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アキの詩集

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2021年11月の記事一覧

言葉の花束ーアキの詩集No.30

言葉の花束ーアキの詩集No.30

1.「遊びを知らない子」

私は
いつも独りで
絵を描いて遊んでいて

時々
隠れて歌ったり
自分とお話ししたりして

幼い頃を
過ごしていた

独りが好きだったから
そういう遊びをしていた

それもあるけれど

本当のことを言えば
遊びを知らなかったから
独りで過ごしていた

私は幼い頃
人の話についていけず
状況やルールが上手く理解出来ず

だから
他の子達との輪に入れないでいた

彼らもそれ

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言葉の花束ーアキの詩集No.29

言葉の花束ーアキの詩集No.29

1.「普段の私達を見せれば良い」

私の働く老健にて
今日は社長が来るというので
朝から事務所がバタバタしていた

あそこが汚れているから
掃除しよう

ここに荷物があると
体裁が良くないから
この部屋にしまおう

施設のお偉いさんが来るからと
出迎える準備で忙しい

確かに
それ相応の対応は必要なのかもしれない

けれども
施設巡視というのは
本来、普段の様子を観察するものではないか?

ならば

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ポエム外伝4

ポエム外伝4

1.「あんなに嫌っていた祖母」

今日の午前中は
老健に入所する祖母の
健康診断の付き添いに行った

今後、特養に入所するため
その提出する書類として
健康診断書を作成するのだ

父と共に祖母と対面
半年くらい
面と向かって会っていない

一度、リハビリ風景を見学したが
家族のことも誰も分からない
会話もつじつまが合わない

でも
何も分からなくなった分
表情が明るくなり
性格も穏やかになった感じ

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言葉の花束ーアキの詩集No.28

言葉の花束ーアキの詩集No.28

1.「命まで流さないで」

止めどなく降る雨よ

どうせ
いつまでも降るつもりなら

世にはびこる
病も一緒に流しておくれ

ただ
生けるもの達の命までは
流さないでおくれ

命を繋いでくれる
恵みの雨で
あっておくれよ

人目線で
自然に物を頼むなんて
都合が良すぎるかしら?

雨が降るのだって
人が呼吸するのと同じ
自然のメカニズムだよね

それは分かってはいても
願わずにはいられない

どう

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ポエム外伝3

ポエム外伝3

1.「道を拓く(歎異抄を読んで)」

最近はまっている古典

昔の人々の感性に共感できるところはあるが
ところどころ突っ込みを入れるのが
癖になっている私

今回は
歎異抄について

浄土真宗の開祖、親鸞が唱える
「他力本願」

歎異抄とは
「南無阿弥陀仏を唱えれば
どんな者でも
阿弥陀様の力を借りて浄土に行ける」という信条について
書き記した書物であり

「仏様の力を借りるのだから
善行を積もう

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言葉の花束ーアキの詩集No.27

言葉の花束ーアキの詩集No.27

1.「どんな仕事も人々の生活を支えている」

私は現在
老健の清掃のパートをしている

毎日
モップや雑巾を持って
施設を掃除する

腕に力を入れて
床を磨き

腰を屈めて
トイレを磨く

トイレ掃除では
付着した糞尿を綺麗に拭き取る

こびりついた汚れは
ブラシで磨く

常に
汚れと向き合い

「暑い、疲れた」と言いながらも
施設内をピカピカにしていく

この仕事は
疲れるし
汚れや臭いと
向き

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言葉の花束ーアキの詩集No.26

言葉の花束ーアキの詩集No.26

1.「心の豊かさを追求すること」

このパンデミックは
私たちに教えてくれた

「あなた達は
利益や合理性ばかりを求めて
心を豊かにすることを
おろそかにしている」と
メッセージを送っている

日本人達の多くは
我欲のためというよりは

真面目に実直に
日々の仕事や学業に打ち込んで

家族のため
社会のためにと
貢献する目的で
利益や合理性を追求しているのだろう

目的を持って
何かを成すことは

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