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社会運動・実相・虚妄

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主に現在進行形の社会運動について考えるための記録やデータなど素材と考察です。独自調査や聞き取りを含みます。あえて対立構造をつくりったり声の大きさでやった気になる運動は害悪でしかな…
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記事一覧

精神勝利法、配信世代、みんなすごいキレイだよ!があきらかにしたバズり幻想について

精神勝利法、配信世代、みんなすごいキレイだよ!があきらかにしたバズり幻想について

私は原発事故後に首都圏から自主避難した母子の困窮問題に関わり、その後旧統一教会追及問題でも教団や信者、信仰を継承しなかった子弟から直接事情を聞いてきた。直近では、神宮外苑再開発反対運動のデマ体質を問うた。これらの活動から「扇動の循環構造」や、「虚像」を生み出す「メディア世論」の弊害を明らかにしてきたが、ある種の人たちが情報操作でいとも簡単に騙されて扇動の渦に飲み込まれるのが不思議でならなかった。

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私は黙らない。おまえは黙らせる。 蓮舫さんから考えるファシズム

私は黙らない。おまえは黙らせる。 蓮舫さんから考えるファシズム

2011年7月3日、松本前復興担当相が宮城県庁で村井嘉浩知事と面会した際に、記者たちへ向かって「みなさん、いいですか、『書いたらもうその社は終わり』だから」と露骨に圧力をかけた。
2023年3月11日、福島市内で原発存続に否定的な主張を展開するデモが行われた。デモを主催した『すべての原発いますぐなくそう!全国会議(略称:な全/NAZEN)』は中核派の大衆運動組織で、これを筆者がツイッターで指摘する

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君たちは前衛ごっこで分断を生み支持者を失った

君たちは前衛ごっこで分断を生み支持者を失った

左翼・左派が負ける原因ははっきりしている。原因はとても簡単なわかりきったことだ。そして彼らに勝ったのは右翼・右派ではない。また彼らにとって選挙に勝つことは、もっとも大切な目的ではなかったのだ。

加藤文宏

1 民主党が存在したとき、以下のイラストがインターネット上に広く出回った。

 自民党支持者はキモオタ(気持ち悪いオタク)でネトウヨ(ネット右翼。ネット上に存在する右翼思想を持つ人物。特定の国

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都知事選と情報戦と敗者蓮舫さんの前途

都知事選と情報戦と敗者蓮舫さんの前途

加藤文宏

はじめにこの記事を公開しようとしたとき、選挙集会で演説しているトランプ前大統領が銃撃されたと第一報が届いた。銃撃事件は「その瞬間の出来事」だけでなく、さまざまな「情報」が大統領選のみならずアメリカ社会の動向に影響を与えるだろう。同じように、7月7日に終わった都知事選から無数に放たれた情報が、東京都のみならず日本に大きな影響を与えるのは間違いない。

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 6月23日に『都知

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生麦事件 ロッシェル・カップ 神宮外苑の災難

生麦事件 ロッシェル・カップ 神宮外苑の災難

加藤文宏

前回、『彼らはなぜ神宮外苑再開発反対のデマに乗ったのか』でデマを盲信したり利用した著名人たちと、再開発反対の旗手で情報発信源のロッシェル・カップが織りなす構図をあきらかにした。
今回は、ロッシェル・カップという存在、ロッシェル・カップ的なものを、私たちの社会はいかに扱うべきかを考える。
2022年にカップが、オリンピック関連事業のため代々木公園の樹木が伐採されると大げさな誤情報を流した

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彼らはなぜ神宮外苑再開発反対のデマに乗ったのか

彼らはなぜ神宮外苑再開発反対のデマに乗ったのか

坂本龍一、桑田佳祐、村上春樹ほかサエキけんぞうなど著名人がデマに乗って神宮外苑再開発に反対の姿勢をとった。なぜ彼らは調べたり現地へ行けばわかることや、多様な人々の多様な意見を無視してデマ拡散者になったのだろうか。情報の発信源のひとつで、反対運動の旗手でもあるロッシェル・カップについても考えよう。

加藤文宏

1 まず大前提となる「事実」を確認しよう。
 2024年7月3日、神宮外苑再開発コンソー

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都知事選で見ておくべき候補は蓮舫・石丸・清水・安野・ひまそら【短信】

都知事選で見ておくべき候補は蓮舫・石丸・清水・安野・ひまそら【短信】

加藤文宏

はじめに 都知事選で、小池ゆり子が現職の強み以上の横綱相撲を取っている。小池が再選されるか否かと関係なく、彼女をひとつの基準としたとき興味深いのが蓮舫、石丸伸二、清水国明、安野貴博、ひまそらあかねだ。それぞれの戦いぶりと得票数(得票率)から、東京都の有権者像がその分布とともにはっきりわかる。

モラル・パニック現象を操る人々

モラル・パニック現象を操る人々

ゲーム脳や携帯電話を巡る騒ぎを思い出そう。「モラル・パニック」によって世の中が流され、できごとの本質が忘れ去られただけでなく、新たな敵がつくられて社会が分断された。

加藤文宏

モラル・パニックとは何か

しんぶん赤旗の大問題

しんぶん赤旗の大問題

加藤文宏

はじめに 政党の機関紙が自治体の職員にゴリ押しされていて、購読せざるを得ないものになっているとしたら、誰もがおかしいと思うはずだ。ところが、しんぶん赤旗の暴挙をマスメディアが仔細に報じたことがあっただろうか。
 このように見ざる聞かざる言わざるが常態化しているなか、しんぶん赤旗の庁舎内勧誘の実態に迫った書籍『「赤旗」が、白旗を上げる日』が出版された。同書を一般公開記事で触れる前に、会員

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大衆扇動 学校検診と活動家になりたい人 そしてマスメディア

大衆扇動 学校検診と活動家になりたい人 そしてマスメディア

加藤文宏

はじめに 小学校で行われた健康診断について女子生徒の保護者が上半身の衣服を脱がせる行為の理不尽さをTwitter/Xで訴え、たちまち数多くの人が寄り集まって検診をする医師や学校や集団検診に怒りをぶつけはじめるできごとがあった。
 このできごとそのものを論じるのではなく、このできごとの「構造」をあきらかにして、いまどきの大衆扇動を考える。

SNS世論・フレーム・虚像・争点 健康診断騒動

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「メディア世論」が世論をつくっている

「メディア世論」が世論をつくっている

加藤文宏

第四の権力マスコミの大権力 「報道が世論をつくる」「政治を動かす」と言われて否定する人はいないだろう。マスコミが社会や政治に影響を与えて当然だからだ。しかし「反安倍」の風潮や、統一教会追及世論と解散命令請求への道筋が、報道によってつくられたと指摘されると否定する人が登場する。おかしな話だ。
 安倍晋三元首相暗殺事件が発生した翌日の2022年7月9日、東京新聞は【「変えるのは言論でなけれ

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理不尽な13年 れいわ・立憲・共産・社民が生んだ虚像とエセ左派・リベラル

理不尽な13年 れいわ・立憲・共産・社民が生んだ虚像とエセ左派・リベラル

──山本太郎とれいわ新選組は、大衆扇動のかぎりを尽くしている。扇動された人々を囲い込めば、コストをかけずに新たな運動が展開できる。こんなことのために、東北被災3県や能登半島の被災地が利用された。れいわ新選組だけでなく立憲・共産・社民の大衆扇動によって増殖したのが、「より平等な社会を目指すための社会変革」とまったく関係ない自称左派・リベラル層である。彼らは「左派・リベラル」を名乗るためだけの戦いを続

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草津町冤罪事件とフェミニズム/もはやフェミニズムではないJフェミニズムの構造

草津町冤罪事件とフェミニズム/もはやフェミニズムではないJフェミニズムの構造

新井祥子氏が草津町の黒岩町長に性交渉を強要されたと嘘の告発をすると、フェミニズム活動家たちは証言を鵜呑みにして町長と草津町を誹謗中傷した。濡れ衣だったことが確定してからも、彼らは謝罪だけでなく反省すらしていない。こうしたなか「しんぶん赤旗」の謝罪を評価する者もいるが、吊し上げを先導していた同紙ならびに共産党の責任が厳しく追及される恐れがあったので謝らざるを得なくなっただけだ。共産党とフェミニストは

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