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人事だった頃~新人研修担当編~
今の仕事に携わる前の話。 とある企業の人事で、採用・研修・評価などの企画業務に携わっていた。 ちょうど今頃は、新人研修のスケジュールや入社式の準備、入社前研修の計画でバタバタしていた時期だ。
研修業務は毎年、特に力を入れていた。 私は、会社のルールだけでなく「社会人としての基礎」を身につけてもらうことが大事だと考えていたからだ。 そのために、カリキュラムを組み、人事担当として研修内容を充実させ、新人へのフォローも念頭においていた。
ありがたいことに、当時の私は研修業務を一任されていた。 やりがいはあったけれど、その分、責任も大きかった。
目次
友達の受け売りをそのまま使った!(笑)
新人研修は、大卒は総合職、高卒は一般職と生産担当として配属されるため、どうしても個人差が出る。
でも、どの配属先でも自信をもって仕事に臨んでほしい。 そのために私が毎年掲げていたテーマは 「最低限の社会性を持つこと」 だった。
これは、友人の持論をそのまま使わせてもらっている。 彼女はよく、
人と関わる以上、自分がコミュ障だとしても関わらなきゃいけない場面はいくらでも出てくる。 だから、最低限の社会性を持って接することが大事。
と言っていた。
その考えに共感していた私は、新人たちにも「社会で通用するコミュニケーションの基礎」を学んでもらうように研修を設計した。 配属先が本社でも工場でも関係なく、どこに行っても通用する力をつけてもらいたかった。
頑張れ12歳差!
研修では、アイスブレイクや雑談、挨拶など、様々な場面でコミュニケーションが発生する。 けれど、12歳も年が離れた新人たちと自然に会話するのは、なかなか大変だった。
知らないことは素直に「教えて!」と聞く姿勢を大事にしながら、流行や若者言葉もリサーチ。 媚びるつもりはなかったけれど、彼らの文化に歩み寄りながら、「社会でのなじみ方」を教えていった。
例えば、
今の流行りをアイスブレイクに取り入れる
「私の若い頃は〇〇が流行ってたよ」と会話のきっかけを作る
高卒・大卒混合のチームを作り、学んだマナーについて考えてもらう
といった工夫をした。
でも、ジェネレーションギャップはすごかった。(笑)
体力勝負!
研修はとにかく体力勝負だった。
30代後半(年齢バレますね笑)の私は、
「幼稚園の先生ってこんなに大変だったんだ……」
と毎年のように思いながら、研修に全力投球。
事前研修から新人研修2週目までは特にハードだった。 それでも、新人たちが配属後、3カ月ごとの面談で成長した姿を見せてくれると、 「やってよかったな」と心から思えた。
最近の若者は…?は本当か?
「最近の若者は……」 「何もわかってない!」
と文句を言う人がいるけれど、そんなことはない。
大体は「歩み寄っていない」か、「自分が新人だった頃のことを忘れている」だけ。
もちろん、歩み寄りすぎるのも良くないけれど、 「何もわからなくて当たり前」 なのが1年目。
だからこそ、新人には 「何がわからないのかを質問する力」 を持ってほしいし、 先輩や上司も 「教える姿勢」 を持つことが大事。
自分が1年目だったことを忘れてしまっている人もいるんだよね。 確かに、言葉遣いや感覚は自分の若い時とは違うかもしれないけど、 立たされていたステージは一緒だったはず。
研修では、
「1年目だからわかりません。教えてください!」
という一言を大切にするよう、配属前に伝えていた。
とても当たり前のこと。
特別なテクニックを使ったわけではない。
「自分が1年目だったら、何をしてほしかったか?」 「配属先の上司が、新人に何を理解してほしいと思っているか?」
この2つを考えながら、研修を組み立てていった。
もちろん、色々あったけれど、それはまた別の機会に。
(今度、有料記事にでも書いてみようかな……いつになるかは未定だけど!笑)
今日の1曲 研修業務中にずっと―聞いていたっけな。
キリンジ / Drifter