松下友香[ともか]🌈週末noteな人✨感謝

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松下友香[ともか]🌈週末noteな人✨感謝

公務員/作家[🌈予祝]自由な心で空を翔けたい🚩右脳と左脳を行ったり来たりしながら言葉の導く方へ🌙 スキ&フォローありがとうございます💓「文字であなたを応援」✨

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【小説】「夫婦の絆」プロローグ・第一話

プロローグ  年老いた夫は穏やかな瞳に涙を浮かべながら私の喉元を押さえ「ありがとう」と繰り返す度に力を強めた。笑うと目尻が下がり、より一層柔和に見えるその笑顔は何十年も見てきたのだが、今日ほど狂気に満ちて感じたことはなかった。ユリカモメの鳴き声が聞こえる。ここは、夫がよく釣りに出掛けた汽水湖の畔にある公園。「非日常」が繰り広げられていても目撃者は誰もいないような寂れた公園駐車場だ。車のフロント前方には湖が広がっている。青藍色の湖面が太陽の光を反射して穏やかに光るのを天色の空

    • 【小説】「夫婦の絆」第四話・エピローグ

      第四話「冬」  年老いた夫の指は依然として私の喉を絞めていたが、その力は少し弱くなった。或いは、私が痛みを感じないほどに死に近づいているのだろうか? 走馬燈であろう三十秒ほどのほんの僅かな時の流れの中、私の意識は令和を彷徨っていた。  夫は七十代になった今も、工場を廃業した際に精算したつもりだった借金の残りを、返済するために週に四回終日のバイトを続けている。私も、数年前までは近所の総菜店にパートとして務めていたのだが、年齢的にきついこともあり、夫と相談をして辞めてしまった

      • 【小説】「夫婦の絆」第三話

        第三話「秋」  年老いた夫の指は、依然として私の喉を絞めている。走馬燈というものは、時間にしたらほんの三十秒ほどなのに実際よりも長く永く感じてしまうのらしい。私の意識は色々な所に飛んでいった。我が子のことを思い出した私の瞳は涙で濡れているに違いない。  次に浮かんできた光景は夫の実家工場が倒産の危機に陥った時のことだ。子供に手が掛からなくなった頃から、夫の工場で事務員として働くようになった。愛想のない、癇癪もちの夫に代わり、従業員に言葉を掛け、ねぎらった。少しでも居心地の

        • 真心

          シロツメクサのように そっと寄り添う花を大切にしたい シロツメクサはささやかに咲く花だけれど 誰かの心に届く真心をもっている シロツメクサが願っているのは 偽りのない心でいること 純粋さを忘れずに素直であること そしてシロツメクサは 自分の咲く力を信じている 「祈りの雨」が降る頃 必ず咲くのだということを知っている ひっそりと咲くシロツメクサのことを 忘れずにいよう シロツメクサを大切にすること自体に 意味があるような気がするから

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        【小説】「夫婦の絆」プロローグ・第一話

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        • みなさんの宝物[保存版]
          65本
        • 短編小説
          14本
        • 生きる
          66本
        • 【小説】ヤングケアラーな私の闇は深くて愛しい
          0本
        • 学び合い授業スキルアップ研究会
          10本
        • みなさんの宝物
          158本

        記事

          相談される側のあなたへ

          noteを始めた頃からの大切な方を、お二人御紹介させて頂きます。 「いつもリアルで相談される側」のあなたへ 「たまには相談してみるのも良いものですよ」という話 渡邊惺仁さん前置きが長くなりましたが、そういう経緯でメンバーシップにも加入したり記事も拝見したりしているうちに、占術(占い)をお願いしてみることにしました。信頼できると思ったからです。 【どんな時に利用しているか】 自分が相談を受けた際に、相手の心理的な捉え方が問題ではなく、もう少し別のところに何かがありそうな事柄

          【小説】「夫婦の絆」第二話

          第二話「夏」  年老いた夫の指が私の喉を絞めつけたまま、私の意識は色々な所に飛んでいった。事故で生死を彷徨った友人から聞いたことがある。走馬灯というものは、まるで幻燈のように人生が早送りで映されるのだと言う。  次に浮かんできた光景は長女が誕生した時のことだ。  付き合い始めてしばらくして分かったのだが、森山は家族経営の自動車部品工場の跡取り息子だった。結婚すると当然のように夫の両親との同居が始まった。夢見ていたような、二人だけの甘い新婚生活とはほど遠かった。夫の愛情を感

          【小説】「夫婦の絆」第二話

          優しさとは

          あなたの言葉が 私を優しい気持ちにしてくれるように 優しさとは 伝播するもので 心地良い安心感を与えてくれる でもそれは 上辺の優しさを表しているのではなく 滲み出る人柄を体現したもの 誠実さだったり 裏表のない態度だったり 不器用さだったり 時には厳しさだったり さまざまな要素が集まって 混じり合って調和したものが 優しさになる だからあなたのもつ優しさと 私のもつ優しさには違いがあったりもする だから心地よかったりするのかな 優しい人が身近にいると 自分も優

          春の便り❸四つ葉のクローバー

          最近 僕は思うんだ 四つ葉のクローバーを手にいれることが 「幸せ」なのではないってことを なかなか見付からない四つ葉のクローバーを 探している時間こそが 宝物なんじゃないだろうか? 四つ葉のクローバーを手にいれるのは 一瞬の出来事で 見付けるまでに要した長い長い時間の方が 実は輝いているのかもしれないね まだ何も手に入れていないようで きらきらと輝いているその瞳に 「幸せ」はちゃあんと映っているからね だから僕は「今」を見つめることができる人に なりたいと思っている

          春の便り❸四つ葉のクローバー

          春の便り❷「せせらぎ」

          あの時 僕たちが 一緒に歩いた川辺は 明るい優しい色に包まれ 揺らめくせせらぎは 柔らかく 感情を受け止め 流れている せせらぎを眺める誰かの 憂いや戸惑いをのせて だから せせらぎを見ていると 心が穏やかに 自分に還るような感覚に出会う もしも心が 迷った時には せせらぎを眺めてみて欲しいんだ 不要な感情を手放すと 心が軽くなって 大切なものが浮かび上がってくるから 大切なものが何なのか気付いたら やがて あなたの心は満ちてゆく きっと だいじょうぶ

          私のイチオシ

          三羽 鳥さんの「イチオシください」の企画に参加させて頂きます。 私のイチオシは、今年1月に投稿した「曇り空に」です。土谷 光さんの曲から着想して第1話を書いて第2話以降を募集させて頂きました。 物語を協働してつくる楽しさを味合わせて頂いた大切な記事です。良ろしければ、ぜひ2話以降もあわせてお読みください。

          君といた春

          山根あきらさんの企画に参加させて頂きます。 君と出会ったのは ジャズ好きなマスターの「バードランド」 っていうジャズ喫茶 君はマスターの孫娘で 客のリクエストのレコード盤を ターンテーブルに載せて 客に紛れてその旋律を目を閉じて 聞き入っていた 僕は目を閉じた君に 聖母みたいに荘厳な何かを感じたんだ 僕はその常連客で 僕はジャズを聴きに行くよりも いつしか君に会いに通っていたのかもしれない そんな僕の気持ちに気付いた君は マスターからもらった ブルーノートのチケット

          春の便り❶「菜の花畑へおいでよ」

          春はなんだか不思議な季節で ついこの間まで手がつけられなかったことも やってみようと思えてしまう それはね 植物が大きく呼吸をしているからなんだ その植物の生命の輝きに 僕たちは勇気づけられている 春に輝く植物は 桜やチューリップだけじゃないんだ どんな花にも どんな新緑にも 生命が溢れている だから深呼吸をしてみたら分かるよ ゆったりとした春のリズムが ほら それは こんなにも優しい 人間だけなんだ こんなにうららかな春の日に あくせくしているのはさ だから疲れたら

          春の便り❶「菜の花畑へおいでよ」

          元同僚✨金子真弓さんの本をお勧め🌈

          真弓さんとの思い出は色々あるのですが、今回は著書の中身について御紹介をさせて頂きたいと思います。✨ 「教室で役立つほめられアイテム」 こちらは真弓さんがInstagramで掲載されている掲示や特活で役立つ技を惜しげもなく載せた本になっています。 私も新年度にP34「まちがえる」「かんがえる」「みちがえる」やP52「意図的指名に使える発表お願いカード」、P80「探して楽しい!宝探し」などすぐにでも活用してみたいと思います。 この御実践の素敵なところは、「わくわくを感じる」

          元同僚✨金子真弓さんの本をお勧め🌈

          3月末のルーティン

          新年度を迎える前に必ずやっていることがある。  それは地元の神社にお参りし、おみくじでアドバイスをいただくことだ。この神社は私の時間のある時の散歩コース上にあるのだが、宮司さんが同級生のため、そうそう頻繁には行くことができない。毎週のように神社参拝をしていたら「なんだか悩んでる人」みたいに思われそうでしょ?  なのでほどほどに参拝に伺っている。同級生の宮司さんに出会うと、子供も同級生ということで、もっぱら子育ての話題で盛り上がる。時々、私の記事に出てくる宮司さんだ。  今

          かぐや姫

          山根あきらさん🌈✨素敵な企画をありがとうございます。 子育てに時間をかけてきたけれど 気付いたら長女はあと一年 次女はあと三年で巣立っていく 永遠に続くかのように見えた この時間は一陣の風のように 過ぎ去っていくのだと 実感している かぐや姫が わずかな期間で成人になったと 伝えられているのは 心理的な時間を表しているのかもしれず 本来いる場所である月に向かうのは 子供が自分らしくいられる場所を探して 自己実現していく過程を表しているのだろうか 限られた時間の中で

          後輩を育てる際にもお勧めな本

          藤永啓吾著「中学校 新卒からの3年間を華麗に乗り切る仕事術」 1 「魅力的に感じる教師」✨  中学校に勤務された方ならきっと誰しもが感じたことがあるのではないでしょうか?「授業ができるだけでは生徒はついてこない」ということを。  多感な中学生を導くには、人として魅力ある存在であることが求められます。そのために藤永先生はあるキーワードを使われています。このキーワードは新卒の方だけでなく、ベテランの方にも必要なワードであると思われます。 2 「道徳科の勉強方法」✨  ズバ

          後輩を育てる際にもお勧めな本