【詩】削ぐ/西川火尖
ツイッターの喧騒を離れて数日が過ぎて
「3Dメガネ赤青日短か」の句を得たとき
久々に俳句の微かな揺れが分かり安心した
しかしその世界にとどまり続ける鈍さを
いつまでもは 自分に許していられない
詩歌も芸術の一ジャンルである以上
考えることを避けることはできない
しかし、可能性より恭順を示させることで彼等は
生き永らえさせようとしたみたいだけど
あの日から美術館の意義が変わった
得体のしれない可能性を包む場から
許可し動けなくした物を陳列する場へ
殺さないと死骸にならない から
耐えることに長けた者だけを選ぶ
失うことにも 奪われることにも
鈍感にならなければ生きられない
自信と楽観以外を自ら捥ぎだせば
喜びの他は分からぬ蚕かな
もうじき
笛付きのケトルを鳴らし冬が来る
彼等に私は一言たりとも委ねない
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