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ゆるゆら音楽映画放談

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レビューやつらつらっと書いた感想置き場的マガジン。音楽関係はだいたいここ。
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#エッセイ

火加減あるいは主体性のはなし

火加減あるいは主体性のはなし

 たとえば、ヘッダーにあるようなマフィンにしても、気が向くからつくるんだよな。
 いやマフィンは簡単だから、
 「食べたいから作ってほしいな。」
 と身近で親しい人に言われたらつくるかもしれない。ただ、それをさほどでもない人から当たり前のように
 「できるんだからやって、簡単でしょ。」
 なんて要求されたら、しかも度々言われようものなら、まあしない。生地を混ぜたり焼いたりしない。
 簡単なんだから

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好きを語るということ

好きを語るということ

 ネットミーム化している台詞「何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ」には前段があり、その「どうしてお互いの欠点探して傷つけ合ってばっかいるんだよ 百の罵声あびせるよりも好きなもん一つ胸張って言える方がずっとカッコいいだろ」がとてもいい。(出典は漫画「ツギハギ漂流作家」)
 好き語りをする人、嫌い語りをする人。コンテンツを取り巻く人たちには色々なタイプがいる。勿論それは必ずしも紋切り型ではなくグラ

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問いの向こう側

問いの向こう側

 大事なことだと思うので、ツイートをnoteにもまとめておきたい。

 何かを患っている人やそうした誰かを支える立場にある人が、専門家の適切な助言を得ながら、自分の趣味などで息抜きすることがある。
 時折そういう人たちに向かって「いまここで遊んでいていいの?」と否定的なニュアンスで問う向きがあるが、これは動機はともあれ、あまりよいことではないと思う。

 体力に加え頻度や状況、日程や予算などをそれ

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フルーツボウルとひだまりと

フルーツボウルとひだまりと

 セルフパフェで使った食材の残りを使って、フルーツボウルをつくった。
 無糖のヨーグルトとチョコフレーク、オートミールを軸に、完熟したキウイフルーツひとつとフローズンベリー。ホイップをほんの少しだけ。

 チョコフレークと自然なフルーツの甘みで充分。目に鮮やかなのがいい。気分がちょっと上がる。

 睡眠リズムは、相変わらずおかしい。ただ夕方何だかんだと忙しくした後に、気がついたら2時間ワープしてい

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Bonne année

Bonne année

 あけましておめでとうございます。拙い文章をぽつぽつと書き綴るnoteですが、本年もよろしくお願いいたします。

 お節をちょいちょい用意などしつつ、紅白歌合戦含め年末もやはり音楽三昧。そういうふうに身体ができているんだな、多分。

 紅白のパフォーマンスは素晴らしかった。
 今年はレジェンド、大御所と呼ばれる人たちがたくさん御出演された印象。安全地帯・玉置さんの歌う「メロディー」は、いつ聴いても

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懐かしくて、チクリとする話。

懐かしくて、チクリとする話。

 昔、とてもすてきな音楽を作る人とTwitterで行き違いを起こしたことがある。確か引用リツイートが根付きだした頃で、わたしのアカウントも今のものではなかった。

 他愛もないことだったと思う。その人が趣味にまつわるツイートをして、わたしと数名が引用リツイートで内容に関連するコメントをした。
 彼は「俺はそんなことは言ってない!」とやおらキレ、わたしを含む数名のアカウントがブロックされた。
 こち

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推し活を押し喝にしないために(Twitter等SNS上での問い合わせについて)

推し活を押し喝にしないために(Twitter等SNS上での問い合わせについて)

 敢えて誰の何とは限定せずに書く。

 音楽を雑多に、思うまま気楽に楽しんでいると、いつの間にか「古参」「よく知っている人」とのイメージが付与されていることがある。
 それはそれで好きなように思っていただいて全く構わないのだが、ことその界隈で揉め事が発生した場合、何故か問い合わせや意見を求めるコメント(その殆どはDM)が数多く寄せられることがある。
 そしてその大半は、こんな酷いやつがいるから加勢

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推せるときにも立ち止まる

推せるときにも立ち止まる

 なんというか、アーティストを追いかけている人たちのストイックさが、ここ数日色々な意味で目に入る。

 誰とかどれとか言うわけではないけれど、「最近熱狂的な気持ちが薄れてきた」とか「すべてを追いかける気持ちがなくなってきた」とか呟く人がタイムラインに増えたような気がするのだ。
 でもそれは多分当たり前のことで、たとえば街中で「今日が20000日記念だね!ウフウフ」といちゃつく老夫婦を見かけないよう

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クラシック・タイム

クラシック・タイム

 高崎音楽祭初日、大友直人指揮・群馬交響楽団のオープニング演奏会へ。
 
 この公演は無料の完全招待制で、事前に応募した人の中から抽選が行われるもの。昼にチケットを引き換えたら、大変に前方の席だった。ポップスやロックならば、さぞファンが羨むことだろう。
 クラシックは中央すこし後ろの二階天井がかぶらない場所、もしくは上階席が音のバランス的には特等席とされるが、そもそもこのホールは音響がとてもいい。

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パンと音楽

パンと音楽

 昨日は馬場桜佑さん(Trb.,Fl.)、藤井空さん(Pf.,Trp.)、柳生俊彦さん(Gt.)のトリオによる「日本全国のパリミキにライブを届ける旅 vol.8 OKAYAMA」を配信で視聴。

 非常にいいライブだった。アーカイブ期間のため細かい内容は伏せるが、カバーと各自のオリジナルを織り交ぜたセットリストはまとまりもよく、演奏も楽しかった。またパリミキの店舗が舞台だけあって、CMで使われた「

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難燃性SNSを考える

難燃性SNSを考える

 「SNS初心者で、どうしたらいいのかわからない」
 「SNSって、自由な場所なのにつぶやきにくいな」
 そんな言葉を見かけることはありませんか?わたしはよくあります。お気に入りの有名人が急に人気になると、そういうことが増えますよね。

 基本的に、SNSは自由な場所です。
 ただし、ごく一般的な知識がないとトラブルや炎上を招きがち。そこで今回は難燃性、つまり炎上しにくいSNS運用方法について考え

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誰が為に剣を振る

誰が為に剣を振る

 花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに
──小野小町

 タイムラインが荒れていた。おばさんファンが態度悪いだとか、いやいやそれは作り話だとか(わざわざそんな作り話する意味があるのか?)、トゲだらけ。プロフィールを見て、持病や聴く音楽などに共通点がありそうな人はほぼフォローしてきたが、その基準をちょっと考え直すべきかどうか頭を悩ませた。揉め事は苦手だ。

 おばさ

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not only but also

not only but also

 藤井空さんのトーク&ライブを配信で視聴していた時のことだ。
 終盤、空さんが自嘲的に「でも結局話題になるのは風さんのLINEの話」であったり「コラボが見たい方は結局風さんが見たいのでは」と仰ったところが、どうも幾分胸につかえて今も気にかかっている。
 
 生い立ちなどを話せば、自然とご家族は含まれてくるだろう。藤井空さんと藤井風さんは元々ご兄弟で動画をアップされていたから、むしろ触れないのは不自

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showをもっと

showをもっと

 先日eggmanで行われたshowmoreとBlue Vintageによるツーマンライブの配信アーカイブを繰り返し観ている。

 showmoreのセットリストは

red
1mm
恋をした(cover)
baby
37℃
circus(with special dancer)
I love you

 大変素晴らしかった。
 showmoreの音楽には、滑らかなのにどこかざらりとした手触

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