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江戸文字について(角字)

半纏には様々な文字が使われますが、
その中でも伝統的な字体「江戸文字」の中の「角字」について紹介します。

江戸文字とは

 江戸時代に盛んに使われた字体の総称です。
主に、太い筆で勢いよく書かれたようなものが多く、寄席文字、相撲文字、籠文字などが挙げられます。
半纏でよく使われる字体も「江戸文字」の一つとして、今も親しまれています。

江戸文字「角字」

 江戸文字の中に「角字」という字体があります。
角字とは上記のような字体とは異なり、四角の中に水平垂直の線だけで作る文字を指します。
読むことには適さず、文字を模様として図案・デザイン化したもの、限られたコミュニティ内で認知されるようなデザインといえます。
半纏において、腰柄、付下げの総柄、衿文字などいろいろな部分で使われます。
同じく江戸時代にでてきた「源氏香」の図案は角字と似ており、その頃のデザインの流行の一つだったのかなとも感じさせられます。

角字の「割り」

 角字は、文字の大きさ、縦横比によって形を整えます。
例えば、正方形の角字は縦横同じマス数、近いマス数(6×6など)で作ります。
長方形の場合は、横5×縦7マスなど、漢字と縦横比に応じて決めます。
こうした割り方(マス)を決めて角字を作っていきます。
(半纏の衿の角字は、基本的に約5.5cm×7cmで作ることが多いです。)

「角字」の角字

実際に「角字」の角字を作ってみました。

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左が長方形、右が正方形です。
比較すると単純に縮小したのではなく、長方形は(横5×縦7)、正方形は(横6×縦6)の割りで作っています。
(シンプルな漢字なので、下部分しか大きな差異は見られないと思いますが・・・)
このように、同じ漢字でも割り方で違う形になります。
さらに、漢字・大きさが全く同じでも、線の引き方・つなぎ方で違う形にもなります。
基本的なルールのようなものはありますが、同じ字でも色々な形になり個性を出せるのが角字の特徴の一つです。


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普段はこの文字の下絵を含めて半纏を製作していますが、
この角字(江戸文字も)の作成のみを受け付けを始めました。

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