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#映画感想

Movie: 『21世紀の資本』(2017,🇳🇿🇫🇷)(#36)

Movie: 『21世紀の資本』(2017,🇳🇿🇫🇷)(#36)

馬(馬車)から自動車に変わったのは効率の問題だ。今度は人間が馬の立場になる、あっという間に。

映画の終盤、そのような発言がありました。

これは2014年、日本でも経済学書としては異例の大ヒットをしたトマ・ピケティ著『21世紀の資本』の映画版です。

日本では昨年2020年に公開されました。

話は戻ります。

冒頭、馬(馬車)から自動車に変わる時代、たとえばミクロで成功したのはエルメスです。

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Movie:『ナチスの愛したフェルメール』(2016年, 🇳🇱)(#35)

Movie:『ナチスの愛したフェルメール』(2016年, 🇳🇱)(#35)

「よくみろ、あの目は君のものだ」

後に彼の妻となるヨ―ランカと彼女に向ってそういう彼の視線の先にいたのはキリストだった。

『エマオの食事』

フェルメールがこれまで描いていないとされた宗教画である。

しかしそれは贋作である。

彼とはメーヘレンである。

彼の描いたオリジナルの贋作『エマオの食事』、それを自ら割き、復讐は終わるはずだった――。

すべては"復讐"のため、彼を認めなかった美術業

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Movie:『FAKE』(2016,🇯🇵)(#33)

Movie:『FAKE』(2016,🇯🇵)(#33)

フランスの哲学者ルネ・デカルトは自身の著書『方法序説』の中で「コギト・エルゴ・スム(我思う、故に我あり)」という有名な言葉を残しました。
私は優秀な経営者であり、良き亭主であり、息子であり、父である云々...本当か?、そう自分自身に問い続けたとき、疑わずに残ったのは「疑っている自分の存在」だった、というものです。
同じように他人に対して疑念が挟まれたとき、ヒトは常にどこまでも疑い続けることが出来る

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Movie:『パピチャ 未来へのランウェイ』(2019,🇫🇷🇩🇿🇧🇪🇶🇦)(#22)

Movie:『パピチャ 未来へのランウェイ』(2019,🇫🇷🇩🇿🇧🇪🇶🇦)(#22)

カンヌ国際映画祭にもノミネートされた本作が日本で10月30日に上映開始されました。
タイトルにある“パピチャ”とはアルジェリアのスラングで、“愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性”という意味だそうです。
もしそうした女性が一般的であれば、こうしたスラングもなかったのかもしれません。
つまり“マイノリティ”であることを示唆します。

主人公たちは大切にしていたものがありました。
それは“誇り”

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Movie:『82年生まれ、キム・ジヨン』(2019, 🇰🇷)(#18)

Movie:『82年生まれ、キム・ジヨン』(2019, 🇰🇷)(#18)

瑛人『香水』を聴いていたら…朝、ランダムに曲を聴いていたら瑛人の『香水』が耳の中に流れ込んできました。

“どうしたの いきなりさ タバコなんかくわえだして 悲しくないよ、悲しくないよ、君が変わっただけだから”

これはその歌詞の一部です。
別れた彼女は元々タバコを吸っていなかったようです。
だからタバコを吸っていることに彼は驚いているのですが、それをどうして悲しいと思うのだろう、とふと疑問が湧き

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