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成功する経営戦略の4要素と経営戦略ツール『アンゾフ・マトリクス』

ブルーオーシャン戦略のもとになっている企業戦略論を書いたロシア出身のイゴール・アンゾフは、経営戦略の父と呼ばれていました。


アンゾフの経営戦略の教えは、セブン&アイグループやAppleなどの大企業でも活用されており、経営コンサルの会社では教科書になっています。

今回は、成功する経営戦略の4要素と経営戦略ツール『アンゾフ・マトリクス』について紹介していきます。

イゴール・アンゾフ

ロシア人のイゴール・アンゾフは、数学と物理学の修士号と応用数学の博士号を取った後にアメリカ陸軍の研究所で働きます。

その後、ロッキード・エレクトロニクスで副社長、ゼネラルマネージャー、カーネギー工科大学の教授となりました。

アンゾフの書いた企業戦略論は、現代のコンサル会社でも使われています。

成功する経営戦略には4つの要素がある


アンゾフは、成功する経営戦略には、4つの要素があると発表しました。

①製品・市場分野と自社能力の明確化

企業がどの事業や製品に力を入れているのかを正しく理解する。

②競争環境の特性理解

競争を優位に進めるには、競争環境がどのような性質を持つのかを理解する。

③シナジーの追求

多角化の際、既存事業と「結びつけると効果効率があがる」相乗効果が必要である。

④成長ベクトルの決定

既存ビジネスとシナジーからリスクを判断し、成長(多角化)の方向付けを考える。

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アンゾフは、経営戦略を4つの要素に分け、自社の能力を把握すること、他の事業に手を出す場合はシナジー(相乗)効果を狙うことを軸に考えていました。

とくに自社能力の把握とシナジー効果は、セブン&アイグループのスーパーとコンビニ商品の開発や市場経験を相互に活かす戦略として現在も採用されています。

経営戦略ツール『アンゾフ・マトリクス』


アンゾフは、増えてきた事業を企業全体としてどちらの方向に持っていけばよいか悩んでいる企業のためにさらに具体的な経営戦略ツールを発表しました。

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『アンゾフ・マトリクス』とは

企業が今後取るべき戦略のことで「市場・製品」を「既存・新規」と分類して取るべき行動をまとめたものです。

◆市場浸透戦略では、既存の市場(顧客)を相手に既存の商品で戦う

◆新市場開拓戦略では、既存の商品を新しい市場(顧客)に売り込む

◆新製品開発戦略では、既存の市場(顧客)に新しい製品を開発し売る

◆多角化戦略では、新しい市場(顧客)に新しい製品を開発し投入する

Appleの商品もアンゾフ・マトリクスを活用していた


アンゾフ・マトリクスを上手く活用したのが、スティーブ・ジョブズでした。

Appleのiphoneは、既存のiPodを再開発した商品であり、携帯電話とPCの機能を合わせた製品でした。

iPodは、もともとSONYなどの音楽プレイヤーより後に参入しましたが、MacだけでなくWindowsでも同期できるようにしたので若者(新規顧客)に売れるようになりました。

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さらにiphoneは、iPodを携帯電話市場用に再開発して、新しい市場(顧客)に新しい製品を開発し投入する多角化戦略とシナジー効果を活用して成功しました。

最後に


今回は、成功する経営戦略の4要素と経営戦略ツール『アンゾフ・マトリクス』について紹介しました。

「企業戦略論」を書いたロシア出身のイゴール・アンゾフは、経営戦略の父と呼ばれており、現代の企業でもアンゾフの経営戦略は活用されています。

成功する経営戦略には4つの要素があり、さらに具体的な経営戦略ツール『アンゾフ・マトリクス』を発表しました。

セブン&アイグループはスーパーとコンビニ商品のノウハウをシナジー効果で結び、Appleでは新商品を新市場で売る『アンゾフ・マトリクス』を上手く活用して成功しました。

アンゾフの「企業戦略論」は、1965年に発表されたものですがPanasonicや富士フィルムなど現代でも多くの有名企業が使用しています。

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