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#わたしの本棚 | 外国人が書いた日本論の名著

 歴史について調べるとき、何年にどういう出来事があったかということや、誰が何を作ったか・書いたかということは、ネットを使えば知りたい情報はたいてい得られる。
 
 しかし、当時の人が何をどう考えていたかという時代の空気はなかなか分からない。時代の雰囲気を知りたいならば、面倒でも一冊の名著を読むにしくはない。

 そこで、今回の記事では、当時の外国人の視点から書かれた日本論の名著を並べてみたいと思う。
 日本人が思う日本論と読み比べてみると、「複眼的」に考察できるに違いない。



(1) ロシア人から見た日本


 昨年、ロシアのウクライナ侵略のニュースをはじめて聞いたとき、思い浮かべた名著が2冊ある。
 レザノフ(レザーノフ)の「日本滞在日記」とゴンチャロフ日本渡航記」の2冊である。
 いずれも、幕末に書かれた書物だが、深いところでは、現在のロシア人の日本人を見る視点と共通するものがあるように思える。


レザーノフ(著)[大島幹雄(訳)]
「日本滞在日記 1804-1805」
岩波文庫(青)
ゴンチャロフ(著)[井上満(訳)]
「日本渡航記」
岩波文庫(赤)

 レザノフは日本史の教科書にも登場するロシア全権大使だが、ゴンチャロフは「オブローモフ」という小説を書いたことで知られる作家である。
 しかし、ゴンチャロフは「オブローモフ」という小説そのものよりもむしろ、ドブロリューボフが書いた「オブローモフ主義とは何か?」という文芸評論で名を知られている。

ドブロリューボフ(著)
「オブローモフ主義とは何か?」
岩波文庫(赤)

(2) イギリス人から見た日本


 以前、「品格」という言葉が流行になった数学者・藤原正彦さん。
 その藤原先生の著作で知ったのが、キャサリン・サンソム(著)「東京に暮らす 1928-1936」(岩波文庫)。
 古きよき時代の日本が目に浮かぶような描写が素晴らしい。

キャサリン・サンソム(著)
[ 大久保美春(訳) ]
岩波文庫(青)

 イギリス人が書いた日本論として欠かせないもう1冊は、イザベラ・バード(著)「日本奥地紀行」。

イザベラ・バード(著)
「日本奥地紀行」
IBCパブリッシング

 私が読んだのは、英語と日本語の対訳(縮約版)。歴史というより、英語の勉強のために読んだ本である。
 日本人である私が知らなかったことが多く、勉強になった。

 「日本奥地紀行」は英語では、「Unbeaten Tracks in Japan」。
 直訳すれば「未踏の地」くらいの意味だが、これだけ覚えただけでも価値があった😄。


(3) アメリカ人から見た日本


 あまりにも有名な本なので、日本人論として、一読しておきたい本。
 ルース・ベネディクト(著)「菊と刀」。

Ruth Benedict, 
"The Chrysunthemum 
and the Sword

 半年くらい前に、斎藤兆史(著)「英語達人列伝Ⅱ」を読んでいたら、杉本鉞子(すぎもとえつこ)のことが「菊と刀」に登場していることを知った。

 「菊と刀」を読んだのは、だいぶ昔のことなのでスッカリ忘れていた。再読してみたいと思っている。


まとめ


 外国人が書いた日本論の名著は、時代が違うから、そのままでは受け入れがたいことも多い。
 しかし、「そういう見方・考え方もあるのか!」という発見があり面白い。

 また、副産物として、外国語の原文を読めば語学の勉強にも歴史の勉強にもなり、「一石二鳥」「一石三鳥」のようで、得した気分にもなる。
 


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