入試数学の勉強法 総論
対象読者
数学をこれから勉強するという方、数学の勉強の仕方がわからない、数学を勉強しているけどなかなか結果として出てこないという方、今回の記事はそんな方々が対象です。
そういった方々に向けて数学の勉強法について話していきます。かなり具体的に書いたので記事を読んだ後すぐに実践することができます。
本記事ではただ勉強法を扱うだけではなく、数学という科目自体の説明、参考書問題集過去問の使い方や注意点、数学でよくある話題、問題との向き合い方についても触れていきます。これらを把握しておくことで、瑣末なことに振り回されず自信を持って学習できるようになります。
これでもう数学の勉強法で困ることはないというものを作りました。その分文字数が大変なこと(三万八千字以上)になってしまいましたが、それ以上の価値があると自負しております。
※本記事では丸暗記と暗記は明確に区別しています。ただ暗記と言っている時は、必要な理解を済ませた上で記憶しているという意味で解釈してください。せっかく丸暗記という言葉があるので暗記と丸暗記は区別して使っていきます。
統計的な推測の勉強法に関して集中的に知りたいという方は、別記事で扱っていますので、もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、こちらを参照してください。
数学ⅢCについても同様です。下の記事の目次から飛んでもらえるとすぐ見ることができます。以下の講座の記事は今現在廃止されています。
他の勉強法についてはこちらからご覧ください。
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本題に入る前に
数学は入試において英語に並び、合格を勝ち取る上で非常に重要な科目です。数学が得意になれば周りと大きく差をつけることができますが、数学が苦手なままだと周りから差をつけられるだけでなく、他の科目の勉強時間まで圧迫し出します。そうなると数学以外の他科目の勉強時間が足りなくなってしまい、全体の点数が伸び悩んでしまうという事態に陥ってしまいます(一度受験を経験した方はよくわかると思います)。これを踏まえると、数学が受験に置いて、いかに重要な科目であるかがご理解頂けると思います。
※難関大では得意になってもあまり周りと差はつけることはできません(突き抜けてる場合は除きます)。しかし、難関大でも数学は重要です。不得意なままで数学があまり得点できない場合、その分他の科目で点数を取らないといけないのですが、難関大学では高得点をとることが難しいですので、他の科目で数学の取れなかった分をカバーするということが極めて難しいです。そのため、付けられた点差を埋めることができず、かなり不利な戦いになってしまいます。結局数学の重要性は難関大でも変わりません。
数学の勉強法というのは他の科目にも応用できることばかりなので、数学の勉強をすることで、科目全体の学習の質を上げる事に繋がります。しいては、受験勉強以外の試験、わかりやすい所でいくと資格試験や仕事にも応用できます。この先の人生において数学の勉強法を知っていれば、受験生活、大学生活、社会人どんな場面でも役立つ学習法を手に入れられ、周りと大きく差をつけることができるようになります。本記事を読んで学習の質、効率を高めて欲しいです。
数学で大事な力
数学で大事な力というと、大きく7つ存在します。具体的に挙げると、計算力、翻訳力、状況把握能力、スタート力、スタートからゴールまでの到達力、テーマ毎の定石力、答案作成能力などです。これらはどれも大切な力ではありますが、計算力と翻訳力、テーマ毎の定石力に関しては、その中でもとりわけ大事ですので、ここではこの三つを、重点的に書いていきたいと思います。
※ここで触れなかったことも本記事で後の方で触れます。
*計算力
計算練習は非常に大事です。計算ミスで本番何十点も飛んでいきますし、同じ時間で解ける問題数も変化するので勉強の効率も圧倒的に変わります。点数に関しては模試や定期テストなどで既に似たような経験をしている方もいるのではないでしょうか。そして、当たり前ですがどんな問題も計算問題に帰着されるので、計算ができなければ元も子もありません。
計算力が高ければ、本番、時間をかけるべきところにかけられるようになりますし、計算自体に負荷がかかっていないので題意把握、問題の見通しなど頭を使うべき所に使えるようになり、点数を最大化できるようになります。
※基本的にケアレスミスは、自分が処理できる以上のことをした時に発生するものなので、計算力を高めて、一つ一つの処理を軽くしておけばミスは自然と減らすことができます。
〈どのように鍛えるか〉
計算力の練習は、英単語や一問一答などと同じで継続して練習してください。可能であれば毎日20分を目安に取り組んで欲しいです。計算力はつけるのは大変なのに、つけても練習を続けていないとすぐに落ちてしまいます(英語長文と似ています)。加えて、これから難しい問題にチャレンジしていくと、計算している時間より考える時間の方が長くなってきます。要するに、計算力をつける機会がどんどん減っていくのです。問題も難しくなってきて解ける問題も減ってくる(計算の機会が減る)ので、意識的に時間をとり継続してトレーニングするようにしてください。
※計算練習をする時は方針の選択、工夫の仕方、スピード、正確性、ミスの収集なども意識して行うようにしてください。高校で新しく学ぶ計算は工夫できるものも多く、スピードや正確性にかなり影響がでてきます。工夫の仕方についてはあまり習わないとおもいますので、授業をよく聞いておいてください。
※昨今は制限時間が厳しいものばかりです。ただできるだけではなく、素早くそつなくできることにこだわってください。もちろん何も考えず(答えを丸暗記してただ吐き出す)に早くするのはNGです。
計算についてはこちらでさらに詳しく扱っているので、気になる方はこちらも参照してみてください。
*翻訳力(分析力)
翻訳力とは、式→(日本語、図、状況)→式のように、式を日本語や図、状況に、 日本語や図、状況を式に落とし込む、翻訳する力のことです。式や図、日本語、状況の特徴を分析し式に落とし込む能力と言ったほうが分かりやすいかもしれません。数学の表現方法は数式ですので、いかに式の形に落とし込めるかが勝負になります。したがって、数学を学習していく時は、その式からどのような情報が読み取れるのか、その日本語、図、状況はどう定式化できるのか、を意識して学習していくことが必要になります。
※そのため図形問題は定理や公式毎ではなく、特徴的な図形、有名な構図毎に、定理や公式定石を整理しておく必要があります。
※鉄緑会が式の扱い、図形の扱い、日本語の扱いという区分けがされているのも分析のしやすさを考えてのことです。
※翻訳の中で特に条件からの立式が大切です。
*テーマ毎の定石力
→テーマ?って何だと思われる方がいらっしゃるかもしれません。分かりやすい所でいうと問題集の問題の上の載っているタイトルのようなものです。人によっては抽象論、思考の型、思考の道具、思考の癖、ルール、ポイント、鉄則、定石、発想法、思考法、お作法と呼ばれているものです。色んな呼び方をされていますが、基本的にどれも同じものを指しています。色んな言葉で言ってしまうと混乱してしまうので、ここでは定石、思考法、ポイントという言葉で書いていきたいとと思います。この定石とは、目の前にある問題をある思考法の一つの具体例として認識できるように、その問題に含まれるポイントを抽象化して使える形でまとめ直したものになります。使える形でいうのは、ポイントを単元毎ではなく現象ベースで作り、ポイントを使う優先順位、使う場面、使い方、メリット、デメリット、注意点なども含めた形のことです。
これを意識しておくと、他の問題に応用させやすい形で学ぶことができ、結局いつもしている事は同じなんだという意識がつくので学習効率が圧倒的に上がります。この意識がつかないと毎回はじめましての状態なので、上手くいきません。同じなんだという意識を持てるからこそ、上手にそしてそつなくできるようになります。
※知識は引き出すことこそが難しく最難なので、事前に使用場面と使い方と共に暗記しておく必要があります。要するに応用のさせ方も含めて暗記しておくのです。印象が悪くなってしまうので暗記しろと言ってくれる先生が、あまりいない(駿台、河合、代ゼミの一部の先生と鉄緑の先生ぐらい)ので、暗記しなくてもいいと誤解されがちですが、暗記しなければならないものです。ちなみによく先生方がおっしゃる、おさてえておいて、頭にいれておいて、頭に叩き込んでおいて、チェックしておいてなどはすべて暗記してという意味です。表現を変えているだけです。
※あやふやな状態だったものを定石化しておくことで、はっきりとした形を持つようになるので頭の中に定着しやすく、維持しやすくなります。
※定石として押さえておくことで、模試や本番で、解ける問題、解けない問題の判断の基準になり問題の選球眼が養われていきます。加えて、ある程度の解き方の流れが頭に事前に入っている分、思考の負担が軽くなり全体の方針が見えやすくなります。今何してんだ?と迷子になりにくくなります。
※数学の暗記と聞くと定義や公式ばかり浮かぶかもしれませんが、ここで紹介した定石を暗記することが主であくまで前者はこれに比べるとオマケです。テーマ毎の定石のように事前に知っておかないといけない知識は多数存在します。多くの受験生はその場で考えすぎです。
※本記事での暗記の定義について誤解ないようお願いいたします。暗記≠丸暗記です。訳もわからずお経や定期テスト前の直前のように、覚える状態は暗記とはいいません。それはただの丸暗記です。
定石力のつけ方
ではこのテーマ毎の定石力をどのようにつけるのか、コツや注意点をいくつか(12個)述べていきたいと思います。
予備校に通っている人は最後の微調整や自分で一部を作らないといけない場面で必要ですので、ここで定石化について知っておいてください。上手な定石やまとめ方について数多く授業で見れるので、転用できるものが多くそこまで苦労しないと思いますが、念の為コツについて知っておいて欲しいです。
独学であれば自分でしないといけないので、より注意深く読んでください。
※ここで話す話はまとめ方全般に通じる話ばかりです。
*問題から定石(ポイント)を抜き取る意識を持つ
→問題の解説を読む時にその解説の手順や処理を理解するだけでなく、他の似た問題で使える思考法はないかな、その問題を初見で解くために必要な視点はなにかな、その解答を再現する上で必要な最低限の要素はなにから、最初のスタートを踏み出すためにはどのような思考法を持っていればいいかな、という視点を持ち問題から思考法を抜き取ってください。これを意識することで正しく必要なところを抽象化しやすくなります。
※これは問題を構造的にみる練習にもなります。
*問題の出題意図、収録意図を考える
→ズレた所を抽象化しないために、筆者、作問者がその問題を通して、学習者、受験者に何を問いたいのか、何を学んで欲しいのかという出題意図を把握しようとする姿勢が大事になってきます。問題という形式になっている以上そこには必ず聞きたいこと(出題意図)というのが存在します。その聞きたいことというのは基本は大事なことなので、テーマや注意点、要するに抽象化するべき所と被っていることが殆どだからです。これらを意識し、問題を上から見れるようになることで抽象化の質が上がっていきます。
※この意識は記述でとても大事なものです。
※聞きたいことも無いのに質問する人なんていませんよね。
*自分で一から考えない
→車輪の再発明をしないために、既存の物をできるだけ基盤にして余計なステップを踏まないようにしてください。自分で一から作れるほど簡単なものではありません。
※具体的には参考書、授業、テキストを参考にしてください。特に参考になるのは授業の口頭説明です。
*現象ベースで明文化する
→〜のときは、…する 〜を見たら…するなど実際に出会う形で明文化していきます。本番は使う物を明示されず、自力で特定する段階(問題を見たらテーマとタイプの判別)から入るので、あまり内容毎にまとめておいても意味がありません。相加平均相乗平均の大小関係についてまとめていて、どれだけ使いこなせるようになるでしょうか。正直殆ど使いこなせないといっていいでしょう。使いこなせるようにするためには、この引き出す場面を言語化明文化して暗記していくことが大切になってきます。
※勝手に、理解しなくていいと読み替えないでくださいね。暗記≠丸暗記です。
※ただし、知識を引き出す負担、使いこなす負担が少ないもの(ex.使用場面が限られる、使う場面が分かりやすい)に関しては単元や内容ベースでも大丈夫です。ここは個人によっても変わってくるので柔軟に対応してください。
*同じ解法の問題を集めて比較する
→同じ解法の問題を集め、その問題同士の共通点に注目し、どうしたらその問題が次解けるのか考えます。共通点に注目することで定石の使用場面、使い方がわかります。問題を集めている中で、問題文は似ているのに、解き方が違う問題があれば、今度は相違点に注目してください。相違点に注目することで、使えると思っていた解法の使えない場面や、注意点がわかり、定石を使い分ける能力が上がっていきます。余裕があれば、見た目が違う問題だけど解き方が同じ物も集めてくると、より定石の質が上がっていきます。これをする時、かなり問題を比較するために見ないといけないので、素材確保のためにそれなりの冊数の問題集は必要になってきます。
※共通点や相違点はまずは構造的なものに注目することが多いです。
*できるだけ自分の言葉で説明する
→参考書やテキストの言葉のままではなく、自分の言葉で少しでも説明するように心がけてください。自分の言葉で説明しようとすると頭に負荷がかかり、理解が深まりますし、自分の言葉だからこそ知識が馴染みやすくなり暗記しやすくなります。
この時、自分が問題を解いた経験をのせる事、自分にとって分かりやすいストレートな表現で書く事(かしこまって書かない)、ニュアンスをできるだけ出す事、自分なりの解釈を載せることをを心がけてください。そうすることで自分にとって最適なものとなっていきます。
*纏める内容は使い方に重点
→纏める時は内容そのもではなく知識の使い方を大事して纏めていきます。具体的には優先順位、使う場面、使い方、メリット、デメリット、注意点などです。知識は試験で問われる形で覚えるのが鉄則なので、これらの視点を軸に纏めていくことになります。内容自体の説明をしたい時は別枠や補足で補うようにしてください。
※問われ方を知るために頭を使いながら沢山の問題を解く必要があります。
*自分のレベルに応じて抽象度を調節する
→勉強を始めたばかりの時は使える形でまとめようと思うと具体的にまとめないといけません。抽象的に纏めてしまうと結局何をいっているのか分からず使い物にならないからです。ただ、逆に勉強が進んできたら、そこまで言われんでもわかるわー!となってくるので抽象度を上げても大丈夫になってきますし、上げないといけません。なぜなら勉強が進めば進むほど、暗記しないといけない定石の量が増えてきて、そのままの状態だと多すぎてキャパオーバーになってしまうからです。脳の負担を軽くするためにも、学習が進んできたら抽象度を上げていってください。学び始めの頃は具体的に、学びが進んだら抽象的にを意識してください。
学習が進んでくると理解が深まったり、応用問題で何度も定石に触れたりするので、意識的にしなくても勝手に頭が暗記してしまっていることが多いです。
*思考法の圧縮と体系化
→思考法が増えていくとかなり量が増えてなかなか知識として蓄えておくのが大変になってきます。もちろんそこで先程述べた抽象化をして欲しいのですが、プラスで思考法の圧縮と体系化もして欲しいのです。前の内容とできるだけ関連づけたり、似たものはどんどん纏めていくことで思考法を圧縮していきます。これをするために初めてみた定石は、すでにある定石と何か関連はないか構造や意味に注目して考えることが大切です。また、配列を工夫し、縦から切ったり、横から切ったりすることで使いやすい形に体系化していきます。これらを意識すると、より頭に入れやすくなります。
※これについては学習する時のポイントの所で再度説明します。
*無闇に量は増やさない
→既に作った物で大丈夫なら、わざわざ新たに作る必要はありません。道具はできるだけ少なくが鉄則です。そうしないと、はじめましての状態からなかなか脱せずなかなか一つ一つの定石の質や習熟度が上がりません。同じものを何度も使うからこそ質や習熟度が上がっていきます。毎回初めましての状態では一向に上達しません。以前作ったやつが完璧に適用できなかったとしても、ただ微調整をするだけで問題ないというケースもあります。ただでさえ量が多いのですから無闇に量は増やさないようにしましょう。
※上手く定石を当てはめられない時は、元の定石を微調整するだけでいいのか、根本的に追加しないといけないのか、どちらなのか考えなければなりません。
*使う意識を持ち、一度作ってからも微調整(修正補強)をする
→問題を見たら必ず今までストックしてした定石が使えないか考えてください。使わなければ定石が本当の意味でなかなか習得できません。そして、問題に実際に使ってみると、もっとこういうふうに纏めておけば自分が上手く使いこなせるなと言う場面に出会うと思います。そういった時に、すぐに修正を入れてその定石を自分に最適化していってください。この意識がないとなかなか定石の質が上がっていかなく、汎用性の低いものになってしまいます。
*具体例が瞬時に浮かぶようにしておく
→抽象は具体に落とし込んで理解するが鉄則です。しだかって、学習初めの時こそ定石化した物の具体的な使用場面や使用する問題が瞬時に浮かぶようにしてください。そうすることで類題を見抜きやすくなり、定石を使いこなす能力が上がっていきます。
※問題集の番号を定石に添えておくといいです。
以下の動画も併せて見ていただくとより今説明した内容の理解が深まります。
ここでの説明を読んだ方であれば、動画だけ見た人よりも、動画の内容を正確に理解できると思います。
コメント欄を見ている限り正確に理解できている人が少ない気がします。
定石を上手くまとめてくれているYouTubeチャンネルと、参考書をいくつか挙げておきます。
参考書については新課程のものが出ていればそちらを使ってください。
(i)高校数学が面白いほどわかる
(ii)医学部を目指す君への数学
(iii)ただよびの高瀬先生の授業
(iv)Passlabo
(v)Stardy
参考書※シリーズはその中で一つあげていきます。
他にもあるかもしれません。
ワザ、エウレカ、真解法への道は意図的に外しています。
ここに挙げた方を、見れば、使えば、いけると思われるかもしれませんが、YouTubeの特性上体系的に単元を扱うということが難しい(再生数がとれないから)ですし、参考書でもページの都合があるので同じような状態です。どれも内容的には不十分です。加えて、一応、定石化のコツや注意点について書いてきましたが、優秀な方を除き自分でするのはかなり難しいです。一つの証拠として、同じ勉強の仕方を色んな方が提唱されているにもかかわらず、なかなか広まっていません。実際に実行できている方がほとんどいないのです。このことが自分ですることが現実的ではない一つの証拠になっています(上位層や学習体力のある層、素質がある層には広まっています)。できれば独学せず、三森先生、小山先生、五藤先生、池谷先生に習ったり、鉄緑会のテキストを入手したりして体系的に、質の良い物を学ぶようにしてください。
学研プライムゼミであれば、参考書やYouTubeと違い五藤先生、小山先生に全単元体系的に、なおかつ受験に耐えうる強度で学ぶことができるので、候補の一つにいれてみてください。難関大理系数学は最高傑作です。かなりの講座を見てきましたが、全科目の中で最高のクオリティを誇っています。
小山先生の良さについて記事で詳しく扱っていますので、興味がある方はご覧ください。
〈余談〉
たまに◯チャートに定石がまとまっていると言う方がいらっしゃいます。確かに一部優れたものはあるですが殆どが定石ではなかったり、質が著しく低かったりします。たとえば、chartやsolutionに書いてある事が、〜に注目すると、〜と捉えると、〜と解釈すると、〜に補助線をひくとなど殆ど結論ばかりです。とても定石と言えるものではありません。そのような解説からどれぐらいの方が定石のように、「いつ、どのように使うか」まで分かるでしょうか。実力がついている方であれば自分で咀嚼して分かるでしょうが、殆どの方は分からずただの解き方の手順丸暗記になります。もしくは、間違った理由づけをするのではないでしょうか。理由が分からなければ、そして、定石化していなければ、結局その問題でしか使えず、他の場面で活かすことができない(理由無き物は再現不能)ので、勉強の成果が出にくくなってしまいます。そういったことになって困らないようにここでは◯チャートを外しています。
※物によって使う知識をただ説明しているだけのもの、汎用性の低い定石(ⅡBに多いです)も入っていたりします。素材確保としてはいいでしょうが、わざわざメインとして使う必要はないです。
※繰り返しになりますが全部が全部悪いというわけではないです。ズームup、まとめ、振り返りなど学習者にとってとても学びがある部分もあります。基盤にできないというだけです。0,100の極端な思考はやめてください。極端な思考は選択肢を狭めます。長所は活かし、短所はカバーすればいいだけです。使えるものは使っていかなければいけません。
※黄色チャートや白チャート、ニューアクションレジェンドは比較的マシな部類です。
※世の中の問題集は素材として優秀なのですが、基盤やベースとして使えるものが少なすぎます。
数学の学習の手順
⓪中学内容の復習補強
→中学内容は量と計算でごりおして理論的な部分で理解が甘くなっていることが多いです。今見返すとそこまで難しく感じないと思いますので、高校数学の内容が難しく感じている、苦手意識があるといった場合は、必ず理論的な理解や言葉の定義を重視しながら学習しなおしてください。意外とぬけてた、勘違いしてたとひやっとするシーンがあると思います。ここで理論的な理解を重視し式の意味を考え式を何も考えずに式をいじくり回す癖がぬけているとより高校数学をスムーズに取り組めるようになります。中学数学がよくわかっていれば関連することが多い1Aの内容はかなりスムーズに進めることができますし、それ以外でもずっと使うものばかりです。特に円や二等辺三角形の性質と補助線の引き方、有理化や三平方の定理などはその代表例です。入試問題は解けるようにならなくてもいいので、教科書の基礎的な内容を理解してください。
①定義や用語を理解して単元毎に概念を把握し、基本の処理、公式を仕入れていく
→定義や用語の理解は大前提として、微分とは何か、積分とは何かと、概念や理屈背景を把握します。ただし、ここで概念の理解に固執しすぎないようにしてください。なぜなら概念というのは問題を解いたり、他の単元で触れたりしていく中で少しずつ固まっていくものだからです。全く分からないというのは問題ですが、最初から完全に理解できるほど簡単なものではありません。完璧に理解しようとしすぎないでください。そしてここでは後に定石を蓄える、使いこなすだけの体力の養成と、定石を知り答えまで辿り着くための到達力の養成を目的として、基本の処理と公式を使う練習をしていきます。この段階も大事な学習です。
※ここをさぼってしまうとなぜそのような定石になるのかわからない、解き方がわかっても答えまで辿り着けないという事態に陥ってしまいます。これは問題集をいきなり取り組んではいけない理由の一つでもあります。
※単元の学習が進んできたら、単元一つ一つがどのような関連をもっているのか、数学という科目の中でどういう位置づけなのかまで意識できるとよいです。
〈この段階でオススメの参考書〉
入門問題精講
②単元毎に典型問題と定石を学び、使う練習をする
完全に新しい定石を学ぶ段階では解説をすぐ読んでください。勉強の基本は上手な人の真似です(学ぶことは真似る事)。閃こうとか、考えないといけないとか思わなくていいです。まずは真似てください。アウトプットするためにはそもそもインプットしておかないといけません。無いものは引き出しようがありません。何もない状態で考えても、うなる、にらめっこするしかなく無の時間を過ごすだけです。凡人が無から有を生み出せるほど数学は簡単ではありません(そこまで舐めていると今までの偉人たちに叱られてしまいます)。解答を理解する事に全力を注いでください。
逆に少しでも、問題についての定石を知っている、手の動かし方を知っているという時は、答えをすぐに見ずに、考える時間をとり手を動かして定石を引き出し使う練習をしてください。ここで、自分で考え、実際に使われている問題に触れ、自分に合うように定石の微調整を繰り返していくことで、本当の意味で定石が自分のものになっていきます。沢山失敗経験を積んで修正をし、質を上げてください。
〈この段階でオススメの参考書〉
重要事項完全習得編、短期集中ゼミ、共通テスト数学、basic
※ここで使う練習をサボってしまうと、定石を使いこなすだけの知的腕力が養成されません。
※典型問題を押さえていくことは特に数学3Cで大切ですし、処理速度を高めるという意味でも大丈夫です。
③定石の横切りと補強をする、さらに上のレベルでの問題に取り組み、よくある定石の組み合わせ方も学んでいく
→一通り学び終わったら今度は単元毎ではなくテーマ毎に横に切りながら定石化していきます。例えば最大最小、図形問題、軌跡領域などです。これはもちろん問われる形にして、使いやすくするために必要なのですが、いろんな引き出し方をあらかじめ用意しておくことで、より引き出しやすくするという目的もあります。そして横切り加えて、より難易度の高い問題に対応するために、この段階で定石の補強をしていきます。いきなり②の段階でいっぺんに学べばいいじゃんと思われるかもしれませんが、事前に定石を一部知り使ってきた経験があるからこそ、知的腕力が養成され、新たに発展事項を学んでも消化しきれる部分があるので、段階を分けて学習をした方がいいです。
同時に問題のレベルを上げさらに使う練習をしていきます。②の段階で素材としていた問題は、大抵解きやすいように配慮されたシンプルな問題ばかりです。しかし、実際出題される問題はより込み入った問題ばかりなので、そういった問題が解けるように調整していく必要があります。そのためにより上のレベルで使う練習をしてください。
〈この段階でオススメの参考書〉
一対一対応、マスト160、入試数学実力強化問題集
※ここでも失敗経験を大事にしてください。練習で沢山失敗し、それを補強し、本番では確実に取れるようにしてください。
※ここの段階では解法や定石をさらに抽象化したり、初見問題の切り崩し方、よく出る解法の組み合わせ方を学んだりすることも忘れないでください。
〈この段階でオススメの参考書〉
入試数学の掌握、世界一わかりやすい京大阪大(東大と九大は除く)
※この段階の使う練習は難しいものばかりですので、わからなくなってからが本番です。必死に今まで学んできたことをぶつけ、もがく練習、スタートからゴールまで解ききる練習をしてください。
数学のよくある話題
数学を勉強する時によくされる話題があります。ここではその中から3つの話題について触れていきたいと思います。
1.数学は独学しにくい
*覚えるべき公式、覚えた方がいい公式、覚えない方がいい公式の区別がつかない
→数学ではこのように同じように見えても公式にはいろいろなタイプが存在します。これが判別できないと、無駄に頭を圧迫してしまいますし、使いこなせない、理解できない、ことの原因にもなってしまいます。明示しているものも少ないので、この事が独学がしにくい原因になっています。
※人によっては覚えておくべきもの、覚えなくていいが導けないといけないもの、といった区分けもあります。
※公式の中には他の公式たちと違った使い方をする公式もあるので、なおさら勉強しにくいポイントになっています。簡単な所でいくと内接円の半径の公式などです。
*抽象化が上手くできない
→いろんなコツや方法について話しましたが、どうしても長年数学に携わっている、駿台の先生や鉄緑会の先生方ほど上手くできず、汎用性の低い物になりがちです。加えて、定石を作るにも、質を上げるためにも、かなりの時間と労力が必要になってきます。自分でするのは正直現実的ではありません。
*できる人の視界が共有できない
→参考書は解いている人の視点、視界が共有されているものがすくないです。したがって、授業ではすることが可能な、解ける人が問題を見た時どのように考えているのか、見ているのかという共有がしにくいです。そうなると、上手な人の真似をする機会がなくなってしまうので、なかなか問題が自分で解けるようになりません。
※一部講習のみいって成績が飛躍する人がいらっしゃいますが、このできる人の視界の共有ができるという部分が大きいです。浪人した時に急に伸びるパターンもこれが原因になっていることがあります。
*他の単元との結びつきが理解できない
→自力で他の単元との結びつきを発見をするには、かなりの理解と労力が必要になりますし、殆どの場合そもそもできないという場合ばかりでしょう。自分でできたら予備校はいりません。仮にできたとしても、本当は他の科目にまわせるはずだったかなりの時間を数学に投下することになるので、他の科目の勉強時間を圧迫し、点数の伸び悩みにも繋がってしまいます。数学は確かに大事ですが、受験は数学だけではありません。
*市販のものだけで必要な考え方、理解をするのが現実的ではない
→YouTubeやネットなどが使えるとしても、仮に独学でするなら必要なことを集めるためにかなりの冊数が必要になってしまいます。定着するまで参考書をすることを考えるならなおさらです。しかも、市販の物で必要なものを揃えることが現時点で不可能です。独学で数学をすることは得策とは言えません。可能な人は予備校や鉄緑にいって欲しいです。
2.数学における読解力
→特徴的なものに反応して正しく読み取り、式に落とし込む能力であると考えています。これは物理や化学でも同様です。よく数学の読解力をつけるために、現代文の勉強をしないといけないいけないという人がいますが、かなり的外れです(文系科目の先生がこれをいっていることが多い気がします理系科目の先生でこれを言っているのを今の所見たことがないです)。形式だけに注目しすぎです。現に身近で何人もほとんど無関係な人をみているのではないでしょうか。数学や物理が抜群にできる人で現代文ができない人、逆に現代文はできるけど数学や物理やできない人、いくらでもそういう例を周りに見ると思います。数学の読解力を磨くためには数学の勉強をするしかありません。現代文とはほぼ無関係です。数学的な特徴を特徴として認識できるようになるためには、現代文の勉強をしても仕方がないです。
※ただしく図が描けるかというのも、読解力の一つだと考えています。はじめた頃だと、解答を見た時に全然違う図を書いていたということも多いです。
※ここでは読解力を緩い意味で使っています。
3.解法暗記とは
よく聞く解法暗記とは、この記事の定石を覚えることです。英語の英文解釈と同じで、数学ではこの言葉がかなり緩い意味で使われているので、人によって解法暗記の指す意味が異なります。ある人は定石を覚えること、またある人はその問題固有の解き方の手順を覚えること、といった具合です。基本的に解法暗記を推している人は前者、批判している人は後者を指していることが多いです。
※解法暗記を否定しているのに、させていることは結局解法暗記じゃないの?という疑問がよく起こるのはここのねじれが原因です。もしかしたらここに気づかせたくなくて、わざとゆるい意味で言っているのかもしれません。
学習する時のポイント
ここでは数学を学習していく際に大事なポイントについて話しています。ここで話すポイントは他の科目、他の試験にも応用できるものばかりです。
※28コです。
*テーマ毎、単元毎に固めていく
→知識は整理、体系化しなければなかなか覚えることも維持することもできません。単元やテーマをつまみ食いしている状態だと、いつまでたっても知識が独立した状態になってしまい、忘れやすく、理解が進まない形になってしまいます。そうならないために、テーマ毎、分野毎に一気に固めるようにしてください。先取り学習をすると自然とこの形になるので強いです。一気に固めることで得意になりやすいですし、一つの単元を得意にできれば、そこで学んだ知識や習得の仕方が他の単元でも活かせるので、他のことを学んだ時の勉強効率が飛躍的に上がります。まずはテーマ毎分野毎に学習してください。
※何かを習得するときは短期間で集中的にが鉄則です。定期テスト前の勉強とは違いますよ。
※数学ができないと投げ出すのではなく、できない中でも、何かできることはないかなともがく意識が大切です。困難は分割せよです。数学と捉えるのではなく、分割して単元やテーマと捉えてください。
※単元毎にする時は
・計算分野(関数、方程式、不等式、微積分)を優先
→これらの単元は自分で勉強しやすく、方針が迷いにくい(解答の自由度が低い)ので、結果として出しやすいです。そのため、モチベーションに繋がりやすく勢いづけに最適です。加えて、大事な考え方(場合分けや翻訳など)が含まれているので他の単元にも活きやすいです。特に微積は色々な内容が出てくるので復習にもなります。
・すでに学習した所から
→習っていない所を自分でしようとするとかなり時間をくってしまいます。すでに学習したことがある所からの方が進めやすいです。
・苦手な所から
→得意なことを、より得意にすることより、苦手なことを克服する方が簡単ですし、全体の得点の上がり幅も大きいです。その上、得意な所はどうせ自分で勝手にします。苦手な所を優先して学習した方がいいです。
*実戦練習ばかりしない
→模試や過去問は健康診断みたいたものです。健康診断を繰り返ししたからといって、健康になるわけではありません。勉強も同様です。焦ってくると過去問を解き散らかしてしまいがちですが、それでは殆ど意味がありません。ただ漫然と解いているだけでは学びはほとんど無く、書いた紙と腕の疲れのみがたまっていきます。一つ一つの過去問や模試を大切に扱ってください。模試であれば、テストに近い状況で受け、今の自分の弱点や本番するであろうミスの仕方が現れている貴重な物ですし、過去問であれば、実際に本番で出された問題、難問、良問、奇問が混じっています。問題集とは役割が違うのです。雑に解いている場合ではありません。どちらも本番する作戦のシミュレーションをするもの、本番するであろうミスを補強できるもの、問題の選球眼を磨くものとして貴重なものです。大事に扱いましょう。
※勉強をした後に、〜の力が身についた、これを修正すればいいとわかったなど、言えるような勉強、つまり学びのある勉強をしましょう。勉強した後これを言えないようでは勉強したとは言いません。それは勉強ではなくただの作業です。
*用語、定義、公式は暗記(正確に理解し記憶)
→用語や定義の正確な知識は題意の把握能力、理解力に直結し、公式は解くスピード、方針の選択に関係してきます。必ず暗記しておきましょう。特に定義は、統計的な推測や二次曲線で大事ですし、意味だけではなく、どう立式できるのかも押さえておくことが大切です。
※暗記≠丸暗記
*式や記号の意味を考える
→数学の苦手になる原因が解答を見て訳のわからない文字列に見えてしまうというのがあります。そうならないために、式や記号の意味を考える習慣が大切です。きちんと考えれば案外普通のことしかいっていません。数学は簡単ことが難しく見えがちです。意味を解釈する習慣をつければ、数式という言語になれてくるので、自然と拒否反応もなくなってきます。
※これを意識しておくと定性的な感覚が養われるので間違えた時に瞬時に気付けるようになりますし、式を見た時に読み取れる情報量も変わってきます。
*一人で何も見ずに再現できるところまでする
→わかった、わかったと理解しただけ終わるのではなく、1人で実際に解いて再現できるところまで必ずしましょう。アウトプットまで求められる科目の原則です。特に数ⅢCでは計算がハードなものばかり(特に二次曲線)なので、実際に計算してみると答えまでなかなか辿り着けないということが往々にしてあります。必ず手を動かしましょう。実際に紙に書いてみると、理解の漏れが見つかって、補強するいい機会になってくれます。
※問題によって、立式の段階とゴールまでたどり着く段階のどちらに重きが置かれているかが異なります。ゴールまで辿り着く段階に重きが置かれている問題に関しては、必ず手を動かして確認しなければいけません。
※書くことで頭が働いてくるという部分もあるので書いて欲しいという気持ちもあります。その一つの証拠に模試の最初より少し後からの方が頭が働いている実感があると思います。
*全体像を意識し、俯瞰しながら学習する
→数学では学ぶ内容が多いので、このことが必要になってきます。部分を学んでいる時に、全体でどの位置にいるのか意識することで頭に入りやすくなりますし、ペース配分や時間の掛け方も適切におこなうことができるようになります。俯瞰するために他のポイントでも話す、早く一巡すると、関連を意識する、位置付けを意識するいうのもあるのですが、それに加えて、目次を見るというのも有効です。目次というのは理解した人が体系だてたものなので、かなり整理された形になっていて全体像を意識しやすい作りになっています。この二つを意識して全体像を意識しながら学習するようにしてください。
※できればそれように作られたものを予備校などで入手するといいです。質が全然違います
※自分で俯瞰するようのノートを作っておくのもいいです。
※学習内容が多いので早めに対策しておかないと、間に合わなくなってしまいます。一度では殆どの人はみにつかないので、ただ触れるだけでなく習熟するまでの時間も含めて考えておかないといけないので時間はかなり必要になります。
*教科書を使うのは前半ではなく後半
→教科書とは先生が補強することが前提の作りになっています。基本的に最初の内に独学で使うものではありません。使うとしても先生がするような説明が自力で補強できる段階になってから、要するに後半になってからです。少なくとも前半に使う物ではありません。授業を受けずにテキストだけ(鉄緑会のテキストや自習用に作られているものは除く)で学習する人はいませんよね。それと同じです。
※教科書を軽視しろという意味ではないのでご注意ください。定石を一通り学んだタイミングぐらいで一度読むことはしてほしいです。いろいろな学びがあります。新課程になって目立った物(期待値、仮説検定)以外も少し話題が追加されているので、一度は読んでおいた方がいいです。共通テスト対策にもなります。
*覚えている内に他の場面で触れる
→ポイント、定石は他の場面で複数回出会い使わなければなかなか自分のものとして定着しません。そして、それは覚えている内にしなければ、ポイントや定石を問題で使いようがないので意味がありません。したがって、ある定石やポイントを学んだら覚えている内に他の場面で意識的に取り出し何回も使いましょう。他の場面でというのが大事です。同じ問題だと無意識の内に追憶してしまいます。他の場面で何回も触れると微調整ができ、本当の意味で自分のものになっていきます。
*自分のミスや弱点に敏感になる
→勉強とはできないことをできるようにすることです。できることばかり繰り返していても意味がありません。できることを放置していると数が多くなりすぎてやる気を失いますし、分からない所、できない所に対する感度もさがっていき、自力で特定ができなくなってしまいます。早めに地道にコツコツ潰していきましょう。傷は小さいうちに塞げです。
*証明問題
→いきなり自分で書くことは難しいので、まずは読むことからはじめてください。証明には問題を解く上で大事なアイデア、定石、式変形が沢山つまっているので、学ぶことが多く正しい形で勉強すればかなり力がつきます。物によってその証明自体が問われることもあるので勉強する意味は大きいです。ただ、証明を身になる形で咀嚼しようとすると、それなりに体力が必要になってくるので、初学の時は深入りせず、一通り定石を仕入れて、基本処理がそつなくできるようになった段階で取り組むのがオススメです。
※証明を読む時は理由や動機、流れを考え(式間を読むといったりします)ながら丁寧に精読していってください。丸覚えしても意味がありません。この勉強は図形問題で特に有効です。
※余裕がある方は難しい問題の時に必要になる知的腕力の養成につながるので、積極的に証明に取り組むのをオススメします。
*毎日触れる
→特に苦手を克服するまで、できるようになったと実感が持てるようになるまでは、毎日やり続けてください。本当に身につける気がある勉強は、数日で付け焼き刃的にするものではなく、少しでもいいので毎日続けるものです。できるようになったと感じる前に辞めてしまうと、せっかくのそれまでの努力が水の泡になってしまいます。そうならないためにも毎日触れるようにしてください。
※きつい時は計算問題だけでも触れるようにしてください。
※勉強自体を習慣にしてもらうといいです。
※もし挫折してしまったら、復帰する時は必ずつづきからしてください。毎回最初から進めていては結局似たような所で挫折してしまい、一向に前にすすみません。よくある日本史現象です。
*実力を維持する勉強と、実力を上げる勉強があることを意識する
→よく浪人生は成績がのびないというのを聞くのではないでしょうか。それにはもちろん単純に勉強していないという場合も含むのですが、大抵は実力を維持する勉強で手一杯だったというケースが殆どです。学力はメンテナンスをしなければみるみる減っていきます(一つの証拠として大学生になれば使わない知識以外吹っ飛ぶ人が殆どです 特に化学)。そして実力を上げる勉強というのは性質上、この勉強をした上でしないといけないので、余力がなければこちらまで手を回すことができないのです。現役の時に学力が高い人ほど、維持する勉強が多いので実力をあげる勉強に時間を割きにくいです。この二種類あることが理解できておらず、上げる勉強ばかりしていると直前期のスランプや、伸び悩み、簡単な問題でポロポロ落とすという事態に陥ってしまいます。こういった性質が勉強にはあるので、勉強を進めていく時はただ前に進むのではなく、来た道を振り返り知識を維持する勉強も忘れないでください(前だけでなく後ろも見よです)。
※直前期に簡単な問題が解けなくなるという現象を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。それはこれが原因です。
*基礎と応用を往復する意識を持つ
→基礎というのは基礎的な問題をしているだけでは固まりません。なぜなら基礎的な問題とというのは、大抵の場合学習者に合わせて調整が行われていて、カンや間違えた考えでも辿り着くことができ苦手が発見しにくいからです。したがって、応用問題を通じて基礎を固めていく必要があります。概念同様、基礎は他の単元を学んだり、新しい概念を学んだり、難しい問題を解いたりするなかで少しずつ固まってくるものです。応用問題であればより質の高い理解が求められるので、基礎の抜け漏れにきづきやすいです。そのため、応用問題を解いて基礎立ち返る、そしてまた応用問題に取り組むという、基礎と応用を往復する意識が大切になってきます。自分で基礎と繋げる意識がないと、結局結びつかず独立したものになってしまいなかなか基礎が固まりません。
*どんどん書き手を動かす
→本番沢山書くのですから、普段から沢山書く練習をしておかなければいけません。普段から練習していれば自然と解答のスピードは上がっていきます。わかったこと、わからないこと、ポイントをどんどん書いていきまょう。わかったことやポイントを書く事は本当にわかっているかのチェックになりますし、わからない事は明確にすることで対処がしやすくなります。いいことばかりです。書くことをケチらずどんどん書いてください。
※もちろんスピード対策で記号を使うというのもあります。
※ずっと勉強していなくて久しぶりにシャーペンを持ったら上手くかけないという経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。人間できてたことも使わなければすぐに廃れます。
※手が疲れないように軽く握る癖をつけておいた方がいいです。三森先生の受け売りですが実践してから大分つかれにくくなりました。
*知識を整理する習慣をつける
→同じこと、似てることは圧縮、違うことは明確に区別、メインとサブを意識、原則と例外の意識、情報の一元化、一つの知識に沢山知識をぶら下げるなど、知識の整理の仕方には様々な方法があります。どんな方法でもいいので知識を整理、圧縮する習慣をつけてください。数学だけでもかなりの量がありますが、大学受験は数学だけではないのでより沢山の量を暗記しなければいけません。そうなるとただ漫然と取り組んでいては一向に頭にはりません。整理する習慣をつけてください。
※これについては記事を書く予定です。
※定石の所で話した後で説明するの内容です。
※暗記≠丸暗記
※前の知識との関連を意識する、要するに他の単元と単元を超えて繋がりを考えるのも有効です。そうすることで、さらなる理解に繋がって内容が統一的に見れるようになり、頭の中も整理されていきます。
*予定は変わる物
→勉強していくうち学力がつき物事の解像度があがり、分析力がついていくのでよりよい方法が分かっていきます。できるだけ最短でいくために修正をどんどん入れていかないといけないので、最初に決めたものとは結果的に別物になることが殆どです。これを聞けば、最初にすることを決め打ちすることがいかに危険かご理解いただけると思います。学力も低い、分析力も低い、そんな状態で考えた最善が本当の意味で最善なことなんて殆どないでしょう。常にスタートとゴールを分析し、計画を修正することを忘れないでください。
*自分なりの勉強スタイルを確立する
→最初の内は勉強法を調べたりすると思います。勉強の基本は上手な人の真似が鉄則ですので、それは悪いことではありません。むしろ必要なことです。しかし、いずれはその段階を卒業し試行錯誤をしながら自分にあった勉強の仕方を確立しなければなりません(守破離)。そうしないといつまでたっても目新しい話題に振り回されて、色んな方法のつまみ食いになってしまい自分に最適化することができませんし、結果が出る段階まで到達しません。沢山失敗経験を積みながら修正を繰り返し自分なりの勉強スタイルを確立していってください。
*最初は本ではなくできれば人から
→どんなに分かりやすい参考書でもわかりにくい所は、理解しにくい所は出てきます。しかし、そういったところでも授業で聞くと案外すんなり理解できたという経験があるのではないでしょうか。それは、授業と参考書では伝えられる情報量が違うからです。参考書では基本的に文字、数字、図だけでしかも紙面の都合もあるので書ける量には限界があります。それに対して授業は文字、数字、図に加え、口頭、口調、身なり、などの新しい要素が加わりますし、紙面の制限も無いので十分な説明をすることができます。加えて、人なので理解度に応じて説明の仕方を調整してくれますし、参考書と違って一遍に情報が提示されていないので一行ずつ、少しずつ理解できるようになっています。こういった違いから授業の方が理解しやすいです。だからこそ特に最初のつまづきやすい時期はできれば人から教わって欲しいです。
※情報が一遍に提示されるか、状況に合わせて少しずつ提示されるかの違いの影響は思いの外大きいです。
*できるだけ早く一巡する
→高校数学の範囲は極めて膨大です。他の単元と比べてみると明らかでしょう。理系であれば数学ⅢCもあるので尚更です。したがって、一つ一つの単元を完璧にしあげて、しらみつぶしにしていくように勉強すると、結局最後まで到達できないということがよくあります。そうならないためにも最初のうちは教科書レベルを目安に固めてもらい、一巡にするのを優先してください。そもそもある内容がその単元だけで完結していることは殆どないので、先の単元を学んでからの方が統一的に見れたり、理解がより深まったりすることがよくあります。最後まで到達できないと限られた方法でしか眺めることができず、結局理解が深まりません。ある場所だけだと深めるのにも限界があるのです。先まで見ておいた方がより幅広い視点でみれ、整理しやすくなり、結果的に頭の中にしまいやすくなります。加えて単元の強弱もつけられるようになります。まずはできるだけ早く一巡しましょう。
※この方法だとヌケが出てきてしまうと思われるかもしれませんが、それでいいのです。抜けが見つかったら戻ればいいだけですし、そもそも勉強に完璧なんて存在しません。冷静に考えると、できる人ほど完璧と言う言葉を使わないのではないでしょうか。できる人ほど自分に対する解像度が高く自分が完璧ではないということがよくわかっている(同じキズでも人より大きく見えている)のです。完璧なんて怖すぎて口が裂けても言えません。もし数学の先生で、数学は完璧だと言っている先生がいれば心配になります(見た事ないのでほぼいないと思います)。
学習者本人が完璧であると思っていたとしても、先生方の視点から見て完璧でないということはよくあります。
※一巡するのか遅くなる理由で、最初から分厚い問題集を使わない方がいいということになります。
*学校の授業やテストを大切にする
→自分が買った問題集や参考書だけでは、定石やその他諸々の数学における大事な思考を使う練習が圧倒的に足りません。鉄緑会のように演習まで確保してくれる状況や、塾で参考書問題集を貸してもらえるような状況であれば、話は変わってきますが、そういいった特殊な状況の人は限られているでしょう。だからこそ演習を確保できる機会、要するに学校が大切なのです。授業中やプリント問題集を使って演習量を確保してください。
学校の問題って簡単だな、先生の教え方下手くそだなと感じるかもしれませんが、そう感じたときこそ、本当にスムーズに澱みなく、素早く解けているか、本当に全部が分かっているのか、自分ならどのように説明するのか、考えてみてください。試してみると意外とこの基準を達成していない、上手くできないと感じることもあると思います。そこが理解の浅い所、工夫の余地が残っている所で成長へのきっかけです。学校の授業や問題集を生かすも殺すも本人次第です。使える物はどんどん使っていきましょう。学校の拘束時間が長いので、いかに学校を上手く利用するかが高校生にとっては大切です。
※結構けちょんけちょんに言っていますが、人間関係の練習だと思って学校の先生とは直接バトラないようにしてください。
※定期テストは弱点発見の場所やテストという特殊な状況でもミスの仕方を仕入れる場所でもあるので大事なものです。
*理解することから逃げない
→数学を勉強していく時に理解できないことにぶち当たることが何回もあると思います。そんな時すぐに放りだすのではなく、色んな手段を使って理解しようと努め、知的腕力を磨いていってください。本番も難しいことに当たり、考える事をしなければなりません。その時支えてくれるのは普段考え続けたと言う経験です。自分がわからないものにぶつかり、しっかりと頭を使い、「なるほど!わかった」という経験を積んでいけば、知的腕力(運用力、理解力、解決力)が鍛えられていき、問題の理解力、定石の運用力も上がっていきます。わからないものに出会ってからが勝負です。
*本番の状況を常に意識して学習する
→本番必要とされること、できることを意識して普段から学習していくことが大切です。そうすることで、最短、最速でゴールにつきやすくなります。普段の学習が本番で活きやすくなります。定規を使わず図形を綺麗に書く練習をする、電卓を使わず計算する、本番と似た解答用紙で練習するなど、練習の時から本番に近づけていなければ練習になりません。練習は本番のように、本番は練習のようにです。
*自分の言葉で腑に落とす
→参考書に書いてある言葉、教科書に書いてある言葉のままで、説明している状態だと理解しているとは言えません。実際説明している文言に自分でツッコミをいれたり、誰かにツッコミいれられたりすると上手く説明できない、もしくはほとんど読み上げただけみたいになる方も多いのではないでしょうか。そのような状態は理解できているとは言えず応用もききません。自分がわかっていることは自分の言葉で説明できます。猿真似するのではなく、自分の言葉で説明できるように腑に落としていきましょう。
※そもそも書き言葉の分どうしても表現が固くなってしまうので必ずしも理解に最適な表現とは限りません。同一人物でも書いている時と、話している時は全然表現が違いますよね。
※これをすることで言語化能力の強化にもなります。
*知識を引っ張り出すことを意識して勉強する
→知識は理解することよりも、使いこなすことの方が難しいです。特に応用の幅が広い数学では顕著です。知識は問われる形で覚えるのが鉄則です。これは数学でも同様です。したがって、普段から知識は引っ張り出す事を前提に学習をしていかないといけません。昨今では時間制限が厳しいものばかりなので、引き出せるだけでなく引き出すスピードも大切になってきています。最終的にはほとんど意識しないレベルまでもっていきたいです。
※理想は無意識です。無思考ではないです。無思考と無意識の違いは説明できるかできないかです。無意識の場合はなぜそうしているのかと聞かれれば時間はかかるかもしれませんが理由を説明することができます。意識化→無意識化の順番です。
*学んだことは使う意識を持つ
→ここを意識するかで一つのことを習得するのに必要な問題数や時間が変わってきます。なぜなら所詮目の前の問題は一つの具体例にすぎないと認識でき、類題を類題として認識できるようになり結局いつも同じことをやっていると実感が持てるようになるからです。勉強ではこのいつも同じ事をしているという感覚がとても大切です。出来る人がこのテーマの問題ってどういうのがある?と書かれてすぐ浮かぶのはポイントがしっかり意識できて、目の前の問題はあくまで具体例という考え方ができているからです。
※未知の問題を既知の問題へと帰着させる姿勢が身につく点も大きいです。
*自分のミスの癖ノートを作る
→ケアレスミスはボーナスステージです。なぜならできない事できるようにする勉強においてここまで楽に、できるようになることもないからです。ケアレスミスが原因で失っている所はすぐにケアする事で正解にもっていくことができます。ケアレスミスが多い人はそれだけ得点ポイントが残っているのです。ミスノートを使って丁寧にケアしていきましょう。これをしていると、解答をしている時に、ひっかけにきてるなーのようにメタ読みができるようになります。
*初学の単元、苦手な単元、参考書では厳しい単元は人から教わる、授業をうける
→苦手な所というのは結局後回しにしてしまって、しないことも多いですし、自分で頑張っても結局克服出来ず挫折してしまうことも多いです。仮に自分でできたとしても殆どの場合時間を食いすぎてしまうことが多いです。そういう場所は授業を受けてできる人の視点、視界を学んでしまった方が圧倒的に効率がいいです。先生のその単元の捉え方、知識の整理の仕方、定石化の仕方、分析解釈の仕方、翻訳の仕方を学ぶだけですっと理解でき、できるようになります。苦手な単元こそ人から教わるようにしてください。
※場合の数確率、三角関数、数列、ベクトル、統計的な推測、複素数平面は授業を受ける恩恵が強い単元です。
※解答の自由度の高い分野は自分で勉強しにくい傾向があります。
参考書問題集の使い方と注意点
参考書問題集の使い方と注意点について述べていきたいとおもいます。他の科目にも通ずる話ばかりです。※19個
*一度に沢山買わない
→特に本屋さんやAmazonで見ている時に要注意です。そういった時は大抵テンションが必要以上に上がっているので、余計な物まで買いがちです。本当にその参考書を今買うべきなのかよく考えましょう。どうせ後で使うからという理由で先に買うのもダメです。なぜなら予定は後から変更するものなので、使わなかった事態が十分考えられ無駄金になってしまう恐れがあるからです。
※ちなみに買った参考書の分だけ学力が勝手についたと勘違いしてしまうのも、一度に買って欲しくない理由です。学力は勉強しなければ身につきません。
*いきなり問題集から入らない
→問題集というのは参考書や授業で事前に学習したと人向けのものです。理系科目で初学にもかかわらずいきなり問題集から入る方がいますが、必ず参考書や授業から入ってください。挫折や理解不足の原因になってしまいます。これのせいで勉強してるのに成績が伸びていないというパターンがかなり多いです。
※理解できているつもりでも、実は他の問題に応用できない形の手順丸暗記になっていることが大半です。
*自分にあってる量、難易度に取り組む
→時間がない人ほど受験校のレベルからいきなり取り組みがちです。受験生全体として授業にしても参考書にしても自分のレベルにより高すぎるものを使いすぎです。そのせいか解説が全然咀嚼できていません。焦ってそうしたなくなる気持ちは理解できますが、解説が理解できず無駄な時間を過ごすだけです。焦らす下から積んでいきましょう。人によっては中学生のレベルからはじめてください。そっち方がかえって早い事も多いです。
※それだと時間がかかりすぎる、量が多くなりすぎると思われるかもしれません。しかし、それが自分の志望校との本当の距離(実際はもっと遠いことが殆ど)です。みなさんが目指す志望校はそんなに甘くありません。目指すなら覚悟を決めてください。
*何周もする前提で取り組まない
→結果的に何周もするのですが、あくまで結果的にです。最初から何周もする前提だと、結局雑に取り組んでしまい理解が疎かになりがちです。そうなると結局なにも身に付かず、ただやったという結果だけが残ってしまいます。一回一回、一問一問丁寧に学習していきましょう。問題集にあるものは選び抜かれた問題なので、それだけのことをする価値がある問題ばかりです。
*目的に合わせて問題集を選ぶ
→勉強では目的意識が大切です。なぜ今その勉強をしているのか、している勉強に対して理由づけができないものは目的意識があるとは言えないです。そして大抵の場合、目的意識ない勉強というのは遠回りをしていたり、無駄な勉強になってしまっていたりことが多いです。する勉強に目的意識をしっかりもちましょう。定石を身につけていきたいのか、計算力をつけたいのか、弱点を補強したいのか、概念を理解したいのか、学んだことを使う練習をしたいのか、様々な目的があります。ここをはっきりさせて学習ください。学習効果がかなり変わります。
※スポーツでも ただ漫然としている状態と、ここを鍛えるだと目的意識をはっきりさせている状態とでは、効果の出方が変わるのと同じです。
*参考書問題集は沢山あっても大丈夫
→同じポイントを何回も使う練習をしないといけないので、最終的にはかなりの冊数が必要になってきます。そしたら心配になるかもしれませんが、メインで使う物と、サブで使う物の棲み分けができていれば別に何冊あっても問題ありません。
※一般の数学の参考書ルートを作らない理由です。多くなりすぎるのです。
※逆に一冊だけで済ませることはほぼ不可能です。理解力も応用力もあると言うなら話は変わってきますが、そういった方はなかなかいないでしょう。下手に絞らない方がいいです。逆に遠回りになります。青チャートに挫折して、文系の数学と言うパターンを何百と見ています。もっと多いパターンは青チャート挫折→基礎問挫折→数学挫折のパターンです。
*参考書問題集を選ぶ時は現物をみる
→動画やAmazonなどで見ているだけだと実際に届いた時に、あれ?思ってたのと違うみたいなケースが起こってしまいます。実際に本屋さんに行き、中身を確認してから買うようにしてください。
※同じ内容を参考書同士比較すると違いが明確になり良し悪しがわかりやすいです。
※一冊を見る時は最低、前半、中盤、後半の3箇所を見るようにしてください。そうすれば実際に使った時に、難しすぎる簡単すぎるという状態を防ぐことができます。体験授業などもできればこの3点を見れるのが理想です。
※合格体験記のものに安易に飛びつかないでください。合格者が印象に残っているものは後半のもので、レベルが高かったり、特定の物にささる物が多く、始めたばかりの人が軸に使うのに向かないことが多いです。ものによっては見栄をはりたいがために誇張して書かれていたり、嘘が平気で入っている(予備校通っていたのに通っていないなど)ので要注意です。ちなみに合格体験記にのっている多くの人は参考書問題集をサブ的に使っています。主は予備校の授業だからです。多くの方はメインとして使うものを探していると思いますので、そこら辺の違いも必ず頭にいれておいてください。
*まずはシンプルな問題から
→最初のウチは余計なノイズが入っていないもの、一つの問題につき一つのポイントしか含まれていないシンプルな問題がいいです。最初からやけに計算が重い問題にしてしまうと、間違えた時に定石が身についていないのか、計算ができないのか自分で判別ができません。複数の定石が入っているものも同様です。間違えた原因が特定しにくくなるので、まずはシンプルな問題から取り組んでください。
*考える時間は状況によって変える
→定石を何も知らない段階では考えても仕方がありません。無から有は生まれません。天才の真似をしないでください。凡人には凡人の戦い方があります。人間そんなに賢くできてません。何も知らない時は解説をすぐ見て理解し、抽象化や次似たような問題に出会った時に解くために必要なことを特定することをし、再現することに重きをおいてください。逆に定石を少しでも知っているなら、定石を使い解説を見る前に少しでももがく練習をしてください。
※知っている段階で分からない時は、解説を見る前に方針やヒントだけ見て再チャレンジするというのも有効です。とにかく考えて頭に汗を書いてください。
*問題の仕分けをする
→できないことを効率的にできるようにするために、問題集を◯×△に仕分けをして欲しいです。そうすれば、優先順位をつけれるので効率よく弱点を補強できます(受験勉強は制限時間があるので優先順位をつけることが大切)。テスト前に×の所を集中的に復習したりと、状況に応じて使い分けもできるようになります。できることばかり繰り返していても意味がありません。できないことを集中的に潰していきましょう。勉強はできないことをできるようにすることです。
※このように1周目の段階から二周目を意識して勉強しておくことは効率的な勉強をする上で欠かせません。
*解説の大枠の構造と全体の流れを意識する
→答案を作り始める時、解説を読む時は、どういう流れで解答を進めていくのか大枠と全体の流れを意識してください。これを意識すると本番でもゴールを見失いにくくなり、スタートからゴールまで到達できるようになるので、長い解答を自然と自分で書けるようになります。
※定石化しておくと、思考を省略できるのでこの大枠の構造が把握しやすくなります。
※解答を書く順番と思考の流れは必ずしも一致しないことに注意してください。
※難しい問題であるほど、呼吸が長い問題であるほどこの大枠の意識が大切です。
*問題の解き方を丸暗記しない
→同じ問題は2度とでません。しかし、似たような問題はいくらでも出題されます。これは化学では顕著ですが、数学でも同様です。似たような問題も解けるようにするために、問題を解いた時は解く手順を丸暗記するのはやめましょう。それではその問題は解けるようになっても、似たような問題はいつまでたっても解けるようになりません。そういった程度の低い勉強はやめましょう。
※ここでの似た問題とは同じポイント、定石のことを指しており、数値が変わった物という意味で使っていないのでご注意ください。
*スタートの仕方と、スタートからゴールまでの辿り着き方の動機と理由を明らかにする
→問題を解く時、解説を読む時は0から1, 1〜10までの段階で理由と動機を大切にして欲しいです。なぜそう立式するのか、なぜそう式変形するのか、何が目的で、何が欲しくてそれをしているのか、なぜその操作がしたくなるのかなど、数式以外の情報を深掘りする習慣をつけてください。ここを誤魔化すと応用が効かないものになりますし、いつまでたってもフワフワ解いていることから脱却できません。本番不安をできるだけ少なくするためにも、どんどんツッコミをいれて理屈付け動機づけをし曖昧な所をなくしていってください。問題を見てどう考えれば答えにたどり着けるかを徹底的に考ええください。目の前にある数式よりも、数式以外の情報の方が大事です。処理の仕方、解答の導き方だけ覚えても、理由が分かっていなければ結局初見の問題で再現できません(理由なきもの再現不能です)。応用力をつけるためにも、今言ったことを解答解説に書いていなくても自分で考えて腑に落とす習慣をつけてください。
※参考書には殆ど書かれておらず、授業でわざわざ板書する人も少ない(口頭説明ですます)ので自分が意識を高く持っていなければ、読み流したり、聞き逃したりしてしまいます。
※数学では、解法選択の理由、最初の一手の理由、途中の式変形や記述の理由が特に大切です。
*その問題の持つポイントや注意点を意識する
→特に復習する時です。一度解いた問題はこれを意識しておかないと、初見の問題と違い追憶してしまいます(ex.昔似たような問題でこうしたから、多分こんなことが書いてあった気がする)。そうなると他の問題にいきない形の学習になってしまい、効果の薄い復習になってしまいます。まともな問題に関しては追憶することも考えて作られているので、それだと作問者の術中にはまるだけです。根拠は記憶ではなく目の前の問題です。受験勉強という限られた時間で得点するために、少ない問題で沢山の問題を解けるように学習していくことが大事です。そのために、問題を場当たり的にやらず、ポイントや注意点を意識することが大切になります。
※これに関連した話で、例題と類題の話があります。基本的に例題を解いた後すぐに類題を解いてもしまうと、類題を解く時に間違いなく例題を追憶してしまって素材を潰してしまうので、例題の直後に類題を解くのはオススメしません。それは解けているのではなく追憶してるだけです。人によっては類題を解く時、例題の解答を見ながら取り組んでいる人もいるので、なおさら効果が薄いです。こういった雑な勉強をしていると、応用が効かないので、見た目が異なる同じ定石の問題を解くことができません。
※こういったポイントや注意点は言語化明文化するようにしてください。そうすることで応用させやすくなりますし、わかっているかのチェックにもなるからです。
*別解を大事にする
→別解は色んな角度で見る分その問題をさらに理解できるようになります。定石の使う練習や、検算の訓練にも繋がります。たとえそれが大変な解き方であっても、一度解いた経験があればそれを元に本番の解法選択の判断の基準になるので十分意味があります。苦労した経験があるからこそよりよい方法が選択できるのです。同じ解答だとしても、いくつか浮かんだ方針の中から一つ選択してできたものと、一つしか浮かばなくできた解答では全くレベルが違います。別解を大切にしてください。
※どれが一番いい解法なのか吟味する癖もつけてください。
※できればなぜ本解答にAがきていて、別解にBが来ているのかまで考えられると尚良いです。
※つまった時の方針変更の選択肢にもなるのでとても大事です。
*答えがあっていても解説を読む
→解けても必ず解説を読んでください。たまたま解けてただけかもしれませんし、理解の甘いところがあるかもしれません。かなりめんどくさい解き方、汎用性の低い解き方をしているかもしれません。それにもかかわらず解けたからといってその解説を見ないと、その問題を通して学ぶべきことを学べなくなってしまいます。その問題だけが解けるようになるのではなく、まだみぬ未知の問題を解けるようになるために勉強しているので、必ず答えが合っていても解説を読んでください。
※処理理解→動機理解→解き直しの順番です。解き直しの時に一行一行つまっているような状態なら前の段階にもどってください。
*どんどん書き込んでいく
→解説に書いてある事=(知らないといけない事、その問題で考えないといけない事、学ばないおいけない事)ではないです。
大前提問題集や参考書は内容が殆どがスカスカです。これは紙面上の都合により仕方がないことです。実際必要なことをできるだけ書こうとすると、受験教科書のように何冊もなるシリーズになったり、合格る数学や鉄緑会のテキスト・プリントのようにかなりのページ数になってしまいます。もしくはせか京やせか阪、掌握のように一問あたりの解説が長くなってしまいます。辞書みたいに分厚くなると高校生が買ってくれなくなるので、市販でこれをするのはかなり厳しいです。必然的に解説はスカスカになってしまいます。自力で補強する必要が出てくるのです。したがって、解説を読む時はその問題で考えないといけないことをきちんと自分の言葉でどんどん書き込んでください。自分の言葉でするからこそ、理解が深まり定着しやすくなります。
※スカスカと感じない場合は問題を解く時、解説を読む時に思考しなさすぎです。解く手順以外も考えてください。
※先生に補足説明をされたり、先生に質問しに行ったところは必ずをメモをとっておいてください。そうしておかないと、後で見返した時にわからなくなってしまい、また質問しないといけなくなってしまいます。
※実感が湧かない方は百聞は一見にしかずです。実際に鉄緑会のテキストや小山先生のテキストなどを見てください。解説の質も量も比較できないほど別物です。
※自分が使っている物は自分に最適化していく意識が大切です。そのために書き込みが重要になります。
*次似たような問題に出会った時どう準備しておけばいいか意識する
→高校の勉強は殆ど暗記(本記事での意味を忘れないでください)です。事前に理解して記憶しておかないと、どうしようもないものが多すぎます。それにもかかわらず、受験生の方は場当たり的にその場で考えようとしすぎです(アドリブをしすぎです)。試験中に全て考えると負担が大きいので練習の時に沢山考え、ある程度本番は機械的にできるように意味をつけておく必要があります。そうすれば、本番では設定や題意の理解、よくするミスに注意するだけの余裕が生まれるので、本番の極限状態でも安定した得点が可能になります。数学は事前の準備がとても大切です。あらかじめよくする思考法はセットしておき、その場面に出会った時自動で流れる所まで練習の時に訓練していなければ本番使い物になりません。
*理屈と動機を含めて何も見ずに再現できるようにする
→過去問と違い問題集は学習効果の高い問題ばかりです。必ず理由、理屈、動機、注意点も説明でき、実際に自力で書けるようになる所までしてください。書く時は記述の仕方も学んでいくといいです。
※その問題は通して結局何が聞きたかったのか、その問題は結局何について聞いていたのかという始点も忘れないでください。
*復習は口頭と書くのを織り交ぜる
→手で書いているものだけだと一問一問に時間がかかりすぎてしまい、一つの内容を定着させるにしても、スパンが空きすぎてしまってなかなか定着しません。そこで、書く練習に加え口で説明する練習も取り入れてください。口でなぜその一手目をするのか、なぜその解き方をするのか、なぜそう考えるのか、なぜその式変形をするのか、その操作をする時の注意点は何かを説明していきます。一手目以外は解答を見ながらで構いません。これをすることで高頻度で触れられるので頭にも残りやすくなります。
ただしこれではスタートにハードルがある問題では
大丈夫ですが、スタートからゴールにかけてハードルがある問題では復習しきれているとは言えないので、必ず手を使って解く練習「も」してください。口頭での説明、手を使って解く練習どちらも大事です。
※口頭の方もできれば、少しずつ頭の中だけでできるようにしてほしいです。慣れてくれば公式を頭の中で導出する感覚ですることがでにます。これができていると、問題を見た時の全体像を掴む練習、見通しを立てる練習にもなるので一石二鳥です。
過去問の使い方と注意点
過去問の使い方や注意点について話していきたいと思います。※15個
*「過去問=良問」とは限らない
→過去問は学力を測る物、問題集は学力を伸ばす物です。全く性質が異なります。テキストに過去問が載っているので、過去問が良問だと感じるかもしれませんが、それらは過去問の中でも予備校の先生たちが学習効果の高い問題を長い年月をかけて選別に選別を重ねたものです。物によって改題もしています。普通の過去問とは全く性質が異なります。
※問題集と違うので基本的に全て再現できるようになる必要はありません。ただ解答自体は理解してモチベーションや使われている定石については理解しておいて欲しいです。
※過去問はとても時間を取られるので無駄な時間は極力過ごさないようにしましょう。
※難関大は比較的良問(学習効果が高いという意味で)が多いです。
*早めから過去問を見て傾向を把握しておく
→勉強では目的意識が大切です。そしてそれを正しく持つためにスタートとゴールの意識が重要になってきます。これが意識できないと、無駄なことをしてしまったり、不適切な手段を選んでしまったりしてしまいます。解けなくてもいいので早めに過去問を見て、量や時間、形式、傾向などを把握しておきましょう。勉強の精度がかなり変わってきます。勉強の区切りがいいタイミングで定期的に見てもらうと、問題の見え方が変わって自信を持って普段の勉強がすすめられるようになります。
※難問や奇問に問題の印象を引っ張られすぎないようにしてください。対策の方向性を間違えます。
※早めにといいましたか、解き始めるのは勉強していき定石が身についてからです。学力がついていない状態だと、弱点が多すぎますし、分析もまともにできないので復習しようがありません。スタートするのは状況に合わせてください。別に4月からしないといけないなどの決まりはありません。
※本は結構高いので進路指導室や東進の過去問データベースも参考にしてください。
*こなすことを目的にしない
→過去問をただ闇雲に取り組んでも、診断を繰り返してるだけなので結果が変わる事がありません。大事なのは、解いた後の作戦の修正や弱点補強、勉強の方向性の決定です。20年分やったぜ!と言ってもまともに成長がなければ意味がありません。まして、貴重な診断の機会を食い潰しているのですから、害ですらあります。一問一問を大切にして、雑に解き散らかさないでください。過去問を大量に解かないといけないという幻想から解法されてください。
※これに関連した話で過去問を〜周したというのも聞くと思います。これも同じです。結果的にそうなるかもしれませんが、初めから周回することを目的にしないでください。
*作戦を立て、沢山失敗経験をつむ
→自分の得意、不得意、配点、平均点、最低点を元に、どうすれば得点を最大化できるか考え、制限時間内の時間配分、記述の仕方、解法の選択、計算の仕方、先に解く問題、後回しにする問題、捨てる問題の選別などに対して戦略を練り、それを実際に行い沢山失敗した経験を積んでください。失敗した分だけ自分自身が磨かれていきます。作戦を立て失敗経験を沢山積み、修正を繰り返し、より良いものにしていってください。
※ここで話したことについては過去問の時だけ意識しておいてもなかなか身につかないので、日頃から考える習慣をつけておいてほしいです。
※平均点や最低点には過度な期待はしないようにしてください。
※満点狙いなどの極端な点数戦略は失敗の元です。一問も落とせないという不安から、一つの問題に固執しすぎてしまい大変自体になりがちです。極端な戦略は避けた方がいいです。
※あくまで相対評価なので、必要な点数が変動することも頭にいれておいてください。
*勉強が進んでいる所、よく出る所から対策していく
→いきなり全て解くのは大変です。まずは勉強が進んでいる所、よく出る所から対策していきましょう。そして素材は別に志望校ものでなくてもいいです。志望校に近いものや、一段二段レベルが低い物でもかまいません。
*単元毎ではなく年度毎のセットの練習もする
→セットの練習でないと身についてこないこともあります。必ずセットの練習もしてください。ただし、セットの練習をしたくても過去問がなかったり、問題が古すぎたりすることもあるとおもいます。そんな時は似た傾向の大学や模試の過去問を使ってセットの練習をしていってください。
※同じ問題でも単独で解くのかセットの中で解くのかで全く難易度が変わってきます。必ずセットの練習もしてください。
※セットで練習する時は問題を見た時全体を見通すことを忘れないでください。
*本番にできるだけ合わせ、余白を使う練習をする
→本番練習の時に無制限に書けるわけではありません。普段から本番にできるだけ近づけて練習していきましょう。解答用紙は志望校の形式に合わせてください。実際の解答冊子は無地なので、無地の紙をできれば使った方がいいです。
※解答用紙は調べると出てくることが多いです。
※練習しておかないとけ当日解答が書ききれないと泣きをみることになります。
※共通テストでも余白の使い方は大切です。
*時間を測って練習をし、感覚を身につける 外して練習もする
→まずは時間を測って練習をし、制限時間内での振る舞い方の練習や答案の作成の練習を、時間の感覚を身につけるのと同時にしていってください。解き終わらない場合は、制限時間を外して追加で解いてください。それをすることによって、間違え方の種類が区別できるので、復習の方向性を間違えず効果的に対策できるようになります。時間がかかるけど解ける問題と、どんなに時間をかけても解けない問題では全く復習の仕方は異なります。時間外でも解ける問題ならば、どのように時間短縮をするかを考えなければいけまんし、制限時間を外しても解けないのであれば、自分に何が足りていないのか(解く方向性)、その問題は本当に解けないといけないのか(解かない方向性)と考えなければいけないからです。
※制限時間を外し自分の力を出し切った状態の点数を把握しておくことはとても大切です。
※問題毎に難易度を予想し解説に書いている難易度と比較し、同じになった原因、ズレた原因を考えるとより得るものが多くなります。
*難問にも食らいつく
→よく典型問題を取り切れば、もしくは簡単な問題を取り切れば合格点を取れると聞くのではないでしょうか。では質問しますが、それができた経験がどれだけありますか。殆どないのではないでしょうか。まして本番は極度の緊張状態です。より困難なことは想像に難くありません。この作戦は机上の空論と言わざるを得ないです(こういうことを平気でいう人は本当に試験を受けたことがあるのか心配になります)。したがって、現実的に典型問題はところどころ落としつつ、難問から部分点をかき集める方針になります。そのため普段から難しい問題に出会った時に「解けないー」と投げ出さず、一点でも多くとるんだという意識で食らいついていく意識が大切になってきます。
※もちろん取れる問題を軽視せよという意味ではないです。丁寧に見直しをし確実に取れるよう努めてください。
※世間でよく言われる作戦は自分のレベルに対して、かなり下のほうでしか実現できないものです。志望校のような、まともなレベルではこの作戦は通用しません。
*もがく練習をする
→一定以上のレベルからは方針がすぐに立たない問題も出てきます。そういった問題で戦う力をつけるために答えを何も知らない状態でしっかり考える癖をつけなければなりません。つまってからが本番です。詰まっても何かできることはないかともがき、泥臭く総合点をあげる努力をしてください。
※白紙答案に点数はきません。自分の考えを書いたり、計算過程を書いたりして一点でも多くとる努力をしましょう。計算過程に得点が入る大学もあります。
※考えきった後にヒントやアプローチを見て再チャレンジするのも有効です。
※マークなら何でもいいので必ず全てうめましょう。もがいてください。カンで会っていた時は当然復習します。じゃあ意味がないんじゃないかと思れるかもしれませんが、もがく練習をすることに意味があるのです。定性的な感覚や明らかに入らないものを弾いていけば、意外とあたります。
*なぜ正解できなかったのか、どう準備しておけば次似たような問題を正解できるのか考える
→問題を解き終わったら、間違えた問題に関してはなぜ正解できなかったのか、どこを間違えたのか、どう修正すればいいのか、どう準備しておけば正解できたのか考え、弱点の洗い出しを行い、改善策を考え補強をしていきます。ここをどれだけ丁寧にするかで一年分から学べる量が変わってきます。この時原因が特定できたら、次間違えないように定石、ポイントの抽出や修正を行います。ミスについてはまとめておいて後で見返せる形にしておくといいです。基本の勉強の仕方は過去問になっても同じです。あっていた問題に関しても、正しい思考で辿り着けたか、抜けている視点はないか考え、より良いものへ磨き上げてください。
※点数に一喜一憂しすぎないでください。必要な点数は年度によって変わりますし、何よりも大事なのは目の前の物を分析し、次に繋げようとする意識です。
※共通テストであれば苦手な単元が見つかった時は大門毎に補強していくのがオススメです。
※もし弱点が補強できない場合は他の単元、大問、科目でその分の点数を稼ぐことも考えないといけません。
*復習の時は、問題の選別と普段使っているものに戻って対応づけをする
→まずは作戦を元に、解けた方がいい問題と、解けなくてもいい問題の選別を行っていきます。選別の際、普段使っている参考書問題集も一つの基準になります。載っている問題なら解けないといけないからです。したがって、復習の時は普段使っている参考書テキストを引っ張り出してきて、対応づけをしてください。実際に〜出ててきた書き込みをすると、より意識できまし、普段の復習の時のモチベーションが上がります。それをすることで、結局いつもやっていることは同じなんだという意識も持てるようになります。
※復習の時類題演習をしたい時は他大学の過去問もつかってください。
※過去問だけに取り組んでいる状態は適切ではありません。過去問はチェックテストにすぎません。
*自分の方針を大切にする
→模範解答ばかり目が行きがちですが、それと同じくらい自分の答案も大切です。自分のやり方と解答の方針が異なっていたからといって、安易に解答の方針に切り替えないでください。まずは自分の方針を大切にしてほしいです。その方針のどこで詰まってしまったのか、自分の方針では押し切れないのかしっかり考えてください。ここを怠るとなかなか自分で解答を書ききることができません。
※勉強が進んでくるほど大切なことです。
*記述の仕方部分点の取り方を学ぶ
→解答には採点基準が書いてあるので、そこを見てどういった所で採点がされているのか学んでいってください。まずは自分で採点をして、その後解説と共通点相違点を意識して突き合わせることが大切です。そうすることで、本番でも出題意図や採点基準を意識した答案を書けるようになり、点になる解答をかけるようになります。信頼できる先生がいる環境の人は、実際に採点してもらって、自分とのズレとを炙り出して、採点基準の精度を上げてもらうと尚良いです。
※採点基準をしれば、部分点を取りやすくなりますし、減点される答案も避けることができます。
*解かないといけないと判断した問題は再現できるようにする
→間違えた問題で解けないといけないと判断した問題は、ポイントや定石、動機、理由注意点を意識した上で解答を再現できるようにしてください。記憶をたどるような復習の仕方、追憶では意味がありません。
共通テストに関しては追加で以下の3点を意識して学習していってください。
・まずは大門毎に解いてどのような問題が出題されるか把握する
※最近の共通テストは傾向がブレてきているのでほどほどにしてください。
・IAをとく
・時間制限を厳しめにする
→マークをする時間がありますし、本番は普段よりも時間がかかってしまうので、時間制限を厳しめにして練習しておいてくだしい。間に合わないうちは当然制限を外した状態もします。
想定質問
・学習のスタートは教科書がいいですか?
→いいえ 教科書は教師の解説がありはじめて完成するものです。そもそも単独で使うことが想定されていません。単独で使うことが想定されている参考書を使いましょう。
・なぜ数学の参考書ルートを作らないのですか?
→参考書だけで必要な事を集めようとすると、膨大な冊数が必要になってしまいルートとして体をなさないからです。
そもそもレベルによっては参考書だけで必要なものを集められません。
※共通テストに関しては作っています。
・抽象化が上手くできません。どうすれば上手くできますか?
→本記事の目次から該当箇所に飛んでください。
・別解も見たほうがいいですか?
→本記事の目次の参考書問題集の使い方と注意点から該当箇所に飛んでください。
・前に学んだ内容を忘れてしまいます。どうすれば覚えていられますか?
→口頭チェックと知識を整理する習慣をつけましょう。
・いい授業か悪い授業かはどう判断すればいいですか?
→解法選択の理由、解法の使い分け、最初の一手や式変形の理由、困った時の対処法、注意点、式の意味や解釈を説明しているか、要するに答案に直接でないことについてどれだけ説明しているかです。答案にでるようなことしか言っていないなら、問題集でいいのでわざわざ授業を受ける必要がありません。今は格安サービスやYouTubeがあり沢山授業を比較できるのでよく比べてみてください。
・数学ができる人とできない人の違いは何ですか?
→本当に多くの違いがあるので、絞って挙げると答案に出てこない所をどこまで把握できているか、間違いさせたい所や山場を把握できているか、その問題を通して何が聞きたいかを把握できているか、大きくこの三つです。
・公式が覚えられません。どうすれば覚えられますか?
→公式の意味、他の公式との関連、公式の導出の仕方を考えてみましょう。大抵のものは問題で実際に使いながら自然に覚えていく物なので、単純に使っている回数が少ない可能性が高いです。
※難しい物に関しては概形だけ覚えて頭の中でサッと導く形なると思います。和積、積和など
・理解できない解説に出会った時どすればいいですか?
→本記事の目次の学習する時のポイントの所から該当箇所に飛んでください
・解説は理解できるのですが、自力で解法を出す事ができません。演習量不足ですか?
→いいえ 学力不足です。仮に演習量不足が原因ならすでに沢山の問題を解いてきているはずなので、その状態に陥っていないです。すぐできない理由を演習量不足で片付ける人が多いですが、そのような頭を使わない血の通っていない勉強では、いつまでたってもできるようにはなりません。自分で言ってても抽象的すぎて結局どうすればいいか分からないのではないでしょうか。だからこそ方法に自信がもてず質問しているのでしょうが。そのような状態では根本的に解決することは難しいです。何度も言いますがそれで解決するなら誰も数学、しいては勉強にこんなに多くの人が苦労していません。中学生レベルの雑な思考をやめましょう。明日からまともな勉強をするために本記事をよく読んでください。
※そもそも解説が理解できるのは当たり前です。さほど難しいことは言っていません。理解できなれば余程レベルがあっていません。しかも、理解できていると言う方は大抵の場合、処理しか理解していないことが多いです。本当に動機や理由、注意点、意味についても説明ができますか。それらを言えなければ理解しているとは言えません。処理だけ理解しても応用が効きません。処理が理解できるようになりたいなら計算ドリルでもしておけばいいのです。そうではないでしょう。強くなりたければ弱点に真正面から向き合い、それを冷静に分析し、徹底的に潰していくしかないのです。大事な若い時間を雑な勉強に浪費している場合ではありません。そんな手の運動のような勉強をするぐらいなら、勉強なんてしないほうがましです。貴重な時間の浪費でしかないです。
・わからない問題はすぐに解説を見てもいいですか?
→本記事の目次の参考書問題集の使い方と注意点から該当箇所に飛んでください。
・共通テストの直前期数ⅢCはするべきですか?
→志望校によってする度合いは変わりますが、基本するべきです。
・良問とは何ですか?
→ある内容を身につけやすい問題、ポイントが複数入っている問題、ポイントを使う練習に適切な問題、受験生の良くミスすることが入っている問題、ノイズの入った実践的な問題など、複数パターン考えられます。その人の状況によって、良問は変化するので一概にいうことができません。
与太話 問題との向き合い方
どうやって問題と向き合うべきかについて、概略を少し触れておきます。実験すると一口にいっても、実験の仕方、観察の仕方、一般化の仕方など奥が深いです。これと同じように簡略化して書いているものが他にも多数ありますが、一つ一つ説明していくとかなり長くなってしまうので、本記事では本当に概略だけ述べていきます。
※別記事でもっと本格的に特化した物を書く予定です。
①理解
まず問題を見たら最後まで目を通し、誘導に乗りやすくするために小問毎の関係を考えた上で、スタートとゴール(何を求めるのか)を分析し情報と定石を引き出します。主に分析対象は、特徴的な式、図、日本語、状況です。同時に対称性の有無も確認します。スタートからはどうスタート(立式)できるのか、ゴールからはそれを求めるためにはどうすればいいか、何が必要か、どんな式が立てられるかも考えます。必要なものがわかったら、その中で分かっているものは何か、分かっていない物は何かも特定します。
※小問毎の関係を考える時は、誘導の典型パターンと日本語、なぜその問題を解かせているのかを前からと後ろから両方考えると掴みやすいです。
※情報を引き出す段階で補助線を引いたり、図示したり、実験したりします。
②計画
この分析結果を元に、その問題の属しているテーマは何か、タイプは何かを判別します。その後、式がなければどのように立式できるか、求めるために必要なのに分かっていないものはどうすれば求められるかを考えた上で、使える手法を特定しできるだけスタートからゴールまでの道筋を複数考えます。
※慣れないうちや練習の時は方針を実際に書き出すのも有効です。
③実行
その後その中から方針をきめ、全体像や大枠を意識してから立式します。ゴールは何か(何を求めないといけないのか)、今自分は何をしているのかを意識し続けてゴールまで進めていきます。
何を求めるのか、何をしているのか意識しておかないとゴールまで辿り着くことができませんし、おかしなことをしていることに気づくのが遅れます。数学の問題は難しくなればなるほどスタートとゴールまでの間が長く、二つの意識をもっていないと結局どうすればいいの?何をしてたのかな?と迷子になってしまいます。
※解法が複数ある時は特殊性の高いものを優先します
※そもそもスタートが同じでもゴールの立て方が違えば、解答はいくらでも変えることができるので、両方とも意識することが大切になります。
〈解いていて雰囲気がやばそうな時〉
一旦問題文を読み直して読み間違えていないか、見落としはないか、立式の仕方は合っていてるか、工夫できないか確認します。この時方針の変更や他の問題、次の問題を解くことも検討します。特に見落としや間違い、変更のしようがない、工夫できない時は腕力でねじふせにいくか、他の問題、次の問題に行くことを考えます。純粋に計算が重いものもあるので、問題を解いていく中で立ち止まるべきものなのか、そのまま進めるべきなのかのラインを身につけていってください。このラインについては個人や志望校によるので一概に言うことができません。
※小問同士は多くの場合(特に証明問題や数学ⅢC)誘導ですが、独立している問題もあります。(1)が解けなくても次の問題、その次の問題を解くことを忘れないでください。証明問題であれば事実を使って先の問題を解いていけばいいです。
④検算と妥当性の確認
最後に検算、よくするミスをしていないかのチェックをします。
※後からミスを発見するのは難しいので、できれば③の段階からよくするミスの所、不安な所だけでもその場で確認しておきたいです。
※本番いきなりできないので、普段から答えを見る前に検算し癖をつけておく必要があります。
以上が問題との向き合い方になります。
問題という概念全般について扱っているものもあるので興味がある方はのぞいてみてください。
読んでくださりありがとうございました。受験生の参考になれば幸いです。スキを押してもらえると励みになります。