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そらのうた

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#詩のようなもの

君の手

君の手から香りがした
愛用のハンドクリームの爽やかなそれだ

男のくせに
綺麗な肌に磨いちゃってさ

素直に褒めることができない
私は天邪鬼

「寒くなるから買い物に付き合ってよ
セレクトショップに行きたいんだ」

手は引っ張らないで
ハートは引き寄せられる

クローゼットで服を探る
組み合わせが難しくって

当日
シンプルな装いでも滑らかに褒める
いつもの爽やかな匂いが手から漂う
君の手と口が今

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しゃぼん玉(リライト)

しゃぼん玉(リライト)

息を吹きかけて
しゃぼん玉は空を泳ぐ

風が付き添って旅をする
流れに委ねながら仰ぐ世界

ふわふわと夢心地
破裂が待ち構えても上へ

海に映る波光を眼下に
お月様今宵もこんばんは

浮くほどに故郷の地上と距離が生まれても
先の見えない未来と気まぐれに変わる空模様
何かに脅かされても今はこのまま宙を目指して
#ポエム #poem #詩 #詩のようなもの #創作 #自由詩

月の道

弱さを切り出して
弱さを分け合って

それを僕の右手と君の左手に乗せて

温もりで溶けて行き
残り香が月へ昇り始めて
不安感に付随する浮遊感は離れて
僕らは今地に足を付けた

不思議
今なら水面に浮かぶ
月の道さえ歩ける気がする
#詩 #詩のようなもの #物語 #自由詩

しゃぼん玉

しゃぼん玉

息を吹きかけて
しゃぼん玉は空へ泳ぐ

春風が付き添って
気の赴くまま旅をする

時には流れに委ねていいかもね
時流を読み解くのは難しいから

透明な柔な円のように
時に僕らはふわふわと夢心地
時に僕らは破裂が待ち構えても上へ

先の見えない未来
気まぐれに変わる空模様
何かに脅かされても今はこのまま宙を目指して
#詩 #詩のようなもの #日記 #創作 #しゃぼん玉 #自由詩

真っ白な世界

目をパチリ開ける
一月前とは異なる住空間

スペースが有り余る部屋のカーテンを開けると
燦々とした黄金色の輝き

1日のはじまり
いつかの未来に立っている

電車に揺られ
交差点を右に曲がる

青信号に切り替わり
人々は一斉に歩き出す
地元では見慣れない風景

この街は未知の世界
真っ白な未知の世界
余白が有り余る世界

きっとこれから
色彩豊かな世界へ移ろうから

今は不安さえ馴染ませて
前を向

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春、白昼、詩

想いを風と光に乗せ
春の白昼に詩を綴る

光は屈折するもの
水が入ったグラスに着地した
誤って器に入った水が袖に飛びかかった

今は僅かな水滴のみ器に残って

光は直線に進むもの
矢のように前を突き抜ける
渇きはどこへやら濡れた衣服は乾いた

過去と決別するよう梢越しに陽を見つめて

光は虹のようなもの
星彩に青光りまで色彩豊か
忘れかけていた七色の表情が反射した

その美しさに改めて気付いて

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風光る午後

風光る午後

「君らしくいてね」

風光る午後
あなたがくれた言葉

ありふれたそれも
君からだと意味を帯びる

挫けそうなとき
つまづきそうなとき
真夜中眠れないとき

先が見えなくて
不安が喉に詰まっても
記憶の欠片を拾い上げて
その言葉を馴染ませる

たったそれだけで
光芒が視界に映るように
立ち上がる勇気が湧く

気付けば四季は何度も巡る
香りをゆらゆら移ろわせて

今の世界に君は不在でも
眼を閉じて耳

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既定通り春は訪れる

既定通り春は訪れる

既定通り春は訪れて
君が不在の世界でも

柔らかな風がそよぐ
髪と戯れて頬を掠める

最後の言の葉
変わらない面持ちと声の高さで
君からの「ありがとう」

刻々と針は動き
2人の思い出は
クリスタル色に染まる

既定通り春は訪れて
君が不在の世界でも

木漏れ日は揺蕩う
その円形の眩さに
記憶の君を重ねる

既定通り春が訪れるその前に
君は世界から去っていった

その事実が
ガラス色の心に響いて

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気球葬

気球葬

「僕の心臓が止まったら、気球葬してちょうだい」

従兄弟の君は普段と変わらない口そぶりで告げる。夕暮れ、陽は傾いて影は伸びる。

「なんで気球なの?」
「気球なら、物理的に星に近づくから。僕は死後、お星様になれるかもしれない。」

血が繋がっているのに時折突拍子もないことを口にする、不思議な人。

「大きな病を抱えていないのに、どうして死に耽るの?」
「保険だよ。自分が死んだ後、空に還るのか、違う

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窓から眺める桜(詩版)

窓から眺める桃色がひらひら踊った。病室のベッドで足を伸ばす私はそっと手を差し出して窓越しに春を掴む。

窮屈な日々が色褪せないのは、一年に一度、君に会えるから。年々、恰幅の良い出で立ちで私を驚かせる。

舞う桜との真反対ではドアを開ける音。君がこの小宇宙に入ってきた。今年もまた、一段と背丈が高くなったね。

「だって育ち盛りだから。」と切り返す、淡々とした君の言葉選びは嫌いじゃない。「桜が綺麗。」

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勿忘草

凍て風に身が晒されて
ふと思い出すのは君の笑顔

空の灯が映えない夜
眼を瞑り過ぎた日を想う

ああ
好きだったの
もう会えないことも分かってるのに

日がめくり陽が昇ると
記念日でもない今日が訪れる

ああ
我儘だったの
君がくれたものは煌めいていたのに

月は太陽があって始めて輝く
当たり前の事象が身に沁みる

ああ
忘れたくないの
花言葉一つに君への想いと後悔を重ねるだけ
#詩 #想い  #

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願いが交錯するまで

数多の甘い囁きには心動かされない
願いは君に振り向いて欲しいだけだ

夜風が頬を弄る皐月の夜だった
静かな公園で強く揺れるブランコは
数分後の僕の心臓にかなり似ていた

木漏れ日が綺麗な白昼より
君の瞳は願いは眩しかった

どこ吹く風で在りたいと自分と向き合う
強風にも世間にも流されない強さに惹かれた

光を探した夜を何度も数えた 夜を跨ぐ度に
ベランダから眺める星彩も僕に届かなかった

ただ

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言葉だから伝えられること

言葉なんて嫌いだ

言葉一つで不意に人を傷つけてしまう
無自覚に無邪気な笑顔を浮かべながら

言葉なんて嫌いだ

人の心をそれだけで当て嵌めてしまう
君の悩みは君の願いは何処にあるのか

言葉なんて嫌いだ

本音とは裏腹に綺麗な仮面を形成してしまう
口にできない本心を閉まった人だけ損をする

言葉なんて言葉なんて

言葉一つで人を殺してしまう
言葉一つで人を安堵させうる

後者に目を向けたい

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騎月雨の詩

夜を彷徨う雨がしずかな時を奏でてくれる

未明にブルーアワーを撮る君も今日は天井を眺め朝を迎えるだろう

年を跨ぐ度 月を跨ぐ度 夜を跨ぐ度
胸に手を当てて鼓動に耳を澄ます

夜に交わすメッセージは
世界を潤す雨のように僕の心を君で満たす

雨は月を隠すね 月が隠れても露わになっても
この想いは不変で雲に覆われた方が君を考える時間は長い

月が変わっても月が変わる直前でも
雨の日は電波を通して君と

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