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柴野弘志
2024年6月8日 20:01
細く開けた窓から風が入ると、ふわりとカーテンを揺らした。風はほのかに温さを感じ、窓辺に聳える桜の木はちらちらと花をつけ始めている。春が来たのだなと兆治は思った。 なんと穏やかな時間であろう。ベッドの上に横たわったまま、ふとそんな風に感じた。こんな時間が訪れるとはついぞ思わなかった。それほどに浮き沈みが激しく、生きることに執着した人生を送ってきたと思うのである。 最初に記憶しているのは広い家で
酒本 歩/小説家/noter
2023年7月16日 13:53
昨日、作家さん仲間が集まって、かねてから計画のあった【プロット勉強会】を実施しました。その報告をしたところ、思いのほか反響があり、プロットを見たいと言う声をいただきました。※貼り付けた懇親会の写真を見た方から「おじさん同士が仲良く呑んでいる風にしか見えないのが(笑)😆」というコメントがあって思ったのですが、確かに仲が良いというか、気心が知れている人でないと自分のプロットを見せたり、意見をもら
ももまろ˚✧₊⁎ ‧˚₊*̥(∗︎*⁰͈꒨⁰͈)‧˚₊*̥⁎⁺˳✧
2023年11月17日 07:30
逃げる夢特有の、足が沼地に取られるような前に進みにくいもどかしさ右手に握るスマホは、何度も操作してでも、誰にも繋がらない逃げる夢を見ると、決まって登場するのは古民家の小さな住宅で玄関の引き戸を閉めると消音されてガラスがひしめくものを遮断したひしめくものは、やがて虹に変わって夕陽になる黒に近い濁流から逃れたときに見た夢引き戸の向こうは、トパーズのような透明な青と気泡が、古
2023年10月3日 07:30
「アタシが帰る日冬瓜のスープと炊き込みご飯が食べたい」前々から幼なじみに言われていた通り広島最終日は、冬瓜でもてなしたスープや炊き込みご飯以外に秋ナスのマリネ、ニンジンと葉のきんぴらかぼちゃのコロッケなど、地産地消の野菜を使い月曜からまた、都内で仕事する彼女をもてなす飛行機の搭乗手続きから時間を逆算し朝から下ごしらえなどをして夕方、彼女がうちへ訪れるのを待っていた「お