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[学校×教育×文学]挿話閑話

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ほぼ週刊の予定ですが、不定期連載。 学校教育をめぐるあれこれを、言いたい時に、言いたいように書き付けていきます。#学校×教育 文がクソゥあかんわ^^;
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#教育

捨てる―学校が教えてくれないスキル

捨てる―学校が教えてくれないスキル

謎の算数プリント孫の話です。

朝、手を付けていない算数の計算プリントを発見した親が、小学校低学年の孫を問いつめていました。

「これはなに? 宿題じゃないの? なんでやってないの?」

口ごもりながら答えている内容をまとめると、こういうことです。

昨日先生からもらったプリントではあるが、宿題ではないから、やっておく必要はない。

授業用のプリントでもないから、ランドセルに入れて学校に持っていく

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麹町中学校だからできるんでしょ?という話

麹町中学校だからできるんでしょ?という話

千代田区立麹町中学校の工藤勇一先生が、見事に学校改革を成し遂げつつあった時、「立地が違うし、生徒の質も違うし、東京の真ん中の麹町中学校だからできるんでしょ?」という声を聞くことがありました。

「工藤勇一がすごいわけじゃない。ああいう立地だからできるわけで、あんなこと、うちの学校でやれるわけがない。」というわけです。

そんなわけはないわけで、それは「風向きは変わりましたか?これからの学校改革【ど

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都留文科大学文学部国文学科 新入生のための映画「かすかな光へ」鑑賞会を開きました

都留文科大学文学部国文学科 新入生のための映画「かすかな光へ」鑑賞会を開きました

昨年度の新入生に対して、新型コロナ感染症の拡大という未曾有の事態を前になすすべもなく、悶々とした日々を送らせてしまいました。

その反省から、少しでも良い形で大学と出会い、キャンパスデビューし、新生活をスタートさせてもらおうと、学科長としてまた新1年生の学年担任として企画したのが、4月2日(金)の映画鑑賞会です。

例年は入学式の後、桃の花咲く甲府盆地へと貸切バスを走らせ、県立の文学館や美術館を訪

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掛川教育フェス2021 開催準備進行中!

鈴木寛、安藤昇、乾武司、品田健、吉川牧人、高木俊輔、江藤由布、三輪開人、和田誠、新井貴之(順不同)など、豪華メンバーが次々に登場する3daysのビッグイベントです。私も出ます!

開催日:2021/03/27(土)~28(日) [プレ:03/21(日)]
会場:オンライン
参加費:無料
対象:小・中・高・大学生、教育関係者、保護者、その他どなたでも!

「コロナとGIGAの中で揺れる教育を何とかし
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「誌上開催」となった日文協のシンポジウム

「誌上開催」となった日文協のシンポジウム

2020年11月29日に共立女子大学で開催される予定だった日本文学協会の大会シンポジウムでが「誌上開催」されることになりました。

中古文学会をZOOMのウェビナーで開催してYouTubeにアップしてもらったばかりなので、当然オンライン開催だと思っていた私はガッカリしたわけですが、それならそれで面白おかしくやってみようと思い直し、オンライン発表の代替としてYouTubeで「紙芝居動画」を配信し始め

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SAMRモデルについて

教育ICTが導入されることによって、これから学校教育がどう変わっていくのかについて、S(代替)、A(拡張)、M(変容)、R(再定義)の4つの段階に分けて開設しています。Puentedulaが提唱したSAMRモデルの解説動画です。
Kaori Hakoneさんの動画のカバーヴァージョン、あるいはリメイク作品(?)として作りました。

国立情報学研究所の「データダイエットへの協力のお願い」の危うさ

国立情報学研究所の「データダイエットへの協力のお願い」の危うさ

専門家による「デマ」「フェイクニュース」 厚生労働省が出した「37.5度以上の熱が4日以上」という基準が流布されたせいで、検査を受けられなかったり受診をしなかったりして容体が急変し、新型コロナ感染症で亡くなるケースが相次ぎました。

 WHO(国際保健機関)が「一般市民のマスク着用に何らかの効果があることを示す具体的な証拠はない」という話が、マスクをつけても意味がないと受け止められて、無症状者や軽

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教師の欲望/生徒の希望、そして教師の都合/生徒の苦悩

教師の欲望/生徒の希望、そして教師の都合/生徒の苦悩

オンライン授業はどうすれば? ステイホームが求められている大型連休に、多くの教員が「オンライン授業」の研修会に「オンライン参加」しています。

 オンライン授業というのは、どうやってやればいいのか?

 オンライン授業では、どうやって評価すればいいのか?

 オンライン授業で、児童・生徒に学力はつくのだろうか?

 気持ちはよくわかりますが、これらはあくまでも「授業をしたい!」という「教師の欲望」

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教育改革のムーブメントをしぼませないために

教育改革のムーブメントをしぼませないために

 兄弟げんか、内ゲバ、宗派対立・・・はたから見ると似たもの同士でもう少し仲良くできそうなのに、近親憎悪というか、なぜか激しく対立し、憎み合ってしまうというケースには、枚挙に暇がありません。

 アクティブラーニングが盛んに喧伝された時も、「お前のは本当のアクティブラーニングじゃない!」とか「アクティブラーニングなんて、大昔からやってるわよ。今さら何を言ってるの?」とか「アクティブラーニング的だって

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遠隔授業の不自由と障碍

遠隔授業の不自由と障碍

 2017年5月に川上量生さんの「ネットの高校 N高の取り組みについて」という講演を聞いた時、これはぜひ学生に知らせたいと思い、ドキュメントを共有してコメントを付けさせました。当時の学生たちの反応の中で印象的だったのが、「こんなのは、ほんとうの学校じゃない」という類いのものでした。

 サッカーの元日本代表である秋田豊をコーチに迎えたサッカー部は、ネットの高校であるがゆえに、リアルサッカーではなく

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学会は何のためにあるのか?

学会は何のためにあるのか?

 コロナ騒動でバタバタしていた年度末、締切ぎりぎりの3月23日に何とかラウンドテーブルにエントリーした全国大学国語教育学会が、1週間後の30日に中止になってしまいました。

 第一報に触れた私がラウンドテーブルをするためにつくられたMessengerグループのスレッドに投げ込んだのは、「勝手にラウンドテーブルやっちゃいましょうか?オンラインでwww」というやけっぱちコメントです。

 「リアルだと

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国会答弁と文学教育

国会答弁と文学教育

 安倍首相が東京オリンピック・パラリンピックについて「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして、完全な形で実施したい」と語ったそうです。

 しかし「人類が新型コロナウィルスに打ち勝った」と言える状態を、今年の夏までに実現するのは困難です。「完全な形で実施」という条件もハードルが高すぎます。だとすれば、「実施」が想定されているのは、今年の夏ではなくて、1年後の夏、いや「人類が新型コロナウィル

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N高等学校が問いかけていること

N高等学校が問いかけていること

 創立5年目を迎えようとしているN高等学校ですが、4月から加わる新入生の数が、なんと6,000人に達するという噂です。(ちなみに3月の卒業生は3000人強)

 2016年4月に、1学年およそ2,000人という規模でスタートしたN高等学校は、中途入学者が多くて中途退学者がきわめて少ないという「入超」状態が続くことで、昨年の後半には3学年で1万人を超える規模になり、さらに生徒数を増やし続けています。

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全日制普通科という物語の終焉

全日制普通科という物語の終焉

 早慶上智や関関同立、GMARCHなど、有名私立大学の合格者を出すことが、多くの全日制普通科高校にとっての成功の証でした。

 その先には、有名企業への就職が約束されているからです。

アサヒビール/味の素AGF/大塚製薬/イオンリテール/明治安田生命保険/資生堂/三菱UFJ銀行/スターバックスコーヒージャパン/全日本空輸/鹿島建設/日本航空/ゼンリン/日立製作所/三井住友銀行/NTTデータ/アク

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