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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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#米国債

「介入」と「外為特会」ー 米国債 ”Conundrum" (謎)の ”解”

「介入」と「外為特会」ー 米国債 ”Conundrum" (謎)の ”解”

 「介入」の有無を調べる時に日本では便利な方法がある。コール市場等の取引を媒介している短資会社は毎日精緻な「日銀当座預金」の増減予想を出しているが、5/1の「財政要因」は従来の▼2兆円から▼7.5兆円に修正。これにより5.5兆円規模の「介入」があったと推定されている

 財務省管轄の「外為特会」は150兆円程( ↑ 標題添付)だが、このうち「介入」にすぐ使える「ドル」は「外貨当座預け預金」の11兆

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「高金利時代」再び? - 「インフレ」>「景気減速」の金融政策

「高金利時代」再び? - 「インフレ」>「景気減速」の金融政策

 PMIの減速で 「利下げ」の ”芽” vs しつこい「円安」|損切丸 (note.com) と期待した矢先、あっさり "芽" を摘まれた。やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com) 

 これを受けて米国債のフラットニング(平坦化)が進み、年内の「利下げ」はほぼ消滅。それどころか「再利上げ」まで心配になって来た

 景気が減速する中での物価上昇はまさに「ス

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2024年は「お金の大移動」の年 - FRB「利下げ」の行方 

2024年は「お金の大移動」の年 - FRB「利下げ」の行方 

 注目の2月米雇用統計はまた投資家泣かせの微妙な数字。NFPのヘッドライン+27.5万人を見て「先月より減った!」と米国債は買い(金利は低下、5年債は一時@4%)、ドル円は売りに飛びついたが、そもそも+20万人台は弱い数字ではない。慌てて6月に「利下げ」を急ぐ理由には成り難い

 年内の「利下げ」は依然7月開始~▼0.75%が有力だが、面白いのは30年金利が指標発表前よりむしろ上がったこと。1つは

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やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。

やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。

 やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com) の続編として

 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) 前稿.「お金」の価値 - "一度一方方向に走り出すと止まらない日本人" |損切丸 (note.com) で金利急騰のリスクを指摘した途端に厳しい数字が出た:

 米CPIは実は驚くような数字ではない。直近の様々な指標から「人件費」の再上昇は示唆され

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続・2024年は金利低下の年? - 意外だった「国債売り」からのスタート

続・2024年は金利低下の年? - 意外だった「国債売り」からのスタート

 2024年は金利低下の年? - 猛烈に突っ走る株式市場と「日銀」の動向|損切丸 (note.com) の続編

 大体ウォール街を代表とする投資銀行業界は年初から意気込んで突っ込んでくるものだが、今年はやや意外。2023年後半の流れから「国債買い」=金利低下、「ドル売り」で入ってくるかと思いきや全く逆の流れ

 時価会計(Mark -to - Market)を採用しているので未だ「簿価方式」を取

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2024年は金利低下の年? - 猛烈に突っ走る株式市場と「日銀」の動向

2024年は金利低下の年? - 猛烈に突っ走る株式市場と「日銀」の動向

 一昨日(12/26)の2年米国債に続き昨日の5年債にも投資家から強い需要が見られ、米国債金利は急低下。FRBによる「利下げ」を控え、年金などコアな金利等投資家は一定程度「金利」を確保したいのだろう

 金利水準としては5月から3月に「利下げ」開始時期が早まった事になる

 年末越えの短期の「キャリートレード」狙いでドル円を買っていた向きには "スレッジハンマー" (Sledge Hammer)が

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アメリカから助け船? Ⅲ ー 待ちかねた米国債+株買い&ドル売り。

アメリカから助け船? Ⅲ ー 待ちかねた米国債+株買い&ドル売り。

 アメリカから助け船? ー ”見” の姿勢に入るFRB.|損切丸 (note.com)
 続・アメリカから助け船? ー 「変化」を怖れてばかりでは前に進めない。|損切丸 (note.com) からの続編。

 注目の米CPIが発表になったが、実は市場予想とそれ程かけ離れてはいない。それでもこれだけマーケットが動くのは、米国債や米株を買いたい人、あるいはドルを売りたい人が我慢に我慢を重ねていた証拠。

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 "漂流" するマーケット。ー 本当はおとなしくしていて欲しい「金利差」狙いのトレーダー達。

"漂流" するマーケット。ー 本当はおとなしくしていて欲しい「金利差」狙いのトレーダー達。

 ドル円も米国債もWTI(NY原油先物)も真剣に見ているとクラクラしてくるが、それにしても上下動が激しすぎる。マーケットは完全に "漂流" 。

 25年も相場をやってきて実感したが、売買いだけで儲けるのはかなり難しい。カジノ同様、相場を張るには「種銭」が要る。投資銀行業界における「種銭」は「金利」。「お金持ち」ならまず米国債を買って「金利」を稼ぎ、それを "保険" にリスク資産に投資する。ファン

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「行って欲しくない方に動く」相場の原理Ⅲ。ー 「インフレ」はまだまだ続く。

「行って欲しくない方に動く」相場の原理Ⅲ。ー 「インフレ」はまだまだ続く。

 「行って欲しくない方に動く」相場の原理。ー 「損切り」が動かすマーケット。|損切丸 (note.com)
 「行って欲しくない方に動く」相場の原理Ⅱ。ー 「何もしない」を許さないマーケット。|損切丸 (note.com) からの続編。

 「もう勘弁してくれ...」

 米銀の米国債担当者の偽らざる心情だろう。米国債市場としては価格にして▼50%程の史上稀に見る ”大暴落” であり、株式市場にな

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裏腹の関係にある「為替」と「金利」。ー 「為替介入」は良いサンプル。

裏腹の関係にある「為替」と「金利」。ー 「為替介入」は良いサンプル。

 昨日(10/3)は眠れなかったFXトレーダーも多かったのでは?

 NY時間にドル円が@150円を超えたと思ったら「損切り」も巻き込んで▼3円近く暴落。「ドル売介入」があったかどうか現時点で定かでは無いが、いずれにしろ「キャリートレード」はかなり積上がっていた模様。

 「金利差相場」ー。

 FXでは良くこういう言い方をするが「金利差」だけで決まるほど「為替」は単純なものではない。「為替介入」

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続・「金利」の上昇が止まらない。ー 主要国債は「@4~5%時代」へ突入。

続・「金利」の上昇が止まらない。ー 主要国債は「@4~5%時代」へ突入。

 「金利」の上昇が止まらない。ー 世界的に「逆イールド」は解消へ向かう。|損切丸 (note.com) の続編。

 米国債も10~30年の名目金利が節目の@4.75%を突破し「損切り」トリガーが発動。こうなると特に売り相場は金利の動きが速い。今更ながら ”財政プレミアム” (上乗せ金利)を加味し始め、@5%一直線の展開になる。

 ヨーロッパ等主要国債市場も当然米国債に引っ張られる。ドイツに至っ

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タイミングを計る日銀・財務省。ー "値段が上がっているのではなくお金の価値が減っている”

タイミングを計る日銀・財務省。ー "値段が上がっているのではなくお金の価値が減っている”

 ドル円が変な動きをしていたので 前稿.行き場を失った「お金」はどこへ? ー 米国債が売られるとろくな事がない。|損切丸 (note.com) でも触れたが、結局 "飛び道具" はなし。何事もなかったように@148円台に戻し、筆者の考え過ぎ、杞憂に終わった。

 「総合CPI < コアコアCPI」の状況を見ても、今の「インフレ」は「円安」や食品・エネルギー等の原材料高による、いわゆる "コストプッ

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行き場を失った「お金」はどこへ? ー 米国債が売られるとろくな事がない。

行き場を失った「お金」はどこへ? ー 米国債が売られるとろくな事がない。

 米国債市場が「投資」の場としては厳しい状況に陥っている。中堅のシリコンバレー銀行(SVB)を破綻に追い込むぐらいだからその惨状は想像に難くない。日本でも地銀勢が▼数千億円の損失を計上。高い名目金利を追いかけた結果とも言えるし、"偽りの逆イールド" に騙された面もある。

 本格的な「インフレ」→「利上げ」局面を迎える時、中途半端な中長期債投資は御法度。 ”金利が死んだ” 超低金利環境が20年以上

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 "いいから黙ってやれ" 時代の終焉。ー 何かが壊れようとしている。

"いいから黙ってやれ" 時代の終焉。ー 何かが壊れようとしている。

 「損切丸」が銀行の支店配属になって最初に受けた "洗礼" である。融資の事務方の仕事を任された時にわからない事を色々質問したら "鉄槌" を喰らった。時は「昭和62年」(1987年)。生意気と思われたようだが、今こんな事を新人に言い放ったら1ヶ月で辞めるか、訴えられるだろう。

 有名芸能事務所の性加害問題が大騒ぎになっているが、あれも "いいから黙ってやれ" の典型、「昭和」そのものだ。それが

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