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くじらの瞳
2024年5月9日 22:38
木漏れ日の五月緑の坂道を少年の自転車風となる花終わりみどりの種、藤見上げれば残り香の風と五月晴れクローバーの柔らかで長く伸びたそよぐ手に包まれ寝転んで少女らは シロツメクサの花束片手に蝶々になって駆け回る五月の楓木洩れ日きらきら小さき青葉の星空まぶしい風にとかした長い髪耳まで切ってきみを待った日の潮騒聞く青嵐花水木をさらりとさらって新緑を揺らしこいの
2024年4月25日 07:28
【短歌三首・俳句八句】テクノのリズムが雨の春夜に響きしワイパーとウィンカー道標点滅たゆたゆと川の流れにわれも乗りたどり着きたいきみのほほ笑み春の闇霧霞あい色のまま傘ささずぼんやり立つ灯り気がつけばフキの傘葉と春の雨縁側を綺麗に拭いて緑の風根っからタンポポ綿毛の風来坊チャポチャポと水の音あるく吾も水温雨にめだか波紋の輪の中に隅々まで陽に青葉夢明けゆく桜散り
2024年4月20日 14:22
【短歌六首・俳句四句】楓(ふう)の実達に雨染みて存在際立ちマックロクロスケ低山に登りし幼心を納め山頂にて新しく生まれたいお茶しましょうと春草萌にスズメ達、タンポポ達のはしゃぐ声森で出逢いし乳白香ロシアンオリーブの花はきみのかほりイチョウの梢艶若葉の手を繋ぎ小さな恋の物語望むのは多種多様誰もが開ける扉を持つ世界で生きたい散ってなお蜘蛛糸に架かる虹桜陽水に輝き
2024年4月9日 08:27
足音無く雨音響く野道ゆく雨が這う泥土の田から底力波打ち際泡となれば夏雲へユキヤナギ雨粒抱いて散る姿どんぐりの帽子に溜まった水はどこあめあがり雨粒写す丸眼鏡草露映る空と清きあの人クモの巣が雨粒編んで宝石か大樹こぼれる雫は点眼福雨木肌濃く美しき年輪の朝顔の閉じた花びらインク染み濡れ落ち葉腐りてかえる肥えた土手洗いニット産毛の香に深呼吸白い頬染まる血潮
2024年4月7日 11:49
【現代短歌十首】滑り台風の魔法に魅せられたあの頃のようなきみの笑顔幼子帰るよ滑るのさいご階段登る瞳母映さず赤い車 夕暮れに帰るウィンカー運ばれし大切な母子アスファルト白く光らせ常夏の君が春に見る夢はうつつ氷に炭酸サクラ波シュワシュワはじけて君の頬トランシーバー途切れ途切れの声でも耳をすましてくれる君に届け垂れさくら 菜の花の頬に触れ黄色の微笑
2024年3月31日 18:52
【現代短歌九首】大切な思いは歌に閉じ込めて壊れぬよう流されぬよう切なさのカミナリが落ちて避けるすべなく青く光った春の雨朧気に昼間の上気に霧がかり熱ざえゆれる弥生月猫柳淡雪桜の夕空に白くか細く歩く人よ白い三日月夕日は沈む見上げて今われ浮舟にのりたし愛が実る歳月の風は優しい手真っ赤な頬にふれるよな舞うように見上げた星月明日になれば地に降りて生きていけ
2024年3月25日 17:15
【現代俳句、川柳15句】小宇宙あなたの傘の中の春風の声小雨降る春もや散らししくじりは春草苦しゴマをする新学期もう駄目だホンマに嫌やし片隅の半陰に咲き春寒し保健室先生だけに会いに来た間引くなら正面切って風切って舞うおたんこナスカボチャも美味しく炊かな川の橋誰かを追って叫んで氷雨線香の細い煙に刺さる雨曇天へ豊の卒業熱唱し恋はみずいろを流して永らえてお
2024年3月24日 21:37
夕凪の草萌は春雨に薫る葉にゆれる木漏れ陽は深き目覚めの皺枯の葉の先にも青き新芽バケツに溜めた陽水と言の葉枯野にみどりの風と鳥のさえずりトサミズキ薄黄緑の鎖樋(くさりとい)蝶の舞誘われてみる春の風眠りつく雨音は春の足音アイス溶けお日様と食べた縁側遠き春川の流れの冷たさよ春待つ夜花びら落ちて凛と立ちサヨナラを忘れ名草に忍ばせた遊びの終え方おそわりし夕陽に
2024年3月3日 17:09
ラピュタパン君と食べたい仏蘭西のモン・サン・ミッシェル潮の満ち引き凱旋門 ベルサイユ宮殿より朝の古市 猫との暮らし君と二人でオープンカフェテラスより奥の席でゆっくり話そう本場のバゲットの美味しさに目を輝かせて微笑む姿をよく噛みしめるパリの白い地下道にある土佐のうどんやうどんの白さにほっと一息観光地から離れた駅の砂浜は裸のカップルボーイズラブ貿易の街マルセイユ駅
2024年2月10日 21:29
朝焼けの光の眩しさ両目を閉じて前に進むあなたを傷つけるからとエゴ見せて心を隠す涙雨傘こんな愚かな恋心お月様優しく照らしてくれますか?気が付けばこの胸に響く歌あなたの声がこだまするただいつまでも聴いていたいそれだけでいいと誓った淡い光差す 朝靄の空に声聴きたい あなたの無事が産み出す奇跡真っすぐなあなたの歌に励まされただ涙 「アリガトウ」とまた 涙
2023年9月16日 12:03
短歌十六首つくつくぼうしの潮騒が夕日に溶ければ夜波が満ちてリンリンへ高い雲に夢をのせた夏が散り末広がりに泳いでいける秋の朝 目覚て不思議と澄んでいてただシンプルに笑っていたよほっとする静かに静かにただ君を愛していける秋が好き湿った落ち葉が月夜に光れば伏せた瞼にそっと口づけ鏡に影は写らないけれど君は確かにここにいてくれるきみといる忘られぬ恋しい人の面影ご
2023年9月9日 23:35
花いちりんこの一瞬の静けさに占う心はざわめくよ
2023年9月7日 21:59
短歌十三首心もとなさを流した昨日迷いがなくなる自分に会いたく君の歌に新しい口紅を貰った気持ちで鏡をみるよ今日何を食べる?なんて会話が一番輝く言葉に思えて積み重ねていくものに同じ目をして信じていけたら進める鉄の扉恋の熱を冷ますのに頬あてて熱帯夜も適温出会ってしまった愛してしまった星が悲しいほどに輝いて優しくなりたい手を繋ぎたい宇宙の彼方から聞こえるような隣り
2023年8月31日 21:21
短歌十首風を受け羽織はためき悠々と鼻歌うたえば涙忘れ涙色の宝石を君に貰ったキラキラ光って泣かされて子供のこころで夢をみてあの頃の様に夢を形づくるよ親愛なる君とわくわくする未来を造るポケットを持っていたい野の花も光る魚もアメンボも生まれ変わるときまた会いたいさかなの頃までさかのぼり君のところまでただ泳いでいけたら夏終わる海のアウトラインを自由に泳いで砂浜に埋