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セトゲイなんて最高じゃないか

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2022夏、瀬戸内国際芸術祭、通称セトゲイへ言った記録……というか記憶。
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セトゲイなんて最高じゃないか:直島

セトゲイなんて最高じゃないか:直島

セトゲイというはつまり、瀬戸内国際芸術祭のことであり、あるいは瀬戸内トリエンナーレのことでもあり、香川県を中心とした瀬戸内海の島々で行われている芸術祭だ。ちなみに、よく聞く「ビエンナーレ」と「トリエンナーレ」の違いは、ビエンナーレが2年周期、トリエンナーレが3年周期で行われる芸術祭であるということらしい。4年周期になると「オリンピック」なんて呼んだりするのかなとちらっと思ってみたりする。

草間彌

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大都会・香川県

大都会・香川県

正直、香川県をなめていた。人口は日本で5本の指に入るほどに少なく、特産品として思い浮かぶものといえばうどんくらい。高松東港にフェリーが到着して、高松駅までバスで運んでもらう10分ほどの間に、うどん屋が何軒あるか数えてやろうと思うほどには香川県をなめていた。その10分ほどの間に見つかったうどん屋はわずか2軒であり、そのどちらも、もはや営業しているのかどうか判断がつかぬほど寂れた店であったが、ラーメン

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ジャンボ・ジャンボ・ジャンボ

ジャンボ・ジャンボ・ジャンボ

ジャンボな船(=ジャンボフェリー)に乗ると、僕のテンションもジャンボになって、船をくまなく歩き回って探検したくなる。足を踏み入れた途端にガラス張りの壁にお出迎えされ、バブル時代のキャバレーみたいな(もちろん、バブルの時代に僕は生まれていなかったので、バブルの時代がどんなものだったのかは記憶でなく記録でしか知る由はないけれど)、大阪のライブハウス”味園ユニバース”みたいな、きらびやかな装飾が施された

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夜、旅を始めてみる。

夜、旅を始めてみる。

陽が沈もうとしているころに家を出る旅というのは、いつもの旅とは違った特別感がある。1日のバイトを終え、家に帰って急いで荷造りして(缶ビールを開ける間もなく)、旅行用のトランクを抱えて 京都駅行きのバスに飛び乗った。バスを運用するだけの費用が稼げるのかと不安になるほどの数の乗客を乗せ、村上春樹のエッセイ集をめくっている間に京都駅へ到着する。家を出て1時間が経とうとしたころ、ようやく旅の出発点に立てた

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