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そらのうた

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#エッセイ

揺れる灯

明日も息を吸って
心臓が動き続ける保証はどこにあるのかな

目を開けぬまま息絶える可能性だってあるのに

僕はいつからか
命の灯が消えないと
若さゆえに錯覚していたよう

変わらないものは何と
変わってしまうものは何と
輪を描くように繰り返すものは何と
進歩の果てに必ず途絶えるものは何と

今一度問いかけよう

問い続ける姿勢が秀麗ねと
世界の切り取り方が綺麗ねと
言葉で僕を飾ってくれたあの人

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同じ夢を期待して

真夜中
今日も同じ夢を見た

淡色の髪色に
シャープな輪郭

あとは
何だろう

夕焼けに染まって
あと少しで映えるトワイライト ギリギリで

目が覚める

あの人は男だろうか
あの人は女だろうか

あの人はって
誰とも知らないけど

不思議と懐かしい感じがした
今まで出会った誰かの現在?
これから出会う誰かの過去?

夢には不思議な魔力があるように思う

懐かしい感覚は今日もまた
不意に優しく襲

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飾らない言葉で君を飾る

飾らない言葉で君を飾る

言葉は想定通りの速度を帯びないから悲しい

直線に沿って君の心臓に届けばもどかしい気持ちにならないのに

僕の思いはスローボールで忘れた頃に君に届くのかな

もしかしたら届きもしないで地べたに着地するかもしれない

梢と梢の間から零れる光のように
すっと君の心臓に届いて、届け

伝えたいことは一つだけ
忘れて欲しくないことは一つだけ

どんな君も どんなときも
言葉には収まらないほどに
僕は君に惹

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【出会うタイミング】

人と人の出会いは面白いと思う

小学生の時、四回連続で隣の席になったあの子と会社の同期として出会ったらどんな関係になっただろう

中学時代からの友人も出会う時期が違えば見知らぬ他人のままかもしれない

高校時代、些細なことで喧嘩したあの人とも今出会えば仲良くなれそう

大学時代、言葉と行動に認識のズレが無ければ続いていた関係があったと思いたい

今まで出会った恩師も、出会うべきタイミングで出会った

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真夜中の涙

真夜中 暗い頃にcry

君は頬を水滴で濡らした

透明な何か、例えば心や声にならない思いに重きを置く
思春期を超えても君はずっと掲げている

君が優しいから、痛みが隣り合わせだから
涙を流すんだね

会ったこともない誰か、遠い空の下にいる誰かを支えたい

高尚な思いを掲げてさ 現実と向き合い時に選択に悩む

淡雪より綺麗な心の持ち主が不意に流す真夜中の涙は綺麗だ
#詩 #小説

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胡蝶の夢の如く

夢は螺旋みたいだね

いつまでもぐるぐる回って果てがないみたい

夢は想像の具現化だね

頭で描いた事柄が次々に現実になっていく

夢は舞散る桜みたいだね

若さが永遠じゃないと気付いてしまったのさ

夢は熟した果実みたいだね

青かった頃が今の自分を作り願いを叶える

夢は蜃気楼のようだね

あまりにも朧気で存在したか今じゃ怪しい

夢見る自分 夢を叶えた

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未明の刻に

君は歌う。未明から桟橋で横たわり歌を歌う。

空の色が藍色と紫と黒のグラデーションで曖昧な今に自己投影する。朝が来たら毅然とした青空と太陽が君を炙り出す。

陽が登らない頃にだけ見える世界。不安も高揚も過去も未来も、この刻だけは許容できる。

18時30分になれば星空が跨ぐ、君は誰も星を仰がない時間に自分を見つめる。

君が最も君らしいこの時刻に寝ている僕は、君を理解したそぶりを見

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画面の向こう、君の笑顔

感染拡大の最中、画面の向こう側の君が笑っている

30kmも離れた場所で君はいつもの笑顔を見せてくれる

君と電波を通して繋がっている、その事実が僕を安心させる

こんな時代に生きて
こんな状況にあって
こんな笑顔を見れて

僕は心穏やかに、不安を乗り越えられる

ありがとう
#日記 #詩 #自由詩 #エッセイ #文章 #言葉 #毎日投稿 #毎日note #継続 #オンライン #コロナウイルス  

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咲いて散って繰り返して

桜の花が咲きました

今年もひとびとの眼と心を奪います

スーツを着たサラリーマン、フェミニンな可愛い服を着た女子大生、品の良い老夫婦

みんな桜の花びらに視線を注ぎます

私も桃色のそれに心惹かれます

とこしえに愛される桜にさえ嫉妬した、高校時代のクラスメイトの女の子

君が歳を重ねる度に失うと勘違いしている若さとか美しさ

美貌の喪失に悩む君だから君は確かに綺麗なんだ

いつ

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桜隠しと君の声

桜隠しと君の声

「ねえ、今日は何してるの?」

君の声がスマホ越しに聞こえる

何もしてないよ、こんな状況だし。今日は雪が降ってるから雨戸を閉めて家に篭ってるよ

「そう」と君は微かな声で呟く、優しい声とは違う、違うのに妙に安心する、なぜかな。

桜の季節に雪が降るって少しだけ幻想的だね、違うかな?
「君がそう思うならそうでしょ。私に同意を求めないでよ。」

厳しい意見に苦笑い。社会が不安に包

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「あなたらしい私」を探します

「あなたらしい私」を探します

今でも私は思い出します 君は私にこう言いました

「あなたらしいあなたを私は好きよ」

私らしいってなんだろう、シャーペンのキャップを頬に当てながら頭を働かせました

あれから月日は流れて「あなたらしい」をまだ把握できていません

数年前に「あなたらしい」を解ったつもりなのに、環境の変化に耐えられず、「あなたらしい」は崩壊しました

らしさの幻影を求めて手探りで進んでも、稼ぐこと、生活することで精

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