囲まれていたんですが、すごくよく接してもらえて、温かい場所だったんですね。

流れで、大先輩70人くらいの前で、自分の本の紹介とビブリオバトルの告知をしてきました。地区大会前ではありましたが、全国大会の告知をしてきたんです。「もし次勝てれば、全国大会に行けるんで、もしよかったら来てください!」と豪語してきました。有言実行、無事に全国の舞台に行くことができるので、理事会の方は仲間にできそうです。



また、このnoteを読んでくれている人たちを対象に、東京で読書会を開くつもりです。裏でちょこちょこ動いているんですが、もし詳細が決まったらちゃんと案内しますね。

泣いても笑っても最後の舞台です。7年越しの夢を叶えるためにも、できることを、とことんやっていきます。是非、僕のとっておきの物語を聴きにきてください。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。


全国大学ビブリオバトル2023~首都決戦~
日時:12月17日(日)12:00~17:15
場所:昭和女子大学
費用:無料

参加の方は、以下の申し込みフォームに回答ください! 12月6日(水)が申し込み期限です!お早めに!

↓↓↓

申し込みフォーム(タップしてください!)




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