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映画感想

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2022年10月の記事一覧

映画「天間荘の三姉妹」感想 家族の存在×一人の存在×のん

映画「天間荘の三姉妹」感想 家族の存在×一人の存在×のん

観てきたが、実際の災害が背景にあるとは思わなかった。主人公の小川たまえだけが現世の人間であり、他は天間荘という架空の旅館の従業員で、現世の人間でないというのがわたしの先入観だった。蓋が開ければ、女将も若女将も、その妹もたまえの腹違いの母親、姉だったわけであったわけだ。たまえは一人だったのが、家族との出会いや行動により、自分で生きていくことになる。特に、宿泊している財前との対話は素晴らしく、真っ直ぐ

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映画「バッドガイズ」感想 手札のカード×動物の思考×市長が綺麗かっこいい

映画「バッドガイズ」感想 手札のカード×動物の思考×市長が綺麗かっこいい

動物が強盗だったり、市長になったりと人間と共存している世界。シャークが人間に変装しても誰も驚かないのが気になる。ミスター・ウルフを筆頭に強盗をしていくのだが、モルモットの姿の教授にだまされて、無実の罪を被せられる。その中で、アカギツネの市長が有名な強盗だったりして、教授を騙し返して、大円団。ウルフ達も、人にも褒められるような行いをするようになっていき、どんどん変わっていく。市長のダイアンが美しく、

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映画「君の名は。」感想 覇権アニメ×新海監督映画×趣味の誕生

映画「君の名は。」感想 覇権アニメ×新海監督映画×趣味の誕生

もう何年も前になるが、初めて観た時には感動した。映画館で映画を観る趣味が出来たキッカケである。アニメでこんなに感動できるのかと思った。映画らしい映画で、何度も観ても面白い。8回ぐらい観たように思う、映画館でだ。入れ代わり、隕石落下という王道展開を恋愛とSF、それに歴史と合わせた手法は見事だった。もちろん、王道すぎて批判されるかもしれないし、こんな作品で感動するなんて浅いと言われるかもしれない。しか

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映画「川っぺりムコリッタ」感想 食事×隣人×人間関係の慣れ

映画「川っぺりムコリッタ」感想 食事×隣人×人間関係の慣れ

人の死生観を見せている映画だと思った。生きている、それは当たり前だが当たり前ではない。主人公の山田が白米を炊いたシーンに代表される。普段は何でもないが、米を自分で炊いて、香りをかいで、美味しさを感じる。ご飯を食べれるのは幸せで、そこに味噌汁があるとさらに良い。食べることの大切さがこの映画にはある。山田の家に隣のおじさんがご飯やお風呂を使いに来たときには、不快感を感じたが、長く続くとそれがなくなる。

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映画「ぼくらのよあけ」感想 宇宙開発×JAXA×子供とAI

映画「ぼくらのよあけ」感想 宇宙開発×JAXA×子供とAI

宇宙がテーマになっているのは分かった。オートボットのナナコが可愛くて、声を聞く度に可愛いいなあと感じたほどだ。宇宙に興味津々な悠真が、2月の黎明号との出会いによって、宇宙船を飛ばすために奮闘していく。このアニメは子供よりも大人向けだ。悠真は主人公だが、実際にはナナコと黎明号が物語を動かしている。とはいえ、行動力は素晴らしく、悠真は友達と共に宇宙船を飛ばすために親を巻き込んでいく。大人から見たら駄々

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アニメ「ゆるキャン△ 3期制作決定」感想 映画好評×高校時代×社畜

アニメ「ゆるキャン△ 3期制作決定」感想 映画好評×高校時代×社畜

3期制作決定は素直に嬉しい。高校時代に戻るみたいだし、これは観たい。映画も好評だったようで、ドルビーシネマでも新たに公開されたりと、なんだかいいなと感じた。大人時代は、やっぱり社畜っぽいリンが印象的だった。元旦に会社にいるとか、ヤバいと感じたぐらいだ。今の時代だと、年末年始に会社で作業するのはどうかと思うが、出版業会でら違うのか?リン一人しかいなかったし、何が起こっていたのか。映画のゆるキャンは、

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映画「線は、僕を描く」感想 水墨画×師匠×芸術の価値

映画「線は、僕を描く」感想 水墨画×師匠×芸術の価値

水墨画を描く。線が大事で自分だけの線を見つけていく旅になっている。結構感動したので、印象に残る。水墨画は難しい、いや芸術すべてに言えるが、娯楽は楽だが、人生として極めるには時間がなさすぎる。水墨画は歴史の本や美術館で見たことはあるが、印象に残りにくかった。それが本作を観ることで、芸術の一つとして昇華されていく。

師匠と弟子思うのは、師匠が非常に重要だということだ。師匠がいなければ、水墨画を描く人

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映画「七人の秘書」感想 秘書のスパイ×勧善懲悪×釣りバカ日誌のキャラ

映画「七人の秘書」感想 秘書のスパイ×勧善懲悪×釣りバカ日誌のキャラ

Netflixでも公開していて、気になったから観てきた。やっぱり、七人もいて一人も顔割れしていないのはなぜだと感じだ。何度も違う職業で潜入しているから、いつかバレるのでは?とハラハラした。特に、主人公の千代とか、銀行やクラブでナンバー1だったから、業界人に顔割れしていると思うのだけど。今回は、クラブで政治家と接触するシーンがあるだけに大丈夫かと。スパイなのに変装なしでさ侵入はいろいろと破綻する気が

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「ザ・コントラクター」感想 アクション×街中×ラスボス

「ザ・コントラクター」感想 アクション×街中×ラスボス

ラストのインパクトが弱かった気がする。死んだはずの親友マイクも生きていたし、ラスボス戦もあっさり。マイクもよく分からなく死ぬのが違和感あった。主人公のジェームスを騙した贖罪の意味があったのかなあと思うぐらいあっさり退場する。全体的に後半部があっさり気味だ。アクションは良いので、30分ほど伸ばしてほしい。この作品は登場人物があっさりと死ぬ。特に親友のマイクと隠れ家に住んでいたおっちゃん。まさか退場す

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映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」感想 時代劇×ジャンブ×殺陣

映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」感想 時代劇×ジャンブ×殺陣

映画館でこの作品を観れて良かった。臨場感があったし、歴史好きにはたまらないはずだ。新選組や桂小五郎、高杉晋作など幕末の有名な人物たちが出てくる。終盤まで一つの時代劇のような作品で、緋村抜刀斎から見た幕末が表現されている。何より漫画やアニメ以上に抜刀斎が生まれた経緯やなぜ人斬りから緋村剣心になったのかが分かるようになっている。開幕から血飛沫が降りかかる場面が多く、剣心を知っているからこそ戸惑う。人斬

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映画「四畳半タイムマシンブルース」感想 タイムマシーン×学生寮×京都の大学

映画「四畳半タイムマシンブルース」感想 タイムマシーン×学生寮×京都の大学

森見登美彦の作品は好きで、有頂天家族が好きだった。ただ、今回の四畳半タイムマシンブルースは滅茶苦茶面白い。キャラクターも活き活きしているし、しっかりと伏線を消化している。よく、適当に伏線を巻くだけ巻いて終わる作品があるが、本作はしっかりと回収していく。特に、田村くんの明確にならない伏線がよい。分かる人だけに分かるのだ。田村くんの母親はラストで分かるが、父親は明言されない。しかし、2回目を観るとしっ

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映画「ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ」感想 ソニック×ロボトニック×ソニックズ

映画「ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ」感想 ソニック×ロボトニック×ソニックズ

とにかく、ロボトニックが最高だった。お笑い要素満点で、開幕のキノコパーティーが印象に残る。地球に行ってもキノココーヒーが忘れられないとか最高に面白かった。演者がジム・キャリーで声優が山寺宏一とか、お笑い要素しかない。終始楽しめる一因で、彼がいないと物語がつまらなくなる。正直、ソニックよりもインパクトがあり、ラストの巨大ロボット戦はロボトニックが主人公に見えた。人間に迷惑かけまくりだけど、ソニックと

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映画「僕が愛したすべての君へ」愛する人×大切な約束×人生の選択

映画「僕が愛したすべての君へ」愛する人×大切な約束×人生の選択

君愛を観たときには期待していなかったが、想像以上に良かった。老人になった暦と栞が出会う、ほんの5分程度の時間にすべてが凝縮されていて、あれこそが暦が望んだ未来なのだ。君愛で人生を懸けた暦の集大成。原作でも印象的で、「名乗るほどのものではございません」の台詞は君愛を観たご褒美だと言える。60年後に出会う二人は、約束の横断歩道で会話する。大切な出会いであり、何気ない会話の中に二人の幸せが詰まっている。

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映画「君を愛したひとりの僕へ」感想 純愛×パラレルシフト×狂気

映画「君を愛したひとりの僕へ」感想 純愛×パラレルシフト×狂気

原作を大分前に読んだので興味があり、鑑賞してきた。忘れている部分もあったが、大まかなストーリーは把握できた。主人公の暦が栞と一緒に、並行世界に行ったときに、事故で栞が幽霊になってしまう。肉体は死んでいるが、虚質と呼ばれる魂のような存在になり、交差点に留まることになる。一つ思うのは、もう一人のヒロインの和音が報われないということだ。本人は満足しているみたいだが、ラストに暦がタイムシフトするために、一

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