朝凪

ちゃんちゃらおかしい

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ちゃんちゃらおかしい

記事一覧

ツイてる、ツイてない

新卒就活時、面接官から「自分のことを運がいい方だと思いますか?」と聞かれたことがある。 どう答えりゃいいんだと一瞬迷ったが、口が上手い(口しか上手くない)(口から…

朝凪
7日前
3

私にはWebライターの才がない

Webライターになるには、という検索を何度かしたことがある。 言葉を使った仕事がしたい、言葉で生活したい、という厚かましい願望は常に心のどこかにあって、普段は自身…

朝凪
7日前
11

いわしの梅煮

先週の月曜、朝。今までで1番出勤したくない朝を迎えて、ひゅう、と喉の奥が冷える感覚がした。 何があったわけでもない、強いて言えば大学時代の友達に週末に会っていた…

朝凪
1か月前
12

Googleの検索欄に吐き出すことしか

自意識が強すぎて、TwitterだとかInstagramだとかLINEとか、「自分と他人」が明確に存在しているSNS上で愚痴を吐くことができない。(noteはほぼ日記なのでモーマンタイ) S…

朝凪
2か月前
7

唯一の救いが

フジ子・ヘミングのピアノを聴いて無性に涙が止まらなくて、それはそれは止まらなくて、理由の模索に時間がかかってしまった 私が意味もなく泣く時、それは過去と現在を嘆…

朝凪
3か月前
11

それなりに

期待していないが故に、それなりに生きていく元気があるなあと思う。 喫煙所に向かうエレベーターの中で、会社の先輩から軽く相談を受けた。 「仕事、たのしい?」 自分…

朝凪
3か月前
13

2025年に世界が終わるとして

新潟に帰省をした年始、母方の伯母が「ユニクロの初売りに行きたい」と言うので、それに便乗して私も茶色い軽自動車の助手席のドアを開けた。 伯母は波乱万丈な人生を送っ…

朝凪
4か月前
44

師走短歌

ささくれた指で抱える液晶の 向こう見ずな恋 無条件の愛 滲んだ星でようやくきづく ひどく進んだ乱視と師走 大丈夫です大丈夫ではないです 丈夫な私 上手な話 チキン…

朝凪
5か月前
9

よかったことないね

3連休明けの月曜日、山積みの仕事から逃げるようにしてPCを閉じて自転車を漕いだ。 never young beachのライブに行くのは1年以上ぶりだった。カレンダーを確認したら去年…

朝凪
6か月前
10

埋まる寂しさ、埋まらない悲しみ

「ねえ、寂しさと悲しみの違いって何だと思う?」 最近6年間付き合った彼氏と別れたと言う同期が、梅酒の水割りを飲みながらあっけらかんと聞いてきた。 彼女曰く、 「今…

朝凪
6か月前
16

文字を書く仕事がしたいよ〜、、

朝凪
6か月前
11

ミーム化という防衛機制

ミームとして現代社会に普及している言葉は実に多い。推しだのエモいだの沼だの、平生からインターネットにどっぷり浸かり込んでいない人々でも、いつの間にか日常生活にミ…

朝凪
7か月前
15

惨めな1日

フレックス制度を導入している弊社では出勤時間は個人の裁量に任せられるが、今日はちょっと早く行ってお仕事頑張っちゃお〜な気分だったので少し家を早く出た。 早めにお…

朝凪
8か月前
20

箱の中にある夢

誕生日を迎えた。 ぴちぴちのセクシープリティー23歳爆誕である。 私はいつまで経っても学生気分でいるし、雪国に住んでいながら毎年初雪を懲りずに喜んでいたので、誕生…

朝凪
8か月前
77

目の前にケーキがあったらケーキが食べたくなる

1ヶ月少し前に恋人ができた。 大学の同期で、兼ねてから交流のあった方となんやかんやあってお付き合いさせていただくことになった。私には勿体無いくらい、とてもすてき…

朝凪
9か月前
7

「許せない」という事実を許せ

大学4年の秋だったか、大学生活の余生を食らい尽くすように友人とカラオケで騒いでいた夜中、兄から電話があった。 たまたま私は喫煙所に行く道すがら1人だったので、電話…

朝凪
9か月前
15
ツイてる、ツイてない

ツイてる、ツイてない

新卒就活時、面接官から「自分のことを運がいい方だと思いますか?」と聞かれたことがある。

どう答えりゃいいんだと一瞬迷ったが、口が上手い(口しか上手くない)(口から出まかせ)私は即答で、「運がいいと思います」と答え、当時の運についての考え方やエピソードを話した。

何を話したんだったかよく覚えていないが、当時面接後に振り返っても「やっぱ私は運良いよな〜」と思った記憶がある。

今になって改めて、運

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私にはWebライターの才がない

私にはWebライターの才がない

Webライターになるには、という検索を何度かしたことがある。

言葉を使った仕事がしたい、言葉で生活したい、という厚かましい願望は常に心のどこかにあって、普段は自身の才能のなさに打ちひしがれたくないという恐怖と今の仕事から動くのが億劫だという惰性によって蓋をされている。

ただ、たとえば春の夜の匂いがした時、仕事の帰り道に見つけた猫がだいぶ近くを通っても逃げなかった時、初夏にその年で初の冷やし中華

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いわしの梅煮

いわしの梅煮

先週の月曜、朝。今までで1番出勤したくない朝を迎えて、ひゅう、と喉の奥が冷える感覚がした。

何があったわけでもない、強いて言えば大学時代の友達に週末に会っていたくらいだ。

その週末は、久々に千葉に出向いた。

千葉には恋人が住んでいるので、月に1回程度、千葉に出向いて、大学時代より見慣れた愛おしい街並みと、恋人と付き合い始めてからよく行くようになったコーヒー屋とサンドウィッチ屋と、季節ごとに変

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Googleの検索欄に吐き出すことしか

Googleの検索欄に吐き出すことしか

自意識が強すぎて、TwitterだとかInstagramだとかLINEとか、「自分と他人」が明確に存在しているSNS上で愚痴を吐くことができない。(noteはほぼ日記なのでモーマンタイ)

SNS上で弱音や愚痴を吐くと、良くも悪くも「そういう思いを持っている人」というレッテルが自分に付いてしまう。

平生の生身の自分を知っている人、いわゆるリアルで繋がりがある人と連携しているSNSは言語道断だ。S

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唯一の救いが

唯一の救いが

フジ子・ヘミングのピアノを聴いて無性に涙が止まらなくて、それはそれは止まらなくて、理由の模索に時間がかかってしまった

私が意味もなく泣く時、それは過去と現在を嘆く時であって未来に視点が向いている時ではない

なぜ涙が出るのかつまるところの結論は出なかったが、私の拠り所である私がどこかへ行ってしまうことへの、その後ろ髪を引くための涙だったように思う

かつての自分でもなく、孤独に咽び泣いていた自分

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それなりに

それなりに

期待していないが故に、それなりに生きていく元気があるなあと思う。

喫煙所に向かうエレベーターの中で、会社の先輩から軽く相談を受けた。

「仕事、たのしい?」

自分にとって今の仕事は、総合的に見ると楽しくはないので、

「んまあ、別に…可もなく不可もなくですね」

と正直に答えた。

人懐っこい笑顔の先輩は、そうかそうか、と言いながら、

「俺最近楽しくないんだよね」

と悩んでいるようだった。

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2025年に世界が終わるとして

2025年に世界が終わるとして

新潟に帰省をした年始、母方の伯母が「ユニクロの初売りに行きたい」と言うので、それに便乗して私も茶色い軽自動車の助手席のドアを開けた。

伯母は波乱万丈な人生を送ってきたようで、片道1時間弱の車の中で、今までに聞いたことがある話も、聞いたことがない話も、いろいろな話をしてくれた。

両親と諍いをしながら、我が身一つで東京に出てきた話。日中は保険の営業をしながら、夜は横浜のスナックでバイトをしていた話

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師走短歌

師走短歌

ささくれた指で抱える液晶の
向こう見ずな恋 無条件の愛

滲んだ星でようやくきづく
ひどく進んだ乱視と師走

大丈夫です大丈夫ではないです
丈夫な私 上手な話

チキンだのローストビーフだのと議論
信じてやまない赤い日を待つ

空き缶を洗って干すのが君の好きなところ
隣にいないのが君の

生ぬるい歌ばかり歌ってるんじゃねえ
聞こえない錆びた弦のハレルヤ

空っぽの四角い箱に燻って残るライターと昨夜

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よかったことないね

よかったことないね

3連休明けの月曜日、山積みの仕事から逃げるようにしてPCを閉じて自転車を漕いだ。

never young beachのライブに行くのは1年以上ぶりだった。カレンダーを確認したら去年の7月に行ったきりだ。

当日はあいにくの雨だったが、入り口前に置かれた傘立てにぎゅうぎゅうに傘が詰まっていて、大きな花束みたいでなんだかうれしかった。

新アルバム「ありがとう」に収録された曲たちを最初に聴いた時の印

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埋まる寂しさ、埋まらない悲しみ

埋まる寂しさ、埋まらない悲しみ

「ねえ、寂しさと悲しみの違いって何だと思う?」

最近6年間付き合った彼氏と別れたと言う同期が、梅酒の水割りを飲みながらあっけらかんと聞いてきた。

彼女曰く、
「今までは私がたとえば今日みたいに飲み会に来てたとして、そんな時に彼氏はふと『いま彼女は何してるかな、飲み会楽しんでるかな、知らない男に手出されてないかな』とか考えてもらえてたんだと思う。
でも彼氏がいない今は、ふと自分のことを思い出して

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文字を書く仕事がしたいよ〜、、

ミーム化という防衛機制

ミーム化という防衛機制

ミームとして現代社会に普及している言葉は実に多い。推しだのエモいだの沼だの、平生からインターネットにどっぷり浸かり込んでいない人々でも、いつの間にか日常生活にミームをすっかり順応させて使いこなしている。

ミームの便利なところは、個々の主観的な事象や感情を抽象化して多勢に平易に理解しやすく、かつポップに伝達できるところだと思う。

大それた目標も展望も学びたいこともなく、ただ山に囲まれた地元では少

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惨めな1日

惨めな1日

フレックス制度を導入している弊社では出勤時間は個人の裁量に任せられるが、今日はちょっと早く行ってお仕事頑張っちゃお〜な気分だったので少し家を早く出た。

早めにお弁当も詰めて、早めに身支度を終わらせたため、少しゆとりのある気持ちで駅へ向かう朝8時。足取りもゆったりと、ぼんやりと歩くと、ファミリーマートの店員が割引券を配っていた。朝から大変ね。

お得なものには目がない拙僧、とりあえず受け取り地下鉄

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箱の中にある夢

箱の中にある夢

誕生日を迎えた。
ぴちぴちのセクシープリティー23歳爆誕である。

私はいつまで経っても学生気分でいるし、雪国に住んでいながら毎年初雪を懲りずに喜んでいたので、誕生日に関しても幾つになってもソワソワウキウキできると思っていたが、悲しい哉、年々誕生日への意識は希薄になるようだ。

高校生の時は日付が変わる瞬間まで起きて友達からの連絡を心待ちにしていたり、大学生の時は誕生日付近に遊びに誘われるといつサ

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目の前にケーキがあったらケーキが食べたくなる

目の前にケーキがあったらケーキが食べたくなる

1ヶ月少し前に恋人ができた。

大学の同期で、兼ねてから交流のあった方となんやかんやあってお付き合いさせていただくことになった。私には勿体無いくらい、とてもすてきな人だ。

惚気るのはこれくらいにしておいて、本題は人間(というか私)の「限りなく近く手に入り得るもの」に対する欲望に関してだ。

毎年夏は煌びやかなイベントが立ち並ぶ。海、プール、公園で手持ち花火、花火大会、縁日。大きくて豪華な花火大会

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「許せない」という事実を許せ

「許せない」という事実を許せ

大学4年の秋だったか、大学生活の余生を食らい尽くすように友人とカラオケで騒いでいた夜中、兄から電話があった。

たまたま私は喫煙所に行く道すがら1人だったので、電話に出た。

「もしもし?」

「あ、ごめん今大丈夫?」

「カラオケだけど話せるよ」

「ああ、ごめん」

はは、と笑いながら、兄は少しぎこちなく話し出した。

「最近はどう?誰かにいじめられたりしてない?」

何それ、と私も笑った。

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