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西川火尖 Kasen Nishikawa

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記事一覧

2020年まとめ|決算|西川火尖

2020年まとめ|決算|西川火尖

今年最後の更新として、何をいうかいろいろ考えたんですが、結局一年炎環に発表した俳句から24句を選ぶことにしました。
今年は本当にしんどい一年だったと思います。何一つ解決しないどころか、日に日にシビアな状況になっていきました。その中で知らない人や友人知人の知性や理性、優しさにどれほど助けられたか分かりません。
今年一年ありがとうございました。

炎環2020.01~12
笛付きのケトルを鳴らし冬が来

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創作関連やりたいこと|顕示欲|西川火尖

創作関連やりたいこと|顕示欲|西川火尖

こんばんは。西川火尖です。
今月のテーマは創作関連やりたいことです。
少し遅れての更新、申し訳ございません。
頭の中が散らかって文章に全然ならなかったんです。

本当は、あれこれ調べて、自分のことと関連付けて紹介しながら、自分の話題に移ってってやりたいんですけど、まとめられなくて中途半端に散らかったまま文章を書こうとしたから、何回書いても行き詰まって、消してを繰り返していました。

こうなることは

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推したり萌えたり|振り向かせたい|西川火尖

推したり萌えたり|振り向かせたい|西川火尖

こんばんは、10月最終日曜、今日の担当は西川火尖です。
歌手やキャラクター、芸能人といった「推し」に適した距離に推しと呼べる対象を持たない火尖は、今月のテーマ「推したり萌えたり」をどう書くかに時間がかかって、メンバーに順番を代わってもらって、あれこれ思案してたんですね。今も考えながら書いています。​そして月曜になりました。

所属してる俳句結社「炎環」の同人になったのが12年前、当時のコメントに同

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名前の由来|だから自分に名前を付けた|西川火尖

名前の由来|だから自分に名前を付けた|西川火尖

まだまだ暑いですが9月になりました。Qaiは8月いっぱい夏休みをとっていて、今日は明けて1発目、西川火尖からまた始まります。テーマは「名前の由来」です。

私は自分で、西川火尖という俳号を気に入ってるし、郵便物が火尖宛てで届いても、街中で「火尖さーん」って大声で呼ばれても普通に返事ができるくらい馴染んでいて、もはや本名で呼ばれる方が稀というか、むしろそっちの方が気恥ずかしいというか、真名を握られて

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読書感想文|重ねる|西川火尖

読書感想文|重ねる|西川火尖

角川「俳句」4月号の作品12句、神野紗希さんに次の句がある。
恋をして子を産んで雲雀野にキス
この句が少しTwitter上を賑わしたのは、柳元佑太さんの

このツイートがきっかけだった。そこからTwitter上で活発な議論が交わされたのだが、個々のツイートにはそれぞれ鋭い指摘もありながら、しかし議論自体は平行線をたどり、それぞれ言い放って解散という何ともTwitterらしい幕切れでTLの彼方に流れ

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部活と私|1/8の練習の会場|西川火尖

部活と私|1/8の練習の会場|西川火尖

こんばんは、段々蒸し暑くなってきましたね。順番代わって、6月からは西川火尖が一週目を担当します。 #Qai#note 、今月の共通テーマは #部活の思い出 、Qaiの仲間と部活時代の話をすることが結構あって、結構盛り上がるんですよね。きっと今月もみんな面白いので、ぜひご期待ください。

中学時代所属していたバスケ部のことを思い出すと、自分の輪郭がぐにゃりと曲がるような悔しさが湧く。練習について

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自己紹介と記事3選|西川火尖

自己紹介と記事3選|西川火尖

自分語りはするくせに自己紹介は超苦手。西川火尖です。こんにちは。

1984年生まれ、京都市出身。大学在学中、龍谷大学青春俳句大賞入選をきっかけに作句を始める。1年あまり俳句投稿ウェブサービス「ハイクブログ」にて「89(バク)」として活動。ハイクブログで知り合った俳人、山鳥しだりの勧めにより、2006年、俳句結社「炎環」入会。俳号を西川火尖に変える。石寒太に師事。2008年より炎環同人。2016年

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Tribute to 歌集『母の愛、僕のラブ』

Tribute to 歌集『母の愛、僕のラブ』

from Qai.

歌集『母の愛、僕のラブ』柴田葵(書肆侃侃房)
Now on sale!

本も心もしっかり抱えて逃げぬいて。あなたを燃やせば皆あたたかい
柴田葵

2020年3月|3月のプロポーズ|西川火尖

2020年3月|3月のプロポーズ|西川火尖

彼女に求婚しようと決めたとき、すぐに思いついたのは花束を一緒に贈ろうということだった。いつかのデートで私が「花などもらう奴の気がしれないね。枯らす他ないし、飾るのが手間だ」と言ったら、彼女は「贈ったことのない人のセリフだね」と笑った。彼女は続けて「私に贈ってよ。すごく喜ぶから」と言った。

花を贈ったことがない。これは確かにその通りで、25年生きてきて、花屋で花を買ったことは一度もなかった。機会も

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2020年の抱負|敗色豊か|西川火尖

2020年の抱負|敗色豊か|西川火尖

今年、36歳になるおりしもリーマンショック後の不景気で、第二新卒だった火尖には
どこも雇ってくれる会社なんかなかった。
採用担当の人に、「5年後君の同世代の人間はポツポツ出世しだして、
部下を持ったり、車や家を買ったりするものもでるかもしれない。
一方君のような人間はどんどん落ちぶれ碌な仕事にはつけないだろうね」と言われて、そうだろうなぁと納得してしまったりしていた。
今や、その彼女の言った五年後

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創作とこども|草田男の気持ちが分からない|西川火尖

創作とこども|草田男の気持ちが分からない|西川火尖

俳句では我が子のことを詠んだものは「吾子俳句」と呼ばれる。しかし、この吾子俳句だが、他の「〇〇俳句」つまり、新興俳句、社会性俳句、根源俳句、前衛俳句などとは少々毛色が違う。通常「〇〇俳句」と名付けられる場合は運動として主だった作家や結社などと結び付けられ、俳句及び俳句史上の影響や果たした役割が語られることが多いが、吾子俳句には中心人物もいなければ、掲げる結社もなく「俳句」そのものを吾子俳句から読み

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歌集『母の愛、僕のラブ』3人の3首選&新作3首

歌集『母の愛、僕のラブ』3人の3首選&新作3首

みなさま、こんばんは。
詩人・歌人・俳人による、
作りながら生きていくための同人『Qai〈クヮイ〉』です。

同人の柴田葵の歌集刊行をもりあげるべく、メンバー3人が評つき3首選をしました。※「」内は連作のタイトル。すべて歌集『母の愛、僕のラブ』からの選です。

歌集を手にとっていただく前にも後にも、ぜひ。
柴田の新作3首も併せてご覧ください。

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from 箱森裕美

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155話を語りたい/西川火尖

155話を語りたい/西川火尖

今回はQaiメンバーそれぞれ好きなものを好きなだけ語る回なんですけど、こう見えてそこそこ幅広く漫画は読んでいて、好き?うん、好きです漫画。それで今日は漫画について、どうせなら詩歌とのからみで週刊ヤングジャンプで好評連載中の「かぐや様は告らせたい」の155話についてピンポイントで語るぞ。(ネタバレが大量に含まれるので単行本派の人はご注意ください)

かぐや様は告らせたいーあらすじー
将来を期待された

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【詩】削ぐ/西川火尖

【詩】削ぐ/西川火尖

ツイッターの喧騒を離れて数日が過ぎて
「3Dメガネ赤青日短か」の句を得たとき
久々に俳句の微かな揺れが分かり安心した
しかしその世界にとどまり続ける鈍さを
いつまでもは 自分に許していられない

詩歌も芸術の一ジャンルである以上
考えることを避けることはできない
しかし、可能性より恭順を示させることで彼等は 
生き永らえさせようとしたみたいだけど

あの日から美術館の意義が変わった
得体のしれない

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