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映画「線は、僕を描く」感想 水墨画×師匠×芸術の価値

水墨画を描く。線が大事で自分だけの線を見つけていく旅になっている。結構感動したので、印象に残る。水墨画は難しい、いや芸術すべてに言えるが、娯楽は楽だが、人生として極めるには時間がなさすぎる。水墨画は歴史の本や美術館で見たことはあるが、印象に残りにくかった。それが本作を観ることで、芸術の一つとして昇華されていく。

師匠と弟子

思うのは、師匠が非常に重要だということだ。師匠がいなければ、水墨画を描く人生にはならなかっただろうの主人公。人の出会いは貴重で、何がきっかけになるかは分からない。師匠はほぼ何も教えない。その中で、弟子は何かを見つけていくしかない。主人公の青山は、師匠の湖山に基本は教えてもらえるが、型を破れと教えられる。確かに、型破りの字の通り、型にとらわれない姿勢が大切だ。師匠と弟子。関係性が大事であり、師匠の一挙手一投足に気を払わないと成長は望めない。だからこそ、湖山の手本水墨画を参考に、大量に青山は練習した。人生では、師匠が大事である意味で人生を左右される。芸術の世界だと特にそうかもしれない。芸術家の名前と実績で価値が決まるからだ。著名な芸術家の弟子ならば、環境も整い、成長もしやすい。例外もあると思うが、芸術の世界だとそれが成長に大切な要素になる。価値とは何か?芸術の世界では大切に思える。価値を得るためには、師匠が大事ということだろう。

ちはやふる

何か見ていると、ちはやふるが頭に浮かんだ。かるたが題材だが、こちらは水墨画。共通点は日本の芸術。調べてみると、本作はちはやふると同じスタッフとのこと。だからこそかと納得したが、作り方は作風に影響するのかと感じた。京都と滋賀で同じ関西だ。本作には恋愛要素はなく、ひたすら水墨画と自分との向き合いが描かれている。京都のイメージがあり、イメージなのだが面白い。ちはやふるはかるたと人間関係がメインだったが、本作は徹底して、自分と如何に向き合うかが描かれている。水墨画だけではなくて、人生でも同じように考えられるから、自分との戦いはテーマになるのだ。水墨画は俳優自身が描いていて素晴らしい。もちろん、全部ではないだろうが、しっかり練習しているのは好印象だ。

TOHOシネマズでスマプレ会員なら1100円で映画が観れるらしい。安いからいいきっかけかもしれない。江口洋介がかっこよく、横浜流星が苦難しつつ、最後にはつらつと水墨画を描く姿を観ることができるから素晴らしいと感じる。芸術に命を込める姿は凄まじい。

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