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外国人を笑顔にする渋谷スクランブル交差点パワー

通訳ガイドのぶんちょうです。渋谷のスクランブル交差点は訪日外国人に大人気の場所。東京生まれの私にとっては、学生の頃から「ただの交差点」だったのに。なんで用事もないのに、わざわざ渡りに来るの?が本音。

ところが、この交差点様は、ちゃんとツアー行程の一部として印刷されていたりして、ただの道路とは一線を画すのです。一体いつから、そうなったのか。1回に平均2000人とも3000人とも言われる数が渡るという噂の交差点です。

確か、リオ五輪の閉会式で次の東京オリンピックへの引き継ぎ映像のなかで元安倍首相扮するマリオが地球の反対側のリオから地面を掘って出てきた先が、この渋谷のスクランブルのど真ん中でしたね。

とにかくコロナ前までは、多くの外国人がビデオカメラやスマホのビデオを持った腕を高く上げて、渡り始めから終わりまでをでずっと撮影する。交差点の真ん中あたりで立ち止まり、ポーズを取って写真を撮りあう。こんな風景が信号が変わる度に見られました。

外国人がこの交差点を好きな理由として「日本人はあんな大勢の人が一斉に人にぶつからずに渡るからすごい」というのがあるようですが、私にしたら、あの歩行者信号が青の間、たかだか2分位の間にポーズを取ったり、地面に寝転んだり、ジャンプしたりして何枚も写真を撮ってから道の反対側まで渡りきる。それこそ奇蹟と思ってしまいます。

それにしても、ここへ観光客を連れてくると、ほんとにテンション上がるのです。みんな!ニコニコとうれしそうに渡るのです。ほーほーとか叫びながら。

信号が青になって、いざ渡ろうと言うときは、まるで遊園地のアトラクションで自分たちが乗るジェットコースターが目の前に到着して、さあ、乗ろうとする時のような興奮ぶり。

あるヨーロッパの国からのまじめな中年のご夫婦と一緒に都内を回っていたときです。目的地の近くに渋谷がありました。そこで、私はスクランブル交差点を見に行くことをお勧めしてみました。

ところが、ご主人「そんなものには私は興味はない。見たいのは日本の伝統文化じゃ!」みたいな感じで言うのでした。そこで私は、偶然渋谷を通ることになったという体を装い、こっそり連れていきました。

そして作戦大成功!そのおじさまは大興奮で手にしていた一眼レフでバシャバシャやり始めました。極めつけは、私が「もう一回渡りましょか?」と言うと、「もちろんだ!」ですって。


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