ものあい・相澤染工場/相澤択哉

藍染、印半纏、手工業についての出来事や検証、考えたことを書きます。伝統的な技法で藍染印…

ものあい・相澤染工場/相澤択哉

藍染、印半纏、手工業についての出来事や検証、考えたことを書きます。伝統的な技法で藍染印半纏を中心とした製品を染色、製作しています。経歴:2010化学メーカー就職→2016相澤染工場入社。

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    藍染×型染スカーフ

    綿100% 約50㎝×50㎝ 丸キリで彫りぬいた型紙を使って染めあげたオリジナルの模様です。 透けるほど薄い綿生地で、クシャっと使えば柔らかな風合いに、 アイロンをかければシャキっとシルクのような光沢のある質感になります。 使っていくうちに色が徐々に落ち着いて淡い風合いに変わっていきます。 シャツ・Tシャツなどを着た首元や、麦わら帽子、バッグなど、 さらっと身に着けられるサイズ感です。 ポケットに入れてもふくらみは気にならない厚さでハンカチとしてもお使いいただけます。 オプション(+¥100)で箱をお付けします。ギフト等にご利用ください。 色々な場面、お好きな使い方で 変わっていく色合いを楽しんでいただければ幸いです。 【藍染製品について】 手染め製品のため、多少の色ムラや柄のにじみがある場合がございますが、 染め物の味としてお楽しみいただければ幸いです。 【お取扱いについて】 長時間、日光に当て続けると次第に色が焼けていきますので、 保管場所にお気を付けください。 【掲載の品物について】 色は実物に近いよう、カメラの露出等調整をしておりますが、実物と若干異なる場合があります。ご了承願います。 使用イメージ写真は違う柄の物で撮影している場合があります。 本体のみで写っている柄をご参考下さい。 ・洗濯方法などの取り扱いについては ホームページをご覧ください。 http://www.mono-ai.jp/
    1,650円
    ものあい(mono-ai)/相澤染工場
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    藍染半纏コート(オーダー品)

    一点物。掲載写真は過去に仕立てた一部になります。 手甲半纏を基にした日常に装いに馴染む羽織物です。 ・洗い加工の有無を選べます。使用感がでて、藍染印半纏特有の強い色落ちはありません。 ・脇と裏に大きめのポケットがつきます。 ・その他、ご希望に合わせて寸法等調整致します。 その他、お気軽に問い合わせください。 LINE(https://lin.ee/WbzSBYz)
    35,200円
    ものあい(mono-ai)/相澤染工場
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    藍染半纏コート(麻60%/綿40%)

    生地:麻60% 綿40% サイズ:FREE(肩幅60cm/身丈80cm/袖丈75cm) モデル:男性181cm、女性165cm 手甲半纏の形・仕立てを基にした藍染の羽織物です。 ・普段の装いになじむ形にしています。  無駄な生地が出ない和裁の仕立てを守りながら、袖や衿の巾を整えています。 ・男性、女性区別なくどなたでも羽織れます。  袖の裏にも同じ生地をつけています。折り返して着用できます。 ・脇と裏側にポケットがついています。  ポケットの縫い目が見えないような仕立てになっています。 お取り扱い方法: 長時間、日光や蛍光灯にあたると色焼けする可能性があります。 濡れ、湿った状態で擦れた場合、他の物に色がつく可能性があります。 お手入れは、塩素系の洗剤・漂白剤は使用せず、弱い洗い(洗濯機可)、脱水短時間、陰干しすることで色合いの変化を少なくすることができます。  藍染の特性上、洗うと徐々に色が淡くなっていきますが、経年変化を楽しんでいただければ幸いです。 ※素材の特性上、また、お客様のモニターの環境等により、掲載商品と実際の商品の色合いや風合いが若干異なる場合がございますので、ご了承くださいませ。 サイズを変えてのオーダーご相談承ります。 その他、お気軽に問い合わせください。 LINE(https://lin.ee/WbzSBYz)
    24,000円
    ものあい(mono-ai)/相澤染工場

記事一覧

江戸文字について(角字)

半纏には様々な文字が使われますが、 その中でも伝統的な字体「江戸文字」の中の「角字」について紹介します。 江戸文字とは 江戸時代に盛んに使われた字体の総称です。 …

小幅の生地について

 和装に関わっている方は「小幅(こはば)の生地」という言葉をよく聞くと思います。 身近で見られる小幅の生地は「手ぬぐい」で、この生地幅は日本の布・衣文化に深い関…

藍染印半纏に使う「呉汁」について

藍染印半纏に使う材料、「呉汁」について話していきたいと思います。 呉/呉汁とは大豆のしぼり汁のことをいいます。 これを生地に刷毛などで引いていくことを「呉入れ」…

硫化染め工場の閉店とその影響

 染工場の一つが閉店するとの情報が入ってきました。 いくつかの染色をしている工場ですが、その中に「硫化染め」という染色技法があります。 硫化染めとは「建て染め染…

防染糊の材料と作り方

 藍染印半纏の柄、模様、くっきりした柄を出すための材料の一つに「防染糊」があります。 いまは防染糊を染色材料屋で購入できますが、今でも染物屋で独自に作っていると…

紺屋と信仰の話

 今回は染物屋と信仰の話を少し。 昔、藍染めなど染物の仕事としていた染物屋を「紺屋」と呼んでいました。 紺屋の多くは愛染明王を信仰しています。 この信仰は江戸時代…

ものあいの品物とふるさと納税

 私が仕事をしている相澤染工場は、埼玉県の八潮市というところにあります。埼玉の南東、千葉、東京がすぐ近く。 そして今年から八潮市のふるさと納税返礼品にものあいの…

藍染印半纏の工程

 今回は藍染印半纏の工程について説明をしたいと思います。 相澤染工場のサイトにも少し載せていますがそれよりも詳しくご紹介します。 仕事の大部分は、この作業のどれか…

休日限定の藍染体験を始めました。ものあい/埼玉県八潮市

 今日は、個人的なサービスの話をします。  タイトル通り、11月から休日限定で藍染体験をオープンします。 きっかけは、5歳の娘が「お仕事したい(染めてみたい)」と言わ…

藍染とウールの相性の話

 藍染の冬の品物を考えた時、ウールを染色したことがありました。 染まりも鮮やかで、色落ち等の問題は見られなかったので、複数のウール素材を染めてみることにしました…

失敗しない半纏作り・店選び③-半纏の仕様と値段の関係-

 半纏は誂え物(オーダー品)として、いろいろな要因で値段が変わってきます。 具体的にどのような部分がどの程度値段に関係していくか、説明したいと思います。 その前…

半纏に柄・模様をつける場所の名前(大紋・衿・総柄など・・・)

 大紋、衿、腰柄、総柄・・・これらは半纏の決まった場所に付ける模様や柄の総称です。 半纏を作る時に知っておくと、円滑に相談ができたり、話の中で半纏の形をイメージ…

失敗しない半纏作り・店選び②-染料について-

半纏に使われる染料について説明します。 この記事では、半纏選びの参考になる情報をご紹介しています。 染色に関する半纏の変遷(概略) まずは染色に関する半纏の変遷…

藍染の堅牢度について

 藍染製品の購入を検討する時、同時に色落ちや色焼け、色移り(お手入れ・洗濯方法)が気になる方が多いのではないでしょうか。 (染める私自身も、とても気にかける部分…

失敗しない半纏作り・店選び①-商流の変化-

 半纏を新調する、追加する、新しい模様・文字にしたい、、、半纏作りを検討する方々に向けて、大切な半纏作りの失敗を防ぐ情報を載せていきます。 今回は半纏の「商流の…

紗張(しゃばり)屋の閉店とその影響

 都内にある紗張屋が今年いっぱいでお店をたたむという情報が入っています。今では紗張りを専門としている所は珍しく、昔の染色業界を支えてきた手工業のお店が一つ終わり…

江戸文字について(角字)

江戸文字について(角字)

半纏には様々な文字が使われますが、
その中でも伝統的な字体「江戸文字」の中の「角字」について紹介します。

江戸文字とは 江戸時代に盛んに使われた字体の総称です。
主に、太い筆で勢いよく書かれたようなものが多く、寄席文字、相撲文字、籠文字などが挙げられます。
半纏でよく使われる字体も「江戸文字」の一つとして、今も親しまれています。

江戸文字「角字」 江戸文字の中に「角字」という字体があります。

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小幅の生地について

小幅の生地について

 和装に関わっている方は「小幅(こはば)の生地」という言葉をよく聞くと思います。
身近で見られる小幅の生地は「手ぬぐい」で、この生地幅は日本の布・衣文化に深い関係があります。

小幅の生地は日本特有 流通している織物の主な生地幅は90cm、110cm、140cm前後の3種類です。
一方で小幅の生地は35ー40㎝くらい。
この生地幅は日本の手織りの名残とされています。
手織りの場合、緯糸を通すのにシ

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藍染印半纏に使う「呉汁」について

藍染印半纏に使う「呉汁」について

藍染印半纏に使う材料、「呉汁」について話していきたいと思います。

呉/呉汁とは大豆のしぼり汁のことをいいます。
これを生地に刷毛などで引いていくことを「呉入れ」といいます。

呉汁の取り方ミキサー(豆腐屋で使うものと同じだと思います)に水と大豆を入れてつぶし、それを布に入れて絞り、濾します。
相澤染工場では2回絞り、最初に絞ったものを一番呉、次に絞ったものを二番呉として使います。

目的・生地に

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硫化染め工場の閉店とその影響

硫化染め工場の閉店とその影響

 染工場の一つが閉店するとの情報が入ってきました。
いくつかの染色をしている工場ですが、その中に「硫化染め」という染色技法があります。

硫化染めとは「建て染め染料」という部類で、酸化して生地に色がつく染料です。これは大きくは藍染と似た性質です。
硫化染料の中には色合いが何種類もあります。どれも落ち着いた、くすんだ色味が特徴といえます。
染色の手間は、藍染>硫化>反応染料という位置づけで、価格帯も

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防染糊の材料と作り方

防染糊の材料と作り方

 藍染印半纏の柄、模様、くっきりした柄を出すための材料の一つに「防染糊」があります。
いまは防染糊を染色材料屋で購入できますが、今でも染物屋で独自に作っているところもあります。相澤染工場も同様です。
お店によって作り方や細かい材料はそれぞれ。
防染糊の材料や作り方を紹介したいと思います。

藍染の防染糊以外の模様をつける染め方・ろうけつ
 ろうを使って染まらないところを作ります。
・抜染
 染めた

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紺屋と信仰の話

紺屋と信仰の話

 今回は染物屋と信仰の話を少し。
昔、藍染めなど染物の仕事としていた染物屋を「紺屋」と呼んでいました。
紺屋の多くは愛染明王を信仰しています。
この信仰は江戸時代あたりから始まったとされています。
江戸周辺だけでなく、静岡など当時染物が盛んだった地域の紺屋も同じように愛染明王を信仰していたようです。

愛染明王と紺屋の関係著書引用「さいたまの職人 民俗工芸実演公開の記録ー」(詳細最下部)
 ”愛染

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ものあいの品物とふるさと納税

ものあいの品物とふるさと納税

 私が仕事をしている相澤染工場は、埼玉県の八潮市というところにあります。埼玉の南東、千葉、東京がすぐ近く。
そして今年から八潮市のふるさと納税返礼品にものあいの品物を加えていただいています。
ふるさと納税による寄付を考えられている方は、12月までに寄付先をあれこれ探すと思います。
11月にさしかかる今の時期ということで、ふるさと納税についてと私がおすすめする八潮市の返礼品の一部をご紹介したいと思い

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藍染印半纏の工程

藍染印半纏の工程

 今回は藍染印半纏の工程について説明をしたいと思います。
相澤染工場のサイトにも少し載せていますがそれよりも詳しくご紹介します。
仕事の大部分は、この作業のどれかをやっています。

(説明の中に出る用語について、リンクを参考にしてください。)

全体の流れ 藍染印半纏の代表的な2種類の半纏を想定して紹介します。
どちらも色は藍染紺の場合です。
1.大紋または衿に色を入れる場合。
つもり→練地(精練

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休日限定の藍染体験を始めました。ものあい/埼玉県八潮市

休日限定の藍染体験を始めました。ものあい/埼玉県八潮市

 今日は、個人的なサービスの話をします。

 タイトル通り、11月から休日限定で藍染体験をオープンします。
きっかけは、5歳の娘が「お仕事したい(染めてみたい)」と言われて準備したこと。
思いのほか楽しかったようで、何度かリピートをしています。
気に入ってもらえた理由の一つが、子供が「一人で作れた」感が得られる内容だったからかなと感じています。
子供ができる内容に・・・、と準備してやってみると、意

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藍染とウールの相性の話

藍染とウールの相性の話

 藍染の冬の品物を考えた時、ウールを染色したことがありました。
染まりも鮮やかで、色落ち等の問題は見られなかったので、複数のウール素材を染めてみることにしました。
すると生地によってはきれいに染まらない、質感が変わるなど品質が不安定で、ウールと藍染の相性について、検証をしてみることにしました。
この検証をしたのは2017.2ごろですが、整理も兼ねて記事化します。

・ウールの性質 藍染に関係するウ

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失敗しない半纏作り・店選び③-半纏の仕様と値段の関係-

失敗しない半纏作り・店選び③-半纏の仕様と値段の関係-

 半纏は誂え物(オーダー品)として、いろいろな要因で値段が変わってきます。
具体的にどのような部分がどの程度値段に関係していくか、説明したいと思います。

その前に。これからの説明に半纏に関する用語がでてきますので、必要な方はこちらを確認すると理解しやすいと思います。
↓半纏の柄・模様をつける場所の名前↓

・型代 柄、大紋、文字などをつける場合、まずは型紙を作ります。
(型紙を使わない技法[筒描

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半纏に柄・模様をつける場所の名前(大紋・衿・総柄など・・・)

半纏に柄・模様をつける場所の名前(大紋・衿・総柄など・・・)

 大紋、衿、腰柄、総柄・・・これらは半纏の決まった場所に付ける模様や柄の総称です。
半纏を作る時に知っておくと、円滑に相談ができたり、話の中で半纏の形をイメージしやすくなり、便利なのでご紹介します。
半纏を使用する分には知らなくても全く問題ない内容です。
この記事では標準的な位置で書きますが、現在は技術・時代・用途的にも柄・模様をつける位置の自由度は高いので、参考の1つとして読んでもらえればと思い

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失敗しない半纏作り・店選び②-染料について-

失敗しない半纏作り・店選び②-染料について-

半纏に使われる染料について説明します。
この記事では、半纏選びの参考になる情報をご紹介しています。

染色に関する半纏の変遷(概略) まずは染色に関する半纏の変遷を簡単に。
半纏は庶民の防寒着、仕事着として着られてきました。
その中で「印半纏」と呼ばれる背中や衿、胴回り、に家紋や屋号、名前などをあしらったものがでてきます。
この「印」は所属や集まりを表します。
つまり印半纏はいわば「ユニフォーム」

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藍染の堅牢度について

藍染の堅牢度について

 藍染製品の購入を検討する時、同時に色落ちや色焼け、色移り(お手入れ・洗濯方法)が気になる方が多いのではないでしょうか。
(染める私自身も、とても気にかける部分です)
こういった色の変わりやすさ/にくさ・落ちやすさ/にくさ、を染色堅牢(ろう)度と言います。
藍染の堅牢度についてインターネットで調べると、様々な情報が出てきます。
良いという意見、悪いという意見様々ですが、良し悪しを何と比較しているの

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失敗しない半纏作り・店選び①-商流の変化-

失敗しない半纏作り・店選び①-商流の変化-

 半纏を新調する、追加する、新しい模様・文字にしたい、、、半纏作りを検討する方々に向けて、大切な半纏作りの失敗を防ぐ情報を載せていきます。
今回は半纏の「商流の変化」を交えて説明していきます。

   失敗しない店選びのための簡単な方法 結論から。半纏作りで失敗しない方法は「いろいろなお店から見積もりを取ること」です。
当たり前な事ですが、もっと丁寧に言うと「呉服屋、卸問屋、染元、地域、紹介

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紗張(しゃばり)屋の閉店とその影響

紗張(しゃばり)屋の閉店とその影響

 都内にある紗張屋が今年いっぱいでお店をたたむという情報が入っています。今では紗張りを専門としている所は珍しく、昔の染色業界を支えてきた手工業のお店が一つ終わりを迎えます。

紗張りとは? 型を掘った後に紗というメッシュ状の布を張る作業のことです。
型の補強、柄の中で型紙が離れている部分を繋げる役割をします。
紗張りの出来次第で型の寿命、糊置きのしやすさも変わる大事な作業です。
縞柄は紗を縞に対し

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