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ふたりを愛せよ


スマホの画面の中心部分より少し右下を、親指でタップする。

すると、画面いっぱいに文字が溢れ出し、読んでいなくても、「ありがとう」が一つではないことがわかる。

またひとつ、タップすると、スクリーンショットされた画像が貼り出され、そしてまたたくさんの文字と、「ありがとう」と、その他が並んでいる。


そして、ぐるぐるっとした雲のようなスタンプと。

私は、そこに隠された数字を知っている。
その数字に対する恥じらいを知っている。

昨夜画面の右上で浮かんでいた2という数字を頭の中で想像する。


子どもの絵日記に出てきそうな雲は、その下が一体どんな数字になれば、姿を消すのだろうか。

10に達したら、数字たちは隠されずに済むのだろうか。

たった、ふたり。

たったふたりをさ、
愛しているのに、
「ありがとう」というくせに、

私たちの世界では、
その2が持つ意味は、
無いに等しかったりする。

けれど、ふたり。
人間がふたり。
自分以外の誰か、ふたり。

それってさ、

奇跡以外のなにものでもないと思うんだ。

ふたりと話したこと、
ふたりと過ごした時間、
昨日はふたりでした。

そうやって、見せられる愛を…。

文字を書くことが生き甲斐です。此処に残す文字が誰かの居場所や希望になればいいなと思っています。心の底から応援してやりたい!と思った時にサポートしてもらえれば光栄です。from moyami.