ナツミ〜

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butter

いつの間にか短くなった髪の毛。 期待してる事はひとつも起こらない。 たった少しの思い出が染みついた畳の上で、他の誰かが寝ている。 全然嫌じゃないのが、少し嫌だった…

ナツミ〜
1か月前

エンドクレジット

私の好きな映画と、 彼の好きな本とを交換した。 暗くて類似した内容に、 色違いみたいだと言われた。 彼は、映画を観て軽率に泣く私を どう思っただろうか。 そろそろ終…

ナツミ〜
5か月前

最近の話

【1】 強いお酒が飲めない私に、 甘口のワインを少しだけ分けてくれる。 慣れないグラスを片手になんだかニヤけそう。 アルコールは好きじゃないのに、 今夜は美味しいと感…

ナツミ〜
7か月前

愚行

守れもしない約束をしてしまうのが悪い癖。 「今年は毎月一緒に映画を観に行こう」 5月にはもう一緒にいられないんだけど、 「いいよ」と答えた。 少し先に彼女の苦い顔が…

ナツミ〜
7か月前

低温

冬ってだけで、うだつが上がらない。 心には優しさと理性を保てる程の温度がない。 「去年の冬と同じだ」 踊らされた感情は、眠れば失ってしまう。 悪趣味な朝方のLINEに…

ナツミ〜
8か月前

愛、花、

久しぶりの電話を不思議に思ったけど、 アンバランスで人間的な彼には、 うぶな振りをしなくて済んだ。 会話は朝まで続いたけれど、 気付くと電話は切れていて、 数週間後…

ナツミ〜
8か月前

イヤフォンの思い出話

【1】 海風が肌寒いベンチ、後ろには高速道路。 最新のイヤフォンからは、ピンク色の空によく似合う英語の曲が流れていた。 そこには、無垢な女と何かを諦めた彼がいた。 …

ナツミ〜
8か月前
1

相反する

今年の夏は、一度もチョコミントのアイスを食べなかった。 お気に入りだから、ちゃんと冷凍庫に入れといたのにな。。 いつもの屋上で、いつもとは少し違う場所に座り込み…

ナツミ〜
10か月前

好きの価値

最近はラジオも聞かなくなった。 聞けばやっぱり好きだと感じるけど、 私の好きは所詮その程度だということも知ってる。 移り気で浮気者の私には地元愛なんてなくて はや…

ナツミ〜
10か月前
1

矛盾してて大変申し訳ない

魚座の私はいつも空想の中で生きていて、 そんな自分が少し恥ずかしかったけど、 最近読んだリアルでメルヘンチックな短編集のおかげで自分を認めてあげたくなった。 自分…

ナツミ〜
11か月前

夏、ミルフィーユフィクション

私の心は感じ悪くってもうぜんぜんだ。 みんなのように綺麗な心で愛を受け取って、 溢れる愛を配りたいのに、そんなことたったの少しもできてない。 私は私のことばかりで…

ナツミ〜
1年前
1

アイス開き

何年同じ話をしているのだろう ぬるくて気持ち悪い会話 話すことも聞きたいこともないし もうなにも得られないなら、 こんな関係続ける必要もないはずなんだけどな 「お家…

ナツミ〜
1年前

ニンゲン、ヤサイクエバナントカナル

人をばかにしながら生きてるやつを嫌いながら、そんな私も(きっと彼も)気付かないうちにその類でして。、 とんでもない焦燥感とともに、ソファに埋もれております。 もうず…

ナツミ〜
1年前
3

ロマンチックセンチメンタルレイニーナイト

呑気に長風呂してる場合じゃない。 絶対に(あの温泉街で買った)白檀の入浴剤で癒されてる場合じゃない。 傷だらけの唇で、べつに吸わなくてもいい煙草を咥えたりして。 …

ナツミ〜
1年前
2

愛ってムズッ

3年前とおんなじ服着ておんなじ曲を聴いてるのに、お気に入りだったあのリングだけはどっかにいったまま 隠すつもりもない感情で誰かを傷つけてしまっていたり 環境や人に…

ナツミ〜
1年前
3

ふわふわとじわじわと〜

交差点で大きな信号も小さな信号も全部が赤くなる瞬間、まばたきをする。 赤は好きな色ではないのに、あの瞬間は昔から好きだった。 これまでの人生でいちばん私の心を満…

ナツミ〜
1年前
5
butter

butter

いつの間にか短くなった髪の毛。
期待してる事はひとつも起こらない。

たった少しの思い出が染みついた畳の上で、他の誰かが寝ている。
全然嫌じゃないのが、少し嫌だった。
何もしないし、何も話さない。
聴くと泣きそうになる曲だけが流れて、
ゴミ箱に捨てられたコンビニの袋が微かに揺れた。

長い方が好きだったな、と独り言。
早く朝が来てほしい。

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エンドクレジット

エンドクレジット

私の好きな映画と、
彼の好きな本とを交換した。
暗くて類似した内容に、
色違いみたいだと言われた。
彼は、映画を観て軽率に泣く私を
どう思っただろうか。

そろそろ終わり。
私の知り得る狭い世界の何もかもが、
終わりだと言っている。
だから終わりでいい。

「終わりは始まり」って良く言うけど、
「始まって終わった」私はきっとずるい。

こうなるとは思ってなかったのに、
これが結果で、これが全て。

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最近の話

最近の話

【1】
強いお酒が飲めない私に、
甘口のワインを少しだけ分けてくれる。
慣れないグラスを片手になんだかニヤけそう。
アルコールは好きじゃないのに、
今夜は美味しいと感じてしまう。
例えば2年後も、このままの関係でありたい。

【2】
初めて火が消える瞬間を見た。
思わせぶりな態度にはうんざりしてしまう。
どうでもいい会話は続ける必要ないし、
どうせ愛に飢えてるだけなんだと思った。
意味を持たない時

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愚行

守れもしない約束をしてしまうのが悪い癖。
「今年は毎月一緒に映画を観に行こう」
5月にはもう一緒にいられないんだけど、
「いいよ」と答えた。
少し先に彼女の苦い顔が浮かんだ。
それもこれもすべて日常だった。

粋な誘いも全肯定も嬉しいのに、
残念ながら気休めにはならない。(なれよ)

感情に乗っ取って、
誰かとの特別な関係を深めてみたい。
そう思っては軽はずみなウインクを繰り返した。
片目で見ても

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低温

低温

冬ってだけで、うだつが上がらない。
心には優しさと理性を保てる程の温度がない。
「去年の冬と同じだ」
踊らされた感情は、眠れば失ってしまう。

悪趣味な朝方のLINEに複雑な背景などなく、
それが答えなんだと気付いた。

あの日見た夕日は写真フォルダにも残っていない。

あの日教えてくれたバンドは解散するらしい。

愛、花、

愛、花、

久しぶりの電話を不思議に思ったけど、
アンバランスで人間的な彼には、
うぶな振りをしなくて済んだ。

会話は朝まで続いたけれど、
気付くと電話は切れていて、
数週間後に彼は死んだ。

配色の半分を占めるピンク色。
赤やオレンジ、暖色系でまとめられているこの絵は、彼から見た私らしい。

まだ明るい空に月が見えた。
聴き慣れた曲も、川の流れる音も騒音になった。
静かに悲しみ、称えたい。

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イヤフォンの思い出話

イヤフォンの思い出話

【1】

海風が肌寒いベンチ、後ろには高速道路。
最新のイヤフォンからは、ピンク色の空によく似合う英語の曲が流れていた。
そこには、無垢な女と何かを諦めた彼がいた。

人生で最高の瞬間だと思った。

あぁ、もう月が沈んでしまいそう
昼夜が逆転するにはまだ早いんじゃないか
もっとじっとりと、時間をかけていただきたい。

【2】

船に乗るのは何年振りだろうか。。
嬉しくて写真を撮る私に、
「落ち着き

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相反する

相反する

今年の夏は、一度もチョコミントのアイスを食べなかった。
お気に入りだから、ちゃんと冷凍庫に入れといたのにな。。

いつもの屋上で、いつもとは少し違う場所に座り込み、タバコを吸う。
ここから見える沢山のマンションやアパートの部屋には順番に明かりが灯されていく。
誰もいないこの場所で下手くそな歌を歌ってみた。雨が降って来て少し肌寒い。
誰にも教えたくないこの場所を共有したい。
遠くに見えるあの光がUF

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好きの価値

好きの価値

最近はラジオも聞かなくなった。
聞けばやっぱり好きだと感じるけど、
私の好きは所詮その程度だということも知ってる。

移り気で浮気者の私には地元愛なんてなくて
はやく都会で暮らしたかった。
そこでの暮らしにも飽きたらまた別の場所で暮らした。
最初は浮き足立つ気持ちで過ごすのに、
それなりに馴染んでくると退屈になってきて、
この繰り返しかと思うとうんざりする。

満ちては欠ける月みたいだと思ったけど

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矛盾してて大変申し訳ない

矛盾してて大変申し訳ない

魚座の私はいつも空想の中で生きていて、
そんな自分が少し恥ずかしかったけど、
最近読んだリアルでメルヘンチックな短編集のおかげで自分を認めてあげたくなった。

自分でも気付かないうちに視界はぼやけていて、
見るに耐えない世界に嫌気がさした私はかわいいメガネを新調した。
いつも見てるはずの景色が突如キラキラと輝いた。いやいや、これ、前にも見たことがあったな。

単純極まりない私は勢い余って夢を語った

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夏、ミルフィーユフィクション

夏、ミルフィーユフィクション

私の心は感じ悪くってもうぜんぜんだ。

みんなのように綺麗な心で愛を受け取って、
溢れる愛を配りたいのに、そんなことたったの少しもできてない。
私は私のことばかりでこれが自暴自棄ってやつなんだろうな、と。とほほ〜。。

そんな時、懐かしい彼との会話は、
私の損得勘定で考えてしまう悪い癖を払拭してくれる。

今夜聴くミルフィーユフィクションはあまりにもおセンチで蕩けそう。
蕩けてる場合じゃないんだけ

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アイス開き

アイス開き

何年同じ話をしているのだろう
ぬるくて気持ち悪い会話
話すことも聞きたいこともないし
もうなにも得られないなら、
こんな関係続ける必要もないはずなんだけどな
「お家で長風呂してる方が有意義だ🍊」
なんて思いながら苦手なお酒を飲む。
きっと全部顔に出てる。

はやく私だけのお家に帰りたい。。
暖かい最近は、ソファで寝落ちすることも増えてきた。
いつもは買わないアイスを食べたら甘過ぎて吐きそう。

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ニンゲン、ヤサイクエバナントカナル

ニンゲン、ヤサイクエバナントカナル

人をばかにしながら生きてるやつを嫌いながら、そんな私も(きっと彼も)気付かないうちにその類でして。、
とんでもない焦燥感とともに、ソファに埋もれております。
もうずっとここから動きたくない気分。
あ〜、私に念能力が使えたとしたら、向こうの部屋からレコードを流してお香を焚いてるのになぁ。癒されたい。、
そんなもん使えるわけもないのに、癒されたいけど動きたくもない私は一応念を送ってみたりしてる。
(奇

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ロマンチックセンチメンタルレイニーナイト

ロマンチックセンチメンタルレイニーナイト

呑気に長風呂してる場合じゃない。
絶対に(あの温泉街で買った)白檀の入浴剤で癒されてる場合じゃない。
傷だらけの唇で、べつに吸わなくてもいい煙草を咥えたりして。

ひとりが寂しいと感じる、今夜は珍しい夜。

子どもの頃から好きな匂い。
この部屋に住んだ途端、雨が美しいと感じた。
雨の夜には、少しの明かりを灯した部屋で
カーテンを全開にしてみてほしい。
その景色は最高にロマンチックセンチメンタル!

愛ってムズッ

愛ってムズッ

3年前とおんなじ服着ておんなじ曲を聴いてるのに、お気に入りだったあのリングだけはどっかにいったまま

隠すつもりもない感情で誰かを傷つけてしまっていたり
環境や人に感謝しては忘れて

いつだって“そっちじゃない“が魅力的で
“そっちじゃない“を選んでしまう
好きとそうでもないの狭間
飽き性ってきっと寂しくて勿体ない
未来を見据えるのは良い事のように思うけど
そればかりはいまを疎かにしてるのかも

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ふわふわとじわじわと〜

ふわふわとじわじわと〜

交差点で大きな信号も小さな信号も全部が赤くなる瞬間、まばたきをする。
赤は好きな色ではないのに、あの瞬間は昔から好きだった。

これまでの人生でいちばん私の心を満たした瞬間には、やっぱり音楽があり、海があった。
朝日を見に来たはずなのに、太陽は背の街の方から上がった。
真夏なのに肌寒い朝、いつの間にか明るくなった海をずっと眺めてた。
いまとなってはどうでもよくなった、
どうでもよくなかったはずの夢

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