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浅はかだと言えば、君は笑い転げる
「やっぱり、」といつもの言葉を唱える君の声、そして、あくびをする私の音。
「なんかほら、闇がありそうなんだよね」という一言で、19歳のある出来事を思い出した。「おばあちゃんに虐待されてたらしくって、だからさ、」と続ける君の声は少し弾んでいた。
「よかったじゃん」と返す私。何も良くはないのだけれど。しかし、誰かの痛みは誰かの喜びである仕組みは、宇宙の決まりごとなのかもしれない。
「てか、お姉さ
金木犀が雨に溶けて、
数日前、金木犀を吸い込んで、というタイトルで何か書こうと頭の片隅で考えていたのだけれど、人間の気持ちなどすぐに移り行くもので、違うものとなった。
自転車で風を切る瞬間、横断歩道で左斜め前を眺めている時、金木犀の香りを身体で感じる。その刹那、何故だか金木犀の香りを売りにした商品が頭に思い浮かぶ。ちゃんと役割を果たす姿を見届けることはいつもできない。
金木犀の訪れで秋を感じるのか、秋を感じている最
夢の中のrendez-vous
きっと、同じように樹々が生い茂り、太陽が近く、葉は光り輝き、
私たちを燃やしにくるだろう。
燃え尽きるまでは、短いようで実は長かったのかもしれない。
夢の中では、より一層ロマンチストになっていないと、説明がつかない、そう思ってしまう。
ノートの中には様々な言語が記されていて、彼がそこにチベット語の詩歌を付け足した。丁寧に説明される彼の美学は一ミリも理解できないけれど、そんな空間は恋愛の醍醐味だ