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どうして、マスコミは私に関して大げさな話を書くのだろう――『プーチン、自らを語る』
2000年、エリツィンの後継指名を受け、一回目の大統領就任間近のプーチンが、ロシア人ジャーナリストの質問に答える体裁で刊行された長編インタビュー。貧しかった少年時代のことから大統領就任までの半生が語られていて、一種の伝記的な性格も持った一冊になっている。
以下、印象的だったプーチンの言葉を引用。
「結婚するのに理由がいるのかね。最大の理由は愛だよ」(P14)
「戦争ではいつも多くのあやまちが
スタインベック『アメリカとアメリカ人』――暴力が授ける「美徳」
スタインベック最後の作品、『アメリカとアメリカ人』を読む。書かれたのは公民権運動の盛り上がる1966年のこと。当時の世相を踏まえつつ、最後の作品とあってアメリカへの遺言というべき趣がある。『アメリカとアメリカ人』という題名が、アメリカ人にとってもアメリカという国は「一個の謎」なのだということを暗示しているようなのも興味深い。
移民を巡る問題をアメリカの建国にまで遡って描いた箇所や、大統領選におけ