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この街に「優しさ」を実装するために、「飲まない東京」を考えたい
知っている人も多いと思うのだけれど、僕はお酒を飲まない。飲めないのではなくて、飲まない。もちろん、決して酒に強い体質ではないのだけれど、それ以上に「酒の席」が苦手なのだ。出版業界の、とくに批評とか思想とかそういった分野はまだ昭和の飲み会文化が色濃く残る古い世界で、業界のボスが取り巻きを連れて飲み歩いて、取り巻きはボスの機嫌を取るためにその敵の悪口を言って盛り上がるという陰湿なコミュニケーションが
もっとみるAIを使って難しい本を読む方法〜あるいは今さら聞けないマルクス主義(の魅力と危うさ)
最近、数十年前に書かれた本に興味がある。先日勧められて買ってみたマイケル・ポランニーの『個人的知識』もその一つだ。
ポランニーといえば「暗黙知」。形式化されない知があるという指摘で、いまや一般的にも通用する言葉になっているのは考えてみると凄いことである。「暗黙知」についてだけでいくらでも話が広がるが、ひとまず松岡正剛さんの千夜千冊を紹介しておく。暗黙知とは、言語化されない職人技みたいなもの「では
なめらかな社会とその敵
書評_023
松川研究室B4 河村侑
書籍情報
書籍:なめらかな社会とその敵
著者:鈴木健
出版社 : 勁草書房(2013/01/30)
核と膜本書の本題である「なめらかな社会」について触れる前に、著者が本書の第1章で語っている「社会」を構成する、我々人間を含んだ全ての生物がその進化の過程の中で取得してきた【私的所有】の概念について話そうと思う。
細胞はこの地球上では約40億年前に登
HACSで考えるコンヴィヴィアルなデザイン
『コンヴィヴィアル・テクノロジー』を書いたことがきっかけとなって、技術哲学に関わる方々と議論する機会ができたのだが、その中で基礎情報学のHACSと呼ばれる概念モデルに出会った。とても興味深く、ビジネスやデザインなど幅広い分野で「使える」考え方だと思っていて、最近、講演や取材やインタビューなど、ことあるごとに紹介しようと試みているのだが、これがなかなかうまく伝わらず、毎回もどかしく感じている。
そ
ほんとうにえらい人は、自分がえらくないことを知っている。
自分のほうがえらい、という態度で接してくる人が苦手だ。
いわゆる上から目線にかぎらず、たとえば些細なメールのやりとりでもおのれのえらさ、おれのほうが上なんだぞ感、を押し出してくる人は大勢いる。アンタいつからそんなにえらくなった? 大御所のつもりか? と言いたくなる人も。
一方で、「大御所なのに謙虚」な人たちの存在もよく知っている。「ほんとうにえらい人は、総じて謙虚なものだ」といった話もよく耳に
「頭がいい人は難しいことをわかりやすく説明することができる」は本当だろうか
長文ファンの皆様おはようございます。
「頭がいい人は難しいことをわかりやすく説明することができる」とよく言われます。ある程度はそう言えそうなものの、やはり難しいことはどんなに説明上手でも理解が難しいこともあり得ます。
これは「わかることと、わかった感があることは違う」ところからやってきていると思います。どちらかというと「わかった感」の話をしていると思います。ではわかった感はどう生み出されるので
こんな話、だれが聞きたいというのだ。
先日、おなかを壊して公衆のトイレに駆け込んだ。
一秒の猶予もままならないはずの自分でさえ「うおお」とたじろぐほどに、トイレが汚かった。腹に背は変えられない。つま先立ちするようにして用を足した。間に合った。外で待ってくれていた同行の人に、いましがたの災難を詳細に語ろうとして、やめた。
こんな話、だれが聞きたいというのだ。
そう思って、言うのをやめた。憤りまじりに語ることによって汚れたおのれの気
Claude AIは翻訳も優秀。要約から翻訳まで頼り切って英語放送してみた結果
スタンドFMで毎月22日はECD(English Challenge Day)と言って、一言でも良いから英語で発信してみようという企画が開催されます。
今回は、Claude AIの力を借りまくって参戦しました。
以下に今回の手順をご説明します。
スタンドFMをListenという音声配信プラットフォームを連携しておくと、配信を自動で取り込み、文字起こしをしてくれます。
実際は、こんな感じです
インターネットの登場で本当に知識に価値は無くなったのか
長文ファンの皆様おはようございます。
昔はいろんなことを知っている人が賢い人だったが、インターネットの登場でそれが崩れ、知識は必要なくなった、wikipediaを調べればいいし、chatGPTに聞けばいい、と言われることがあります。
しかし、そもそも「知っている」とはどういうことなのでしょうか。
例えば日本の歴史に詳しい人がいます。何を聞いても少なくとも教科書に載っているような史実を知ってい
デザイン力の3段階モデル
デザイナーのデザイン力という概念について。
私が普段考えているモデルについて書いてみます。
正解があるものではないので、あくまで個人の視点です。
デザイナーの3つの能力現代のデザイナーの能力は
最適化力
創造力
革新力
と整理しています。
おそらく多くのデザイナーが列挙した順で能力を身につけて行き、この順で身につける難易度が上がります。そのためこれらの能力をそのままレベル1~3と捉えてい
メディアの話。戦艦大和が宇宙戦艦ヤマトになったわけ。
終戦記念日でいくつかの文章を読んでいるうちに、「なぜ戦艦大和は、『かっこいい』存在として、戦後語り継がれたのか」という疑問が湧いてきた。
すでによく知られているように、第一次世界大戦後に構想された巨大戦艦=大和の概念は、大艦巨砲主義は、航空機の発達によって、太平洋戦争勃発前までに、「時代遅れ」になっていた。
何より、日本軍の航空機による1941年12月8日の真珠湾奇襲が成功しているのだ。
つ
ドーピングの歴史からドーピングはなぜ良くないのかを考える
長文ファンの皆様おはようございます。 今日は「ドーピングはなぜ禁止されているのか」から、「大麻はドーピングなのか」を考えてみたいと思います。今日は第一弾。
ドーピングの語源は、複数ありますが、有力なのはアフリカ南部のカフィール族が先頭や狩猟の際に飲んでいたdopという酒だと言われています。
その後、何かの物質を摂取することでパフォーマンスを高める行為がドーピングと呼ばれ、禁止されてきました。