nakiusagi

詩、和歌、創作、随筆など、とにかく書くことが大好きです。下手ですが、日々のつぶやきのよ…

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詩、和歌、創作、随筆など、とにかく書くことが大好きです。下手ですが、日々のつぶやきのように岩場の鳴きウサギのように小さく綴って行きたいです。誰かと共鳴できたら嬉しいです。 アメブロでもお会いしましょう。https://ameblo.jp/tnerap44/

記事一覧

言葉を乞う者

とりどりのいろの 言葉を 拾いあつめるのに 時おり疲れて わたしは なにをしていたか わからなくなり 咽び鳴いている この形だったか… この色だったか… はたまた こ…

nakiusagi
8か月前
4

ソリチュード

前に出たがる人に 譲っただけ 群れたり 集うのは 苦手だわ… 面倒だし 疲れるし 目立つことは好きじゃない 小説家にも 詩人にも エンターティナーにもなりたかないの…

nakiusagi
9か月前
5

晩夏

裾を掴んで 駄々を捏ねたりしない ただ 夏は終わるけど… 辛かったとだけ 暑かったとだけ 忙しかったとだけ 祭りの喧騒が 目の前を過ぎてゆく寂しさみたいに 秋の名乗…

nakiusagi
10か月前
11

夏・メモリー 短歌

窓辺にて 神妙な顔する我は神鳴りを待つ 叱りを受ける子の如く 夏雲は育ちに育ち 高く厚く 胸の不安のそれに似て 震える 向日葵も虫取り網も 線香花火も夢かと思う良き夏…

nakiusagi
11か月前
7

蛍の想い出

わたしが子どもの頃過ごした故郷は田舎だったし 自然が当たり前にあった。 夏は 今の如く狂ったように暑くなく 日も落ちれば 涼風が吹いた。 田んぼの畦道の水路には…

nakiusagi
1年前
8

三浦半島 走水神社

遠く迄行く暇も お金もなかったので… だからといって 長く続いた 流行病の制約も緩んだようなので… 許されるという有り難さを 少し味わいたくて 週末のドライブもわ…

nakiusagi
1年前
14

矛盾の揺籠

讃え 褒められた花々も 枯れて仕舞えば なんの木だったか 忘れられる かつてあなたは なんの木だったか… かつてあなたは どんな花を咲かせたか… 尋ねたところで 過去…

nakiusagi
1年前
12

皐月闇

五月の風は 心地よい ほんとうに 口に含んだら ミントのゼリーのような 味がするのではないかと 思う… わたしの大好きな 立原先生の 詩に違わない… 五月の空は 美…

nakiusagi
1年前
15

惰性の晩春

休み初めは 曇り空 みんなは休み 明日から我は 普段通りに 商う皐月… 皐月の薔薇は 凛として 自信あり気な 淑女の顔で ツンと澄まして 尖ってイル 風は 湿気を少…

nakiusagi
1年前
10

窓辺のジャスミン 短歌

ささやかな 場所にジャスミン 二度植え替えて 我が背丈と等しうなりぬ 名を羽衣と言う 真白なるジャスミンの 香りただよふ 五階の窓辺 もう今年 いよいよ終いとなりぬ哉 …

nakiusagi
1年前
16

雨の休日

汚れや疲労を洗うように 雨が降り続いている 黄砂や花粉に塗れた街も わたしも… ただ…わたしは懇々と眠る 眠る… 一週間の疲れは 眠ることでしか解決しない キツイニ…

nakiusagi
1年前
6

花曇り

花曇りの春は 過ぎ去るようで… 菜種梅雨の 寒さも  ゆるゆると去るようで… 雪解け水が 小川のせせらぎに 同調するように… いつの間にか何もかも 水彩の淡いものが …

nakiusagi
1年前
5

春 錯乱

我慢して我慢して 見つけた春は 名残の桜を 満開にして 急ぎ経つ支度する佐保姫を 暫し暫しと引き留めて いるようでありました 〜幻想春〜 いつの季節も美しいけれど 寒…

nakiusagi
1年前
12

ホワイトデー 短歌



一度とて

返礼などはせぬ きみの

1日早い 白き日の菓子




萌黄色の缶に

品良く納まるハートマシュマロの

柔らかさゆえ 込み上げる熱



言葉無くて

後ろ姿をみるばかりの 

いつ咲く花や 散る花や

桜花の如キきみ


nakiusagi
1年前
26

うららかな 午後

目を閉じて 春らしき陽を 浴びてみよう 節目の日には 胸が 騒ぐ わたしたちが年を取るのか それとも 置いていかれているのか 時折 考えます あの日で時を止めた人と…

nakiusagi
1年前
15

月あかり

満月の 後に欠けると知るからこそ なお 麗しき 満月 それと 同じに 出逢いあっても 後に別れてゆく人を 愛しく想う 今宵殊更… 初めが あり 終わりがある 満ちれば 干…

nakiusagi
1年前
17
言葉を乞う者

言葉を乞う者

とりどりのいろの 言葉を
拾いあつめるのに
時おり疲れて
わたしは なにをしていたか
わからなくなり
咽び鳴いている

この形だったか…
この色だったか…
はたまた こちらだったか…

天は 素知らぬ顔をして
更に言葉の雨を降らせ続けて
もう わからなくなる…

光や風やあらゆるものも
言葉を万華鏡のように変えて見せ
時の流れも力を貸すから
手に追えず…
おろおろする…

純粋な目をした 言葉を持

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ソリチュード

ソリチュード

前に出たがる人に
譲っただけ

群れたり 集うのは
苦手だわ…

面倒だし 疲れるし
目立つことは好きじゃない

小説家にも 詩人にも
エンターティナーにもなりたかないの…

ロマーニみたいに
流離っていたいだけ…

誰かになって
役を得ると 地に縫われて
動けない…

生涯 蒲公英の綿毛がいい…

無責任な?
そうかもね…

地に縫われ 枯れてゆくのと
何処かの地で 人知れず
果てるのは
…だけ

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晩夏

晩夏

裾を掴んで 駄々を捏ねたりしない
ただ 夏は終わるけど…

辛かったとだけ
暑かったとだけ
忙しかったとだけ

祭りの喧騒が
目の前を過ぎてゆく寂しさみたいに
秋の名乗りを挙げる花を
最初に見つけた 安堵も混じり

空を見上げれば
千切れた雲の隙間から 
高く青い空

不思議な星に生まれたわたしたちは
糸巻きするみたいに
季節を巻き取る

まだ暑いけど夏と呼ばない
涼しくもないのに秋という季節

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夏・メモリー 短歌

夏・メモリー 短歌

窓辺にて
神妙な顔する我は神鳴りを待つ
叱りを受ける子の如く

夏雲は育ちに育ち
高く厚く
胸の不安のそれに似て
震える

向日葵も虫取り網も
線香花火も夢かと思う良き夏は
遥かに静か
遥かに涼し

夏詣の村の社の階段を
苔の香りも心地よき
蜻蛉と詣でた 忘れ得ぬ夏

蛍の想い出

蛍の想い出

わたしが子どもの頃過ごした故郷は田舎だったし 自然が当たり前にあった。
夏は 今の如く狂ったように暑くなく 日も落ちれば 涼風が吹いた。

田んぼの畦道の水路には 夕暮れを知らせるように蛍が飛び交い 親に許しを得て近所の水路の脇へ蛍を見にゆくのは 夏の短夜の楽しみの一つ。

夕涼みを兼ねて どこかしらの近所の大人が出てきて子どもたちを見守り なんとも長閑かなよい風景だった。

わたしは一度虫取り籠

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三浦半島 走水神社

三浦半島 走水神社

遠く迄行く暇も お金もなかったので…
だからといって 長く続いた 流行病の制約も緩んだようなので…
許されるという有り難さを 少し味わいたくて 週末のドライブもわたしの小旅行なのです。

三浦半島は わたしの大好きな場所で 何かしら懐かしい場所。

今日は 走水神社へ…
わたしの夢枕に現れて以来…時間ができたら 節目には参拝に行く。
そのおかげかさまざまな危難から避けられた。

ご存じの参拝者は少

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矛盾の揺籠

矛盾の揺籠

讃え 褒められた花々も
枯れて仕舞えば
なんの木だったか
忘れられる

かつてあなたは
なんの木だったか…
かつてあなたは
どんな花を咲かせたか…

尋ねたところで
過去のこと
如何に見事に咲かせようとも
如何に人々を惹きつけようとも
たまゆらの夢…
うつそみの微睡に見る
幻…

何にありがたくて手を合わせていたのか…

目覚めたようで
生まれてこのかた
一度も 目を覚まさぬまま
死んでゆくような

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皐月闇

皐月闇

五月の風は 心地よい
ほんとうに 口に含んだら
ミントのゼリーのような
味がするのではないかと
思う…

わたしの大好きな 立原先生の
詩に違わない…

五月の空は 美しい
多分一番きらきらしている
夏空よりも 緑色して
きらきらしている
翡翠と アクアマリンを
重ねて覗きみたよう…

五月の雨は 梅雨よりも
晩秋の霧雨よりも
冬の長い夜の雨より憂鬱
わたしの心を濡らすならば
明るい花が咲き乱れる

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惰性の晩春

惰性の晩春

休み初めは 曇り空
みんなは休み 明日から我は
普段通りに 商う皐月…

皐月の薔薇は 凛として
自信あり気な 淑女の顔で
ツンと澄まして 尖ってイル

風は 湿気を少し帯び
括りし髪を くしゃくしゃにする
シャツはアイロンかけ忘れ
ままよと 出かけたわたくしは
なを 小さき生き物とナル

翠濃すぎて 酸素は多く
肺に吸い込み過ぎて
咳混む…

抗う力も無いわたし
窓辺の鴉が覗き見る
黒曜石よりう

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窓辺のジャスミン 短歌

窓辺のジャスミン 短歌

ささやかな
場所にジャスミン
二度植え替えて
我が背丈と等しうなりぬ

名を羽衣と言う
真白なるジャスミンの
香りただよふ
五階の窓辺

もう今年
いよいよ終いとなりぬ哉
良く咲きし年
散るも潔く

花も人も
かくあるべしと
教えられ
散りにし花も
残り香ぞ良き

雨の休日

雨の休日

汚れや疲労を洗うように
雨が降り続いている

黄砂や花粉に塗れた街も
わたしも…

ただ…わたしは懇々と眠る
眠る…
一週間の疲れは 眠ることでしか解決しない

キツイニコチンも ヘビーなカフェインも…
真逆の身体に良い無農薬の野菜も 香りの良いハーブも…解決の糸口ぬらない。

夢の中で凡ゆる冒険をしなくなるまで眠る…
夢の中で穏やかに眠れるまで眠る。

若い頃の休日とは違う…

知らないうちに花

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花曇り

花曇り

花曇りの春は
過ぎ去るようで…
菜種梅雨の 寒さも 
ゆるゆると去るようで…

雪解け水が
小川のせせらぎに
同調するように…

いつの間にか何もかも
水彩の淡いものが
滲んで溶け合うように…
春は限りを決めている

協調できなかったわたしだけ
ガラスに閉じ込められた人形みたいに佇んでいる
交差点の後ろのビルの片隅

スプリングコートは
いくつになっても似合わず
イラつきながら 
蹴り出した一歩

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春 錯乱

春 錯乱

我慢して我慢して
見つけた春は 名残の桜を
満開にして
急ぎ経つ支度する佐保姫を
暫し暫しと引き留めて
いるようでありました

〜幻想春〜

いつの季節も美しいけれど
寒さを掻い潜り 長雨で
お預けを 頂戴した分
有り難さは 増すというもの…

ほぼ春の去り逝かむとす
その刹那
花の風吹に前も見えねば
あわあはわと 夢見心地 
万華鏡の中に居て
迷い込むやうなり

風の吹くたび
カタカタと色が変わ

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ホワイトデー 短歌



一度とて

返礼などはせぬ きみの

1日早い 白き日の菓子




萌黄色の缶に

品良く納まるハートマシュマロの

柔らかさゆえ 込み上げる熱



言葉無くて

後ろ姿をみるばかりの 

いつ咲く花や 散る花や

桜花の如キきみ


うららかな 午後

うららかな 午後

目を閉じて 春らしき陽を
浴びてみよう

節目の日には
胸が 騒ぐ

わたしたちが年を取るのか
それとも 置いていかれているのか
時折 考えます

あの日で時を止めた人と
あの日から進まねばならなかった
わたしたちは ほんとうは
どっちが辛かったのか と…

いえ 詮無いことはよしましょう
辛いのは同じ…

さくらはもうすぐ 咲くんでしょう?
花粉症が 酷いんでしょう?

だったら 山も海も
豊作

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月あかり

月あかり

満月の
後に欠けると知るからこそ
なお
麗しき
満月

それと 同じに
出逢いあっても
後に別れてゆく人を
愛しく想う
今宵殊更…

初めが あり
終わりがある
満ちれば 干るのも
それに同じで
自然の中の 決まり事の厳しさと
あっけないほどの
潔さ…

有無を言わせぬ
大いなる流れ…

わたくしは 小さくて
右往左往している

それがたまらなく
切ない…

今 触れた君の指のぬくもりを
いつか忘

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