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ふわふわとじわじわと〜

交差点で大きな信号も小さな信号も全部が赤くなる瞬間、まばたきをする。
赤は好きな色ではないのに、あの瞬間は昔から好きだった。

これまでの人生でいちばん私の心を満たした瞬間には、やっぱり音楽があり、海があった。
朝日を見に来たはずなのに、太陽は背の街の方から上がった。
真夏なのに肌寒い朝、いつの間にか明るくなった海をずっと眺めてた。
いまとなってはどうでもよくなった、
どうでもよくなかったはずの夢を語ったり、
思い出すと照れてしまうような話をした。

本を読む代わりに音楽を聴きながら、
赤くなりそびれた小さな植物は上に伸びた。
嬉しいような悲しいようなどうでもいいような気持ちでまた水をあげる。
そこには少しの愛があるように感じる。

私のことを見透かしてるような彼女は、
私がふらっとどこかに行ってしまいそうなんて言うけど図星だからなんて返事しようか迷う。

いま私には幸いにも、
忘れたくない思い出と小さな熱がある。

いつだって矛盾してる感情は置いといて、
今度は家具の配置が難しそうな
変な形の角部屋に住みたい。

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