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通訳ガイドのこぼれ話

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通訳案内士の経験からのエピソードや外国人案内に役立つ話をまとめてあります
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2021年12月の記事一覧

おみくじ凶に本気で落ち込んでしまった外国人観光客

おみくじ凶に本気で落ち込んでしまった外国人観光客

通訳ガイドのぶんちょうです。通訳案内士が、必ずと言っていいほど外国人観光客と訪れるのは神社やお寺です。そして、おみくじを引くこともしょっちゅうあります。

今まで色々な寺社でおみくじを引いてきましたが、ほとんどの寺社では大吉、中吉、末吉、小吉などのラッキーサイドの運勢が高確率で出ています。人に優しいなあと思っちゃっています。

というのも、観光客がおみくじを引くとき、ガイドの私もちょっとドキドキす

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外国人を笑顔にする渋谷スクランブル交差点パワー

外国人を笑顔にする渋谷スクランブル交差点パワー

通訳ガイドのぶんちょうです。渋谷のスクランブル交差点は訪日外国人に大人気の場所。東京生まれの私にとっては、学生の頃から「ただの交差点」だったのに。なんで用事もないのに、わざわざ渡りに来るの?が本音。

ところが、この交差点様は、ちゃんとツアー行程の一部として印刷されていたりして、ただの道路とは一線を画すのです。一体いつから、そうなったのか。1回に平均2000人とも3000人とも言われる数が渡るとい

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食べ物の好き嫌いはいいの?悪いの? 日本と外国、サービスの違い

食べ物の好き嫌いはいいの?悪いの? 日本と外国、サービスの違い

通訳ガイドのぶんちょうです。外国人観光客を案内していて日本人とここが違うと思うことの一番が食べ物の好き嫌いについてです。アレルギーは別として、日本人は基本的に出されたものは食べるというのを礼儀と思っている人が多いのではないかと思います。

私の子どもの頃は今よりもずっと「食べ物を残すことはいけない」という考えが強くありました。小学校の給食の時間、キャベツがどうしても食べられない男の子がいました。

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子どものひとり電車通学にびっくりする外国人観光客

子どものひとり電車通学にびっくりする外国人観光客

通訳ガイドのぶんちょうです。訪日外国人は、日本が安全な国だということは認識しています。それでも、都内の電車や地下鉄に小学生が一人で、あるいは友達同士で乗っていると、安全さの度合いが自分が思っていた以上だと知らされるようで信じられないような表情をします。

「あの子はなぜ一人なの?」と聞かれたことがあります。なぜと言われても...。一瞬返答に困ります。電車通学の小学生なんて日本人には見慣れた風景です

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精算前に袋開けちゃだめだよ!焦る通訳ガイド

精算前に袋開けちゃだめだよ!焦る通訳ガイド

通訳ガイドのぶんちょうです。訪日外国人と共に行動する通訳案内士は時々、ドン引きするような光景を目にします。今回はコンビニやスーパーやデパートでのちょっとした買い物のおつきあいでの話です。

友達に日本から手紙を出したいと言うので、丸の内の中央郵便局に一緒に行った時です。絵はがきのコーナーまで連れていき、私は少し離れたところで待っていました。

そろそろ買う物が決まったころかなと思い、観光客のところ

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ガイドのおすすめ観光スポット 都庁の展望台 ストリートピアノもある

ガイドのおすすめ観光スポット 都庁の展望台 ストリートピアノもある

通訳ガイドのぶんちょうです。西新宿にある都庁の展望台は誰でも無料で見学できます。晴れた日は遠く富士山も見渡せます。都営新宿線なら都庁前駅を降りてすぐ。JR新宿からも徒歩で10分くらいで着きます。

行く前に「都庁展望室開室カレンダー」をチェックしていくことをお勧めします。展望台は北と南にふたつあり、両方開いているか、少なくとも片方だけが開いている時がほとんどですが、たまに全面的に閉室の時があります

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ちょっと早いけど「門松」の意味

ちょっと早いけど「門松」の意味

通訳ガイドのぶんちょうです。お正月は、とにかくおめでたいイメージですが、元々はお盆と同じく、先祖を祀る行事だったそうです。仏教の影響で、お盆は盂蘭盆会という先祖供養の行事になり、正月は歳神様を迎える神様の行事になりました。

お正月と言えば門松。クリスマスが終わるとすぐに、街では大きな門松が店頭に置かれているのをよく見かけます。訪日外国人にとっては珍しいものなので、滞在先のホテルの門松の説明をよく

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資格は必要か 資格大国日本

資格は必要か 資格大国日本

通訳ガイドのぶんちょうです。12月12日の日曜日は国家試験、全国通訳案内士試験の最終選考日でした。日本は資格大国と言われ、国家試験の数だけで300近くあります。

民間の試験も盛んで、英検とTOEICは例年受験者数のトップになっています。調べると、その他で受験者の多いのは、運転免許、情報処理、宅建、簿記、ファイナンシャルプランナーなどがありました。

私の周りにいる同業のガイド達は、コロナで仕事が

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服装は自分のために大事

服装は自分のために大事

通訳ガイドのぶんちょうです。面接試験の直前のレッスンではオンラインでも試験当日と同じ服装をしていただいています。これには二つの意味があります。

ひとつは、たまにしか着ないフォーマルめな服を事前に着て、知らない間に自分のサイズが変わって窮屈になったりしていないか、ボタンなどが取れたりしていないかを余裕をもってチェックしてもらえるようにするためです。

もうひとつは、試験に求められるイメージの服装に

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仏像さんと仲良しになろう 如来編

仏像さんと仲良しになろう 如来編

通訳ガイドのぶんちょうです。仏像の見方について易しく初心者向けに書きます。お寺さんで仏像を見かけたら、こんなところに注目してみてください。きっと仲良くなれます。

仏さんは大きくわけると4つ種類があります。

如来 菩薩 明王 天

如来は「悟りを得た人」のことを指します。お釈迦様がモデルとなっている仏像は釈迦如来と言います。その他に、阿弥陀如来、大日如来、薬師如来など、聞いたことがあるかもしれま

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仏像さんと仲良しになろう 菩薩編

仏像さんと仲良しになろう 菩薩編

通訳ガイドのぶんちょうです。今日はお地蔵さんに代表される菩薩の話です。菩薩は悟りを開いた如来と違い、悟りを開く一歩手前にある状態にいます。悟りを開くことができるけれども、あえて踏みとどまって、皆を救ってあげようと言う、心優しい仏像さんです。

如来さんは悟りを開いた後のお釈迦様を表しているので、シンプルなファッションでした。如来の話はこちら。

でも菩薩さんは悟る前、つまりお釈迦様がまだリッチな王

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仏像さんと仲良しになろう 明王編

仏像さんと仲良しになろう 明王編

通訳ガイドのぶんちょうです。仏像の明王グループの面々は、相当おっかない顔をしています。武器まで持ってるので怒らせたら大変です。

「怒髪天を衝く」の表現通り、怒りで髪が逆立っています。武器は弓矢、悪を断ち切る宝剣、煩悩を縛りあげたり、苦しむ人々を救い上げる縄、災いを突き砕く矛。さらに背中まで怒りでメラメラしています。後背という後ろの部分が、火焔の如く表現されています。

それにしても、どうしてこん

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仏像さんと仲良しになろう 天部編

仏像さんと仲良しになろう 天部編

通訳ガイドのぶんちょうです。今日は「如来」「菩薩」「明王」に次ぐ、4つ目の仏像グループ、「天部」についてです。天部は一言で言えば仏教を守る「護衛」です。

satomigoroさんによる見出しの仏像の写真は東大寺の広目天さんです。広目天は四天王のひとつで、西の方角を守る役割を果たしています。

よく見ると右手に筆、左手に巻物を持っているのがわかると思います。広目すなわち、遠くまで見通して、人間の悪

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忠犬ハチ公

通訳ガイドのぶんちょうです。忠犬ハチ公の話を初めて聞いたのは子どもの頃でした。父から聞いた「渋谷の犬」の話は子供心にも、やるせなくて強く記憶に残りました。

忠犬ハチ公は、東京・渋谷駅まで飼い主の帰りを出迎えに行き、飼い主の死去後も約10年にわたって通い続けたという犬である。犬種は秋田犬(あきたいぬ)で、名前はハチ。ハチ公の愛称でも呼ばれている。渋谷駅ハチ公口前にはハチの銅像が設置されており、この

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