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スモールステップの力

大きくて遠い目標に圧倒されて今一歩踏み出せない時はありませんか?
目標達成のコツは、小さな一歩を積み重ねる事だと私は思います。
今回の記事では、「スモールステップ」の重要性と、どう使うかについて記述してみたいと思います。

まず、スモールステップとは、大きな目標や複雑なタスクを、実行可能な小さな行動に分解することを言います。これによって壮大で複雑な目標に対する遠い感覚を低減し、着実に前進することができます。

その重要性は複数あると思っています。

・心理的障壁の低減
大きな目標は時に圧倒的に感じられ、行動を起こす前から諦めてしまうことがあります。スモールステップは、各段階を「できるかも!」と感じさせ、行動を起こしやすくします。

・進捗の可視化
大きな目標では進捗を測るのが時に難しいです。スモールステップは、小さな成功を積み重ねることで、着実な進歩を実感することができます。

・モチベーションの維持
500ページある本の読書も全ては1ページ目から始まります。
小さな小さな目標を達成する度に、「次はここまでやろう!」というのが明確になっていれば、ポジティブに行動のモチベーションを保つことができ、次の行動への動機づけを強化することができます。

・柔軟な軌道修正
計画の話になりますが、大きな計画は変更が難しく、状況の変化に対応することは時に難しいです。スモールステップでは、ユニット毎の考え方になる為、各段階で評価と修正が可能です。言い換えれば、PDCAを小さな単位で回すことと同義と言えるかもしれません。

・習慣形成の促進
新しい習慣を自分の中に落とし込むことって結構難しかったりします。そういう時は、小さな行動から始めてみると、効果的に行動を日常に組み込みやすくします。

・リスクの低減
大きな変化を伴う失敗は、時にダメージも大きくなりがちです。スモールステップで「確かな一歩」を刻むことで、失敗してもユニット単位の確実な工程までもどせば良いので、失敗の影響は小さく、軌道修正もしやすく、新しいことへのチャレンジもしやすくなります。

・複雑な課題解決
複雑な課題は、一度に解決しようとすること自体が中々難しいです。スモールステップで分解することで、コントロール可能な単位で取り組むことが可能です。

・自己効力感の向上
子育ての面でも、小さな成功体験を積み重ねることで、「自分にはできる!」という周りの状況も含んだ自信を育むことができます。この感覚は将来のより大きな挑戦への原動力につながる可能性もあります。

様々な場面で、スモールステップを取り入れることで、利点を活かし、確実かつ効果的に目標達成に進むことができます。ただ、大切なのは、一歩一歩の着実な前進だけでなく、その過程を楽しむことだと思っています。

では、一方でスモールステップの実践方法はどのようにすれば良いのでしょうか?以下にポイントをまとめてみます。

・目標の分解
大きな目標を段階的に分解し、各段階で達成すべき小さなタスクを設定します。
例)TOEIC800点目標→6ヶ月後に700点→毎日xx分の学習など
ポイントとしては、①各タスクは具体的で測定できるものにすること、②時間枠を設定して締め切りを明確にすること、③自分の生活リズムから実行可能なサイズに調整することだと思います。

・具体的なアクション設定
各タスクを「今すぐ始められる」レベルまで具体化します。
例)毎日xx分の学習→単語熟語xx分、シャドーイングxx分など→実践は通勤時間にアプリで行う
ポイントとしては、①「いつ」「どこで」「何を使って」行うかを明確にする、②5分以内に始められるレベルまで具体化する、③実行のトリガーを制限するものを事前に取り除いておく

・進捗の記録と振り返り
小さな行動に対する実行の度合いから小さな成功を祝って、必要に応じて時間を調整します。
例)実践が1週間連続で達成→好きな映画を見る時間を作る、リスニングが苦手だと感じたら→その為の学習調整を行う
ポイントとしては、①進捗の可視化ツール(手書きでもアプリでも大丈夫です)を活用、②小さな成功を見逃さず、自己肯定感を高い状態を保てるように工夫する、③調整は柔軟にするが、安易に目標を下げない

・継続の為のサポート体制
目標達成をサポートする環境を構築します。
例)x月x日にTOEIC800点を達成すると宣言するなど
ポイントとしては、①自分の弱点を理解して、それをカバーするサポートを求める、②定期的に進捗を報告し合う仕組みを用意する、③ポジティブなフィードバックを大切にする

今回は英語を例にしてみましたが、これらの方法を組み合わせることによって、スモールステップの効果的な実践と大きな目標に向かった着実な前進に繋げることができます。重要なのは、継続可能な仕組みづくりです。小さな一歩を踏み出さざるを得ないステップを自らに組み込むことが大事だと考えます。

スモールステップは効果的な戦術だと私は思っていますが、実践する上での落とし穴がいくつかあると考えています。これらを理解し、適切に対処することで、より効果的に目標達成を目指すことができます。

・タスクの細分化をしすぎる
タスクを必要以上に細かく分解してしまい、全体の進捗が遅くなる。また、細かすぎるタスクの管理に時間を取られ、本質的な内容に集中できない、その他にモチベーション観点では小さ過ぎる成果に満足を得られないなどがあります。
これを解決する為に、「最小実行単位」(10分程度でできること)という概念を導入する。そして、これはよく表現されますが、タスクの重要度と緊急度から優先度を決めるなどがあります。

・全体像を見失う
細かいタスクに集中するあまり、最終目標を忘れてしまう。つまり、方向性を見失ったり、タスクの意味を失念しながら取り組むなどがあります。
これには、最終目標を視覚化したり、定期的な振り返りを用意したり、マイルストーンで適度に祝うなどがあります。

・進捗が遅いと感じること
私はスモールステップは「急がば回れ」だと思っています。変化が小さいため、進捗を感じなかったり、焦りや不安から途中で諦める可能性などがあります。
これには、進捗の可視化ツールを活用したり、「以前の自分」との比較を習慣化したり、プロセス(努力や行動)にゴールを設定するなどがあります。結局は、習慣化した内容から長期的な視点を持つことにつながるので、長い道のりでも淡々とやることが大切です。

・柔軟性の欠如
計画に固執し過ぎて状況の変化に対応できなかったり、予期しない計画外の事象が発生した時に全体計画が崩れるなどがあります。
これには、先ほどの定期的な振り返りに調整の過程を設けることで解決できたり、代替プランを用意することでアプローチの切替が可能になる場合があります。

結局は、落とし穴はどこにでも存在するので、意識した上で適切な対策を講じることで、スモールステップを効果的に実践可能だと考えています。重要なのは、調整と継続を仕組み化することだと思います。

私はスモールステップを、どんなに困難な目標でも実現可能にする強力なツールと認識しています。
今この時この瞬間から「本当にやるべきこと」に焦点を当てて、目標をスモールステップに分解してみませんか?

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