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約60社落ちた私による「就活体験記」⑨(最終話)/ 2年目の就活

前回の話はこちら▼

⑨2年目の就活

今回は、私が会社を辞めさせられた後の、2年目の就活について書いていこうと思う。


2年目の就活では最初、新卒の就活で申し込むか、転職サイトを使って中途で申し込むか、でものすごく悩んだ。
もう大学も卒業していて一回就職もしているのに、「新卒」とは言い難いし、
1ヶ月半しか働いていないのに「転職」と言うのもなんか違う。

迷った結果、私は新卒の方で申し込んでしまった。

前の年と全く同じ就活サイトの、次年度の新卒枠で申し込み。
新卒の就活はやり慣れているので、始めるまでのハードルも低かった。
時期的にもちょうど新卒にギリギリ間に合う時期だったのもあり、もし新卒の方で全部落ちたりうまくいかなかったりしたら、その時は途中から転職サイトに変更すれば良いかな、と思っていた。
(新卒は時期が決まっており募集が終わってしまうが、転職は年中いつでも募集しているイメージ。)





私のように、1年目にもう転職をしたい!という方がいるかもしれないので、一旦新卒の就活と、既卒の転職活動の違いを書き出していこうと思う。
・新卒の方は基本的に4月入社
 転職の方は、内定が決まり次第、その次の月など早い段階で入社可能
・新卒に比べて転職は全体的にスパンが短い。(面接のスパン、内定をもらってから返事をするまでの期間、入社まで、など)
・新卒の方は学生時代に力を入れたことをアピールできる。
 転職だと前の会社での仕事内容を聞かれたり、スキル面が求められるイメージ。

大体こんな感じだと思う。





私は前の会社に1ヶ月半しか勤めていなかったので、中途の方で申し込んだとしでも、自分のスキル面や前の会社で出した成果などをアピールすることができない。
しかし、新卒の方ではガクチカや自分の人間性などだけでアピールすることができる。

また、中途の転職よりも、新卒の方が会社説明会などもしっかりあるイメージだった。
自分的には、その方がありがたいなと思ったことも、新卒の方で申し込んだ一つの理由である。






新卒の求人では、「既卒者OK」と書いてあるところも多かったので、そこを中心に申し込んでいっだ。
書いていない会社には、説明会の際に既卒でも大丈夫かを聞き、大丈夫だと言われた会社にのみ申し込んだ。

しかし、ここに一つ落とし穴があった。

私はてっきり、一度就職をしていても「既卒」の枠に入るのかと思っていたが、一度他の会社に就職している場合は「既卒」ではなく「第二新卒」と言うらしい。
なので、「既卒OK」と書いてあっても、就業経験がある人は募集していない、という会社も存在した。

私は、せっかく対面の説明会に行ったのに、その場で質問をした際に「就職経験がある人は募集していないので」と言われてその場で帰らされてしまった、といったこともあった。

新卒で申し込んだ際には落ちたが、中途採用が始まった際に改めてメールを下さった会社もあった。

なので、一度就職をしている場合は転職の方で申し込むか、新卒で申し込む場合は事前にメールなどで、就職経験がある人も募集しているか聞いておくことが大事だと思う。



新卒の方だと、就職経験がある人は募集していなかったり前職や辞めた理由について自分から説明をしないといけなかったり他の面接者や内定者とのギャップが出てきてしまったりする。
そういった面は、新卒枠で申し込むことの難点のようにも感じた。



私のような状況の人は、新卒と転職どちらも使えると考えれば幅が広がったという考え方もできるが、使い分けが難しいとも感じる。






2年目の就活では、1年目の就活よりかなり楽だったように感じる。
前の年に受けていた会社や気になっていた会社などを、全てメモしておいたおかげで、同じところを受けたり、似ている業界の会社を受けたりすることができた。
また、自己分析業界研究ESの内容(ガクチカや自己PRなど基本的な項目)を考えること、などは一切必要なかったので、就活にかかる手間が段違いだった。

その分、その年は面接対策などに時間を割くことができ、それが成功に繋がったようにも感じる。
前の年よりは、面接での「喋る練習」の方に時間を割くことができたため、面接もだいぶ通りやすくなった。

また、去年ESなどに時間をかけすぎていた、募集時期の早い大手の企業などは、2年目の就活を始めた頃には大体募集が終わっていた。
そのおかげで、倍率が高くて通りづらい大手に時間を割くことなく、比較的通りやすい中小企業の対策の方に集中できたのも、結果的には良かったと思う。


1年目の就活に追加で必要となってくることとしては、
前の会社の事業内容業務内容辞めた理由などを話せるようにしておくことくらいだと思う。

中でも私が苦戦したのは、「辞めた理由」をどう話すか、だ。
私の場合、事実としては「辞めさせられてしまった」だが、正直に辞めさせられたと答えるか、「自分から辞めた」ということにしておくか、どちらの方が良いのだろうか。
このことについて、ものすごく悩んだ。

「辞めさせられてしまった」と言うと、すぐに辞めさせられるような問題アリの人間だと思われてしまうし、
「自分から辞めた」と言うと、それはそれで仕事を長く続けられない人だと思われてしまい、うちの会社に入社してもすぐに辞めてしまうのかな、と思われてしまう。

結果的に、私は、「辞めさせられた」と正直に言うことにし、辞めさせられるまでの流れも、なるべく正直に、事実を述べることにした。
(この内容はなるべく言わない方が良いな、と思った部分だけは隠しながら)。

私の場合、
「5月中旬頃に体調を崩し、5日間ほど休みをいただくことになりました。研修で教えた内容が身についていないから、休みの期間に復習してくるようにと上司に言われ、私なりに復習や勉強を行ったのですが、それが会社の求めている内容とは違ったようで、休み明けに出勤したその日に退職届を渡され、退職するように言われてしまいました。」
「ちなみに、もう1人同期の方がいたのですが、その方も私より先に退職に追い込まれてしまっていました。」
こんな感じで話していた。

事実を話してはいるものの、なるべく元会社を責める言い方はしないようにし、「自分は悪くない」という言い方もしないようにすることで、乗り切っていくことができた。

また、私の場合、
「出勤したその日に退職届を書かされる」
「同期も先に辞めさせられている」
という事実があることで、「会社側がやばかったんじゃないか」「この子に問題があるわけではないんじゃないか」と思ってもらうことに成功した気がする。
なので、むしろありがたかった。





私は、1年目の就活では、「面接で話す」ということ自体に慣れずに落ちまくって、2年目は色々とやらかして落ちまくってしまった。

2年目は、遅刻してしまい、謝罪メールを送り忘れて、最終面接直前で落ちた企業や
ESに職歴を書き忘れてしまったり、一次面接では前の会社を辞めさせられた理由を言わなかったのに、最終面接で初めて言ってしまって落ちた企業があったり。
我ながら最悪だと思ったし、これによって、ものすごく病んだ。

話すことに慣れていなくて落ちたのは、私にはほとんど落ち度はないと思うし、そんな「話し方」とかで落としてくるような会社なら別にいいや、と思えるのだが、
単純に自分のミスややらかしで落ちた企業は、何も言い訳はできないし、自分がいかに常識のない社会不適合者か、ということを突きつけられた感じがして、本当にメンタルがボロボロになった。

また、この時期に就活の相談をしていた先輩から、面接の度に毎回企業にお礼メール送っていた、ということを聞き、
一度もそんなことをしたことがなかった自分は、所詮企業への志望度はそのくらいだったんだな、お礼メールを送るほどの熱意も本気度もなかったんだな、と思ってしまって、それでさらに病んだりもしていた。



2年目の就活では、次で最終面接だし、これまでの選考の感じからしてもう内定が出そうだな、と思っていた企業が2社あったのだが、
その2社は、先ほどのやらかしなどによりどちらも落ちてしまった。

その2社は、まだ内定が出ていない段階で、どちらも受かったらどちらに行こうか、ということを真剣に考えていた。沢山の項目を書き出してすべて数値化とかまでしていたくらいなのに、結局どちらも落ちてしまったので頭が真っ白になった。

やっぱり、選考で良い段階まで行っていても、内定が出るまでは、出た後のことを考えないようにするのが、心を守るための最善策かもしれない。



私は最終的に、1社内定をいただくことができた
1年目の就活では43社も落ちたのに、2年目は17社しか落ちておらず、
1年目の就活では約9ヶ月も就活をしていたのに、2年目は約2ヶ月で内定をもらうことができ、
自分の成長のおかげなのか、就活への慣れなのか、たまたま運が良かったのかはわからないが、本当に嬉しかった。



内定をいただいた時点で選考に進んでいた他の企業は、
内定先よりも志望度が低い会社は、こちらから次の面接のお断りをし、内定先よりも志望度の高い会社のみ、引き続き受けていった。
しかし、それ以降に受け続けた会社はすべて落ちてしまったため、内定をいただいた会社に入ることを決意した。



私がこの時点で思ったのは、内定先には内定承諾書の締切があるため、その締切以降に他の会社の面接を受ける場合、すごく気まずいな、ということだ。

一度内定承諾書を出したにも関わらず、後から他の会社の内定をいただき、辞退するのは気まずいし
だからと言って、「まだ他の会社の選考を受けているのでもう少し待っていただけますか」と言って、なにかあって内定取消とかにされたら、そして他の会社にすべて落ちてしまったら、もうそれこそ行く場所がなくなってしまう。

私は、1年目はもれなく落ち続けたから良かったし、2年目の就活でも1社しか内定が出なかったから良かったものの、沢山内定が出るような人は、そういった面でものすごく大変だな、とも思った。



また、2年目に受けた会社の中には、選考フローに軽い研修のある会社もあった。


軽い研修があった会社のうち1社は、1週間ほどの長めの研修期間があり、ちゃんと時給も出るので、アルバイト的な感覚だった。

その会社は、仕事内容も自分がやりたいことまさにそのものだし、給料や待遇もかなり良かったのだが、会社自体が体育会系で、研修初日は挨拶の仕方やマナーから教え込まれる、といった感じだった。

「上長」と呼ばれる立場の人に、私が自分から挨拶をしそびれてしまった際や、研修始まりたてでやるべきことがわからず、手が空いた際に突っ立っていてしまった際などに、その人から直接注意されるのではなく、私の「指導係」的な先輩を通して、「上長から〇〇って注意されたから気をつけてね」という言われ方をした。

私は、どんなに仕事内容や給料が良くても、この「the・体育会系」な雰囲気に馴染むことができなかったらストレスで仕事を続けられないだろうな、と思ったし、
その会社は若手が多く、入社後すぐに辞めてしまう人も多いイメージだったので、「もし私がこの会社に入れたとしても、2社連続で入社後すぐに辞めてしまったということになれば、経歴に傷がつき、もうどこにも転職できなくなってしまうな」と感じ、その会社はかなり志望度が落ちた。



2社目は、最初から最後まで全部が対面の面接で、3回目までの面接は通って、4回目の最終面接は、軽く話す程度で終わり、追加で軽い研修まで受けたのに、その最終面接で落とされてしまった。

その会社は、事業内容、会社自体の方針や大切にしている考え方、面接官の雰囲気など、すべての面において完璧で、2年目に受けていた会社の中では圧倒的第一志望と言っても過言ではなかったのだが、
最終面接の軽い研修の際に、仕事に対する考え方などのビデオを見せられた後、1社目同様、挨拶の練習や発声練習までさせられた。
この会社も、どこか「体育会系」といえる雰囲気があった。

この2社は、事業内容や会社の方針、待遇などはものすごく良く、もし入社することになったら仕事へのモチベーションは絶対に保てるだろうし、やりがいもあって毎日楽しいだろうし、充実しているだろうなとは思ったのだが、
研修を受けた感じの体感で少し疑問を感じるポイントがあったのと、あとは口コミの内容にもかなりボロクソに書かれているものもあり、人によって合う・合わないが極端な会社なんだろうな、と感じた。


この2社と、私が1ヶ月半で辞めさせられた前の会社を合わせた3社は、事業内容は自分のやりたいことそのものだし、仕事へのモチベーションを保つことはできるが、一般的な企業と比べると少し特殊な考え方をしていて、人によって合う・合わないが大きかったり、長く続けるのは難しかったりするんだろうな、と思った。
逆に、無難な会社でも、極端に悪いポイントがない会社の方が、モチベーションはそこまで高く保つことはできなくても、ストレスなく、仕事を長続きさせることはできるのではないか、と感じる。
(学生時代に行っていたアルバイトなどがそうだった。)


これらのことから思ったのは、
良い部分が多い会社よりも、嫌な部分がない会社の方が良いのではないか。
ということだ。



これは、人間関係恋愛も同じだと思う。



たとえば恋愛において、ものすごく自分のタイプの相手で、学歴などのスペックも良くて、自分が望んだものは全部与えてくれるような、一見完璧に見える相手でも、
基本的な倫理観や価値観が合わない、付き合っていて安心感よりも不安の方が大きい、相手にどう思われるかを気にしすぎてありのままの自分ではいられない、などになってしまうと、どう考えてもストレスの方が大きいし、その恋愛は長続きしない気がする。

しかし、全く自分のタイプでもなく、スペックが高いわけでもなく、一緒にいて一切ドキドキしないような相手でも、
基本的な価値観が一緒、付き合っていて安心感が大きい、気を遣わずにありのままの自分でいられる、などの根本的な要素が揃っていれば、それこそが本当の“幸せ”なのではないか。



私は、この「就活体験記」を最後まで読んでくれた人全員に、声を大にして伝えたいのは

「仕事も人間関係も、“良い部分が多い”という基準ではなく、“嫌な部分がない”という基準で選ぶようにしてほしい」

ということだ。

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