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難燃性SNSを考える

 「SNS初心者で、どうしたらいいのかわからない」
 「SNSって、自由な場所なのにつぶやきにくいな」
 そんな言葉を見かけることはありませんか?わたしはよくあります。お気に入りの有名人が急に人気になると、そういうことが増えますよね。

 基本的に、SNSは自由な場所です。
 ただし、ごく一般的な知識がないとトラブルや炎上を招きがち。そこで今回は難燃性、つまり炎上しにくいSNS運用方法について考えてみたいと思います。
 

指摘されやすい書き込みとは

【①違法アップロードをしない】

 非常にトラブルが起こりやすいのがこのタイプの権利侵害です。画像や動画の無断転載のほか、雑誌や放送番組の無許可アップロード、ラジオ番組の書き起こしがこれにあたります。
 え?ラジオの書き起こし?
 そう思われがちですが、ラジオ番組は製作著作の権利を含むコンテンツ。「言語の著作物」である発言を丸々書き起こすのは、著作権法に引っかかります。
 「でも観られなかった人、聴けなかった人がかわいそう」と思うかもしれませんが、それは一個人の主観であって権利と相容れません。
 テレビならばTVerやTELASAやAbemaTV、ラジオならばradikoプレミアム等で真っ当に楽しみましょう。アーカイヴ期間が設定されているものならばタイムフリーで何度も楽しめるほか、再生回数は評価につながります。雑誌も買って読めば、部数という明確なかたちで伝わりますね。
 

【②他人の著作物を改竄しない】

 改竄(かいざん)というと大袈裟に見えるかもしれませんが、これもよく見かけます。
 具体的には、他者が作成したデザインや写真などを加工し、自分の作品としてネット上に公開することがこれにあたります。
 たとえばあなたの作文や絵画、または写真が、何者かによって「言い回しの手直し」や「画像加工アプリ」で手を加えられ、勝手に公開されていたらどうでしょうか。
 まして、関わるプロフェッショナルは対価を受け取ってその作品を提供しています。あなたにとってはただの画像に見えるそれは、高価な機材や資材を揃えたり、トレーニングを経て作られたもの。
 あまつさえ、他人の仕事に自分のサインを書き加えるような悪質な行為はしないようにしましょう。そうしたものをアップロードしている人を応援することは、さらなる改竄行為を手助けしているようなものです。見ている側も気をつけたいところですね。

著作物関連noteです


【③エゴサはあると思うが吉】

 誰だって自分の評判は気にかかるもの。つい名前や作品名で検索してしまいます。
 つまり、あなたが呟いた書き込みは、知らず知らずのうちにご本人や関係者に見られていると考えたほうがいいでしょう。
 自分や家族、または友人に対する罵声や卑猥な妄想がネットに上がっていたとしたら、いい気持ちがするでしょうか?
 有名人も人間です。心や豊かな感情があります。自分がされていやなことは他人にしない、これは小学生までには覚えておくべき基本的なマナーでしょう。もし「自分は何をされても気にならない」と思うならば、その感覚はあまり一般的ではないことを知っておくと、トラブル回避に役立つかと思います。

 なお、最近プチバズしたこちらのツイートを例に挙げますが、「リツイート」「いいね」の数と「実際に見ている人の数」には大きな開きがあります。(引用リツイートのため権利を考慮し元ツイートが見えないよう加工しました。)

このツイートです
反響はこれだけ、と思いきや
インプレッションは49万にのぼります 

 思わぬところまで届くのがSNSの特性。過去には2万リツイート弱でインプレッション140万というデータがありました。上に挙げたツイートほどの差が一般的かはさておき、アカウントの特性を抜きにしても70倍程度の開きはありうるものと考えてもいいかと思います。
 悪口や妄想はもとより、場所の特定などをしたらそれをストーカーや変質者、厄介なアンチが見ていた⋯⋯という事態も充分に考えられます。リスクを考えて投稿が減る、そんなきっかけにはなりたくないものです。
 マナーは時として安全にも直結するものだという意識は、常に持っておきたいものですね。
 

よくないものをみつけたら

【④他人の名前を使って争わない】

 もし自分の名前を争いのネタに使われていたら、これもまたいい気持ちにはならないものです。
 場を荒らさないように配慮することは、炎上を回避するのに役立ちます。名前を挙げていいのか、伏せてやりとりをするのかを立ち止まって考えてみるといいでしょう。
 「あの界隈、いつも揉めてるね」
 「マナー悪い人が目立つね」
 SNSは口さがない場所でもあります。もしそんな風評が立てば、全体のムードにも影響しないとも限りません。
 また、各SNSのルールに明確に違反している投稿に関しては、慌てず騒がず「通報」や投稿主への「ブロック」をするのもよいかと思います。注目されればされるほど過激な発言や違反を繰り返す、愉快犯的な人はどこにでもいるものです。
 

【⑤クッションワードを活用する】

 どんなにいい内容を言っていたとしても、言葉としてのアウトプットが鋭利であればコミュニケーションは成立しにくくなります。
 相手にわざわざレスポンスをするという行為は、本来はコミュニケーションのはず。伝わらなければ勿体ないものです。思考した時間と労力が、無駄になってしまいます。
 ストレートな表現も時には必要ですが、他者に依頼したり忠告したり、断るような局面においては、角が立たないような言葉遣いを心掛けるとよいでしょう。
 最初に考えた言い回しそのものをワンランク、またはツーランクやわらかくしてみるプロセスは、SNSのみならず様々なシーンで役に立つことと思います。

忠告されたら 

 わざわざ忠告してくれる人は、基本的には有り難い人です。早期に対応できれば、炎上ではなく小火ですむかもしれません。
 日々難癖をつける場所ばかりを探しているような人も、世の中には勿論います。しかしながら、噛みつくような言葉ではなく丁寧に指摘された時には、少し冷静に振り返ってみるとよいでしょう。
 穏やかで楽しいSNSライフを。
 
 
【続編はこちらです】



 

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」