１６．ゴリアテ

１６．ゴリアテ

大きすぎてだれにも好かれない。

この場所がいけないんだろうか。

なぜなら、みんながわたしを好きになってくれないから

自分が大きすぎるから

だれも見向きをしてくれない

わたしはどこに所属したらたいいのだろう

だから旅に出た

わたしより大きいものをさがしに

海にきいてみた

海にとびこんでみたら

自分よりはるか大きい海に飲みこまれそうになった

結局こたえはわからなかった

つぎに、太陽にきいてみた

太陽は太陽系のなかでいちばん歴史がありおおきい

そんな太陽のギラギラにあたってみた

しかし、結局こたえはわからなかった

つぎに月にきいてみた

月は「ぼくは、海よりおおきいけれど、太陽よりはちいさい。

そしてぼくよりおおきいものもちいさいものもいるけど、

ぼくのかわりをつとめられるものはいない。ぼくはぼくしかいない。」

わたしは、なんとなくわかったきがした

わたしよりちいさくておおきいものはいない

わたしはわたし

わたしのことはだれもすきじゃなくって

わたしにだれもきづいてくれない

だれも見向きもしない

それでもわたしはわたし

わたしはもとの場所にもどって所属してみた

誰も見向きしてくれない

それでもわたしはわたしなのだ